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練習方法を決めるポイントを押さえよう!
練習方法を決めるときに大切なことは、「何をやるか」ではなく「何のためにやるのか」です。よく「どんな練習をすれば良いですか?」と聞かれることがありますが、人によって種目や目標、健康状態、モチベーションなどが違うので答えられません。まずは練習方法を決めるポイントを紹介します。
目標とするレースで決める
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マラソンやトラックレースなど、「自己ベストを出したい」「勝ちたい」といった狙ったレースがある場合は、そのスケジュールに合わせて(逆算して)練習内容を決めていきます。
例えば、マラソンのレースであれば3ヶ月~半年前くらいから長い距離を走れる体力を養い、レースに近づくにつれて応用系の練習を行っていきます。レース1ヶ月前からはレース本番のペース感覚を養いつつ、疲労を抜いていく必要があります。
自分のレベルに合わせて決める
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練習内容は練習の種類と本数、設定タイムによって決まります。目標とするタイムと現在の実力から自分のレベルに合った練習方法を決めましょう。特に初心者の場合、負荷が大きい練習は満足にこなせず練習効果が小さくなるので注意してください。
練習を的確に行うためにはタイムや心拍数を計れる時計があると便利です。
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●光学式心拍計搭載
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その日の体調で決める
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風邪をひいているなど明らかに体調を崩しているときは、練習を中断しましょう。それ以外でも、練習の疲労が蓄積しているときは、無理せず回復に徹することが大切です。もし応用系の練習をする予定でも、その日の体調によって練習方法や本数、設定などを変えるようにしましょう。
全てのレベルの人の基本となる練習内容
まずは初心者から上級者まで共通している、基本の練習方法を紹介します。
ロングジョグ(距離走・LSD)
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一般的なジョグにルールはありません。自由なのでその分工夫もしやすいです。何か目標がある場合は、「何となく」ではなく目的を明確に持ってジョグを実施するようにしましょう。
例えば、疲労が溜まっているときはペースを落としてゆっくりジョグすることで、全身の血液が循環し疲れが取れやすくなります。マラソンに向けて体力をつけたいときは、20km・30kmなどの距離走を行うと良いでしょう。
初心者であればLSD(Long Slow Distance)がおすすめです。LSDは名前の通りゆっくり長い距離を走るジョグのことです。ペースを抑えることで初心者でも長距離を走りやすくなります。
ペース走
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ペース走(ペースランニング・ペーラン・テンポ走)は、名前の通り一定のペースを維持しながら10km前後を走るトレーニングです。ジョグよりも速いペースで実施し、基礎的な体力(心肺能力)を高める効果があります。
長距離を走る種目の基本的な練習になり、マラソン本番よりも距離が短くなることが多いため、レースペースよりも速い設定タイムで行うのが一般的です。
ウィンドスプリント
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ウィンドスプリントは、80mから120mくらいのダッシュのような速い動きのことです。ウォーミングアップや本練習前に取り入れることが多く、速い動きを入れることでフォームを大きくできます。
レベルアップ!1つ上の負荷が高い練習
レベルアップを図るためには基本的な練習メニューだけでなく、負荷が大きい応用系のトレーニングを行う必要があります。具体的にどのような練習があるのか見ていきましょう。
インターバルトレーニング
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インターバルトレーニングは、400mを10本、1000mを5本、1600mを3本など、同じ距離を休息を挟んで繰り返し走るトレーニングです。走る距離は5分前後で走れる長さで、休息時間は走った時間と同じか2倍から3倍ほど取るのが一般的です。
ただし、上級者になるほど設定タイムを変えず、休息時間を短くしていくことが多いです。(例えば、1000mを3分ペースで5本から10本、休息は200mで48秒など)
このように、設定タイムだけでなく休息の時間によっても強度を変えられます。
レペティショントレーニング
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レペティショントレーニングは全力に近いペースで同じ距離を数本走る練習です。負荷が非常に高いため、インターバルと違い休息時間は15分から20分と長く、回復してから全力に近いスピードで再度走ります。
このトレーニングによりスピードの養成や乳酸が出た状態で走るため、耐乳酸能力などが身につきます。
閾値トレーニング
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ランニングのペースには、ある一定のポイントを超えると乳酸が多く発生します。このポイントを「閾値」と呼び、楽ではないペースで走るトレーニングです。目安としては20分ほどは連続して走れるくらいのきつさです。
ペース走よりも早く、インターバルトレーニングよりも遅いペースで走りましょう。この閾値ペースで走ることにより、乳酸が発生しやすくなる設定ペースが徐々に速くなっていきます。例えば、1kmを3分30秒で走るのがギリギリきついスピードであれば、閾値トレーニングを繰り返すことで徐々に楽になり、閾値ペースが3分25秒、3分20秒とどんどん速くなります。
閾値ペースが速くなることで、元々の3分30秒ペースが楽に感じるようになり、長い距離にも対応していけます。
練習に変化をつける応用トレーニング
陸上の練習方法は多岐に渡りますが、変化をつける応用方法を知ることでさらにバリエーションを増やすことができます。
ビルドアップ走
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ビルドアップとは、徐々にペースを上げていく走り方のことです。ジョグやペース走で使う方法であり、心肺能力の向上とスピード感覚を養うことができます。最初からハイペース(閾値を超えるペース)で走ってしまうと、ペースを維持するのが難しくなってしまいます。
そこで、最初はゆっくりで徐々にペースを上げていくことで、結果としてハイペースな練習を完遂しやすくなります。ビルドアップの方法も基本的には自由で、一般的には1kmごと、走る距離が長い場合は2kmごとに1kmあたり5秒から10秒ほどペースアップします。ほかにも、インターバルトレーニングをビルドアップ形式で行う方法もあります。
クロスカントリー走
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クロスカントリー走は、野原・丘陵地・森林などの専用コースを走ることです。平地ではなく高低差が多いコースであり、ロングジョグをすれば平地よりも心肺機能の向上・全身のバランス感覚の養成・筋肉を鍛えられる効果があります。
また、アスファルトを走るよりも脚にかかる負荷は少なくなるので、怪我をするリスクも小さくなります。また、自然の中で走るので、普段街中を走っている人はリラックスして新鮮な気分で走れるなど、メンタル面にも良い効果があります。
タイムトライアル
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タイムトライアルは、タイムを競う練習のことです。レース形式で行われることが多く、「TT」とも呼ばれます。今までの練習は「実力をつける練習」ですが、TTは「実力を出す練習」です。
レペティションも実力を発揮できる練習ですが、TTは基本的に1本を全力で走ります。ペース走やロングジョグなどの後に行われることも多く、ラストスパートの鍛錬にも繋がります。
初心者が練習で注意すべきこと!
練習方法はいくつもありますが、組み合わせを間違えると怪我に繋がるので注意してください。
負荷をかけすぎない
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初心者は負荷に耐えられる体が出来上がっていません。その状態で、毎日走る・ハイペースで走る・勾配がきつい場所を走るなど、負荷が大きい練習を行うと怪我に繋がります。
負荷が大きい練習はレベルアップしてから行うようにしましょう。例えば60分以上連続して無理なく走れるようになれば、ある程度の負荷にも耐えられます。高負荷練習を行うときは、少しずつ負荷を高めるように少ない本数・遅いペースで行うようにしましょう。
休み過ぎない
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負荷をかけ過ぎないことと同じように、休み過ぎるのもNGです。例えば、週に1回しか走らない人は、レベルアップにかなりの時間がかかります。目安としては週に3回練習することで、怪我のリスクを抑えて着実に走れるようになっていきます。徐々に走れるようになって来たら、練習回数を増やしていきましょう。
ジョグとポイント練習を組み合わせる
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練習の負荷に耐えられるようになってきたら、ポイント練習(1つ上の負荷が高い練習)を入れていきます。週に2回から3回ポイント練習を行い、1日は休息日、それ以外はジョグをするのが一般的です。
初心者の場合は負荷が大きいポイント練習の回数を徐々に増やしていくようにしましょう。ジョグなどの基本的な練習では効果的にステップアップできないので、実力と疲労度に合わせて練習を組み立てていくのがおすすめです。
練習方法を網羅して効率が良いトレーニングを実施しよう!
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効率良く練習をするためには、そのタイミングに最適な練習を行うことが大切です。そのためにも、まずは練習のバリエーションを増やす必要があります。是非、練習メニューを網羅して、効率良く練習するようにしましょう。
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