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ランニングの「ミッドフット走法」とは?
まずは、ミッドフット走法とはどのようなものか紹介します。
足の裏全体で接地する走法
作成:記助
ミッドフット走法とは「中足部」、つまり文字通り足の真ん中辺りで接地する走り方のことです。ただし、シューズと足の構造から、中足部で接地しようとすれば足の裏全体で地面を捉えることになるため、「フラット接地」の走法ともいわれています。
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体幹が安定して全身の負担を軽減できる
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ミッドフット走法の最大のメリットは、接地時にかかる負担を減らせることです。体にかかる負担を軽減できれば長い距離を走りやすくなるのでマラソンなどの長距離に向いています。
接地する面積が広いため体を支えやすくなり、体にかかる負担が軽減できるだけでなく、体全体を使った走りをしやすくなります。
エネルギーのロスを防げる
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ミッドフット走法はフラットに接地するため、接地時にブレーキがかかりにくくエネルギーのロスを防げます。また、地面からの反発を得ることで、走るエネルギーを有効活用できるため、他の走法よりもエネルギー効率が良い走り方といわれています。
ミッドフット走法以外の走り方
ミッドフット走法をよく知るためにも、他の走り方(フットストライク)を押さえておくことも大切です。ここからは「フォアフット走法」と「ヒールストライク走法」について紹介します。
ヒールストライク走法
作成:記助
ヒールストライク走法は名前の通り、踵(ヒール)から接地し、踵→中足部→つま先という流れで地面を捉える走法です。地面の衝撃を分散させながら走るため、最も体にかかる負担が少なく、長距離種目に向いています。
しかし、踵から接地することでブレーキがかかってしまい、地面に接している時間が長いためスピードを出しにくいのがデメリットです。また、シューズの反発力をそのまま推進力にするため、脚を鍛える効果は低いといわれています。初心者でも比較的長く走れる方法であり、日本人ランナーに最も多い走法です。
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フォアフット走法
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フォアフット走法とは足の裏の先端部分に近い場所で接地する走法です。「つま先立ち」で走っている走法といえば分かりやすいでしょうか。基本的に母指球付近が先に接地する走法であり、踵が地面に触れる時間が少ないためブレーキがかかりにくく、スピードを出しやすいのが特徴です。
しかし、フォアフット走法は足首を固定するふくらはぎの筋肉に負担が集中してしまう走法でもあります。疲労が蓄積しやすく、衝撃も分散されにくいため強靭な足腰でないと成り立たない走法です。
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ミッドフット走法か確認するポイント
自分に合った走法を見極めるためには、現在の走法を確認することが大切です。ここからは、どのようにしてフットストライクを確認するのか紹介します。
接地するときの音を聞き分ける
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慣れないと難しいですが、フットストライクによって足音は異なるので聞き分けることが可能です。フォアフットの場合は接地面が小さいため「シャ、シャ、シャ」という音になり、ヒールストライクの場合は衝撃を吸収しているため足音は小さいです。
ミッドフット走法は、他のフットストライクよりも足音が大きく「パタン、パタン、パタン」という音になります。あまり足音が大きいことは良くないといわれますが、ミッドフットの場合はどうしても足音は大きくなる傾向にあります。
シューズの減り方を確認する
撮影:記助
最も簡単なのはシューズの減り方を確認する方法です。ランニングをしばらく続けているとソールは地面との摩擦により削れていくため、自身がどのような走り方をしているか予想がつくのです。
フォアフットの場合は、ソールのつま先に近い部分が消耗しており、ヒールストライクの場合は、踵の削れ具合が顕著です。ミッドフット走法の場合は、フォアフット・ヒールストライクのいずれでもなく中足部を中心にソール全体が減っています。ソールの消耗具合はランニングフォームを判断するときに使うため、小まめにチェックするのがおすすめです。
動画を撮影して確認する
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最も確実な確認方法は、走っている姿を動画などで撮影し接地の様子を観察することです。しかし、画質が低いカメラだと走り方を捉えるのが難しいので注意してください。自撮りはさらに難しいので、協力者に撮影を依頼するようにしましょう。
走り方を変えるのはリスクが伴う!
ミッドフット走法はメリットを感じる人が多く、走り方を変えようとする人は少なくありません。しかし、走り方を変えることはデメリットもあります。
接地を変えるのは高い集中力が必要
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まず、ランニングフォームの中でもフットストライクを変えるのには高い集中力が必要です。それなりに速いスピードで走っているとピッチは1分間に150~180歩近くになります。
つまり、1秒間に2歩から3歩の全ての接地を意識して変えないといけないのです。これを長時間行うのは非常に難しく、精神的・肉体的な負担も大きいでしょう。
必然的に練習に対する集中力も下がるため、トレーニング効果が下がりパフォーマンスの低下に繋がる可能性は高いです。
フォームが崩れてタイムが落ちる可能性がある
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今までのフォームを意識的に変えることで、パフォーマンスが向上する可能性もありますが、同時に悪化する可能性があることも意識しなければなりません。実際に無理にミッドフット走法に変えようとしてフォームが崩れ、タイムが落ちる可能性があるので注意してください。
怪我に繋がる場合もある
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フォームを変えるときに一番注意しなければならないことは、怪我に繋がる可能性があることです。今までヒールストライクで走っていた人がミッドフット走法に変えることで、体にかかる不可が大きくなります。
同様に刺激や負荷のかかり方も変わってくるため、筋肉や関節にも影響してきます。無理にフォームを変えようとすることは、故障するリスクがあることを理解しておく必要があります。
ミッドフット走法を身につけるときのポイント
ミッドフット走法を身につけたいときは「フラット接地」を意識するのがポイントです。では、どのようにすれば良いのか見ていきましょう。
足の裏で全体を捉えるように意識する
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まずは、足の裏全体で地面を捉える「フラット接地」を意識することが大切ですが、走っている最中に意識するのは非常に難しいです。練習の前後にミニハードルやラダーを使ったジャンプトレーニングを行うのがおすすめです。
通常のジャンプではなくフラットに接地し、地面の反発を受けて高く跳ぶことを意識してください。このときのフラットで接地する感覚を徐々にランニングに活かしていきます。
重心の真下で接地する
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少し難しいですが、走っているときは重心の真下で接地することを意識しましょう。これもジャンプトレーニングで重心の真下で接地し、跳ぶことを意識するのがおすすめです。また、自身の感覚だけでは確認するのが難しい場合は、写真・動画などを撮影すると良いでしょう。
腰の位置を一定に保つ
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慣れていない人がミッドフット走法で走ろうとすると、腰が落ちた走りになりやすいです。特に、ゆっくりジョグをしているときにミッドフットを意識すると膝が曲がり、腰が落ちやすいため少しスピードを出すときにミッドフットを意識するのがおすすめです。
自分に合った走法を極めるのがおすすめ!
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ミッドフット走法が正しいというわけではありません。大切なことは自分に合った走法を極めることです。
これはあくまでも持論ですが、1つの走法にこだわる必要はないと思います。筆者の場合、短い距離を走るときはフォアフット、長い距離をスピードを出して走るときはミッドフット、ゆっくりジョグをするときはヒールストライク、というように無意識に走り分けています。
自分に合った走法を見つけるためにも、普段から自分のフォームに意識を向けてみると良いでしょう。走る距離や自分のフォームを考えて、最適な走法を見極めることが大切です。
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