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フルマラソンは怖くない!
42.195kmを走るフルマラソン、ランニングを始めたら一度は走ってみたいと思うのではないでしょうか。でもやっぱり無理かな…と思ってもやもやしている方いらっしゃいませんか?
東京マラソンの完走率はなんと94.3%!
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フルマラソンの完走率はどのぐらいかご存知でしょうか。50%ぐらい?それとも60%?いえ、ランナーに人気の東京マラソンを例にすれば、なんと94.3%なのです!(2019年大会)
東京マラソンの出場者は37,604人なので完走者は35,460人に上ります。フルマラソンを完走することは、それほど遠い目標でないと思いませんか?
制限時間は意外に長い
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この完走率の高さには制限時間の長さが関係しています。東京マラソンの場合、制限時間は7時間となっています。東京マラソンは参加人数が多いので、後方スタートの場合はロスタイムを30分ほど見ておく必要がありますが、それでも6時間30分で走れば完走できることになります。
東京マラソン以外でも、大規模な都市型マラソンの場合は制限時間が比較的長めに取られているので、歩きを入れても完走することは可能です。
最初はランニングシューズ選びから
まったくの初心者の方が最初に購入しておきたいのはなんといってもランニングシューズです。形から入る?いえ、ランニングについてはちゃんとしたシューズを選ぶことがとても重要だからです。
ランニングシューズ以外は故障の原因にも
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マラソンはサーフボードやゴルフクラブといった高価で大掛かりな道具は不要です。またテニスのように相手を探したりコートの予約したりする手間も不要で、思いたった時に始められる気軽なスポーツです。しかし、シューズだけは必ずランニング専用のものを最初に購入しましょう。
カジュアルなスニーカーやテニスシューズなどは、形は一見似ていても長時間走ることを想定して設計されていません。専用ではないシューズをランニングに使うと脚を故障するリスクがあります。初心者の方で「走ったら脚が痛くなって三日坊主になってしまった」といって脱落する原因の一つが「シューズをちゃんと選んでいないこと」によるものと考えられます。
最近はカーボンプレートを内蔵したいわゆる「厚底シューズ」が流行していますが、脚の筋肉ができていないと反発に脚が耐えられなくなる恐れがありますし、ソール(靴底)の減りも早いので初心者の方にはおすすめできません。各シューズメーカーではフルマラソンの完走タイム別にシューズを用意しているので、「フルマラソン5〜6時間で完走するランナー向け」のモデルを選ぶと良いでしょう。
ITEM
ナイキ エアズームペガサス 37【メンズ】
●重量:285g (28cm)
●サイズ:24.0〜28.0cm
ITEM
ナイキ エアズームペガサス 37【レディース】
●重量:239g (25cm)
●サイズ:22.5〜25.5cm
ナイキのロングセラーシューズ、ペガサスの最新モデルが37です。話題のヴェイパーフライやペガサスターボ2に比べればオーソドックスなシューズですが、その分クセがなく初心者の方が選ぶ最初のシューズとしては最適です。トレーニングから本番の大会までオールラウンドで使える一足です。
▼ランニングシューズの選び方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
練習よりもまず先に!大会にエントリーすれば走る目標ができる
ランニングをずっと続けていくためにはフルマラソンの大会にエントリーしてしまうのが、モチベーションアップのためには効果的です。「え、いきなりですか?」と思われるかもしれませんが、ちゃんと理由があります。
人は目標がなければ継続するのが難しい生き物
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これまでも、今年こそはランニングを始めてフルマラソンを走りたい!お正月の箱根駅伝を見て誓ったはずなのに三日坊主に終わってしまった・・・という方はいらっしゃいませんか?人は明確な目標がないと何かを継続していくのは難しいものです。
仕事でも上司から「この書類、いつでもいいから仕上げて」と言われるのと、「今週金曜日の打ち合わせに使うからそれまでに」と依頼されるのとでは心構えが違いませんか?
フルマラソンは仕事ではないのでおせっかいな(?)上司は存在しません。大会にエントリーして自ら締め切り(ゴール)を設定することで明確な目標が生まれます。
すぐにエントリーしても本番は約半年後
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フルマラソンにエントリーするといっても、多くの大会では半年前ぐらいに抽選や先着で出場が決定します。後で述べますが、半年あればフルマラソンを完走するためのトレーニングには十分間に合います。
初心者にはこんな大会がおすすめ
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初心者向きの大会の3つの条件を紹介します。
①制限時間が長い
制限時間については東京マラソンの大成功以降、6〜7時間と長めに設定している大会が増えました。制限時間が長いと気持ちに余裕ができるので初心者の方には向いています。
②コースがフラットで走りやすい
アップダウンがあるコースの場合、上りがキツイのはすぐに想像できるかと思いますが、実は下りで脚が受けるダメージも相当なものです。序盤、下りで知らない間にペースが上がってしまった結果、後半に一気に崩れてしまうパターンは、この下りでのダメージによる場合も少なくないようです。
③完走メダルがもらえる
フルマラソンを完走すればそれだけでも充実した気持ちなれますが、完走メダルがあれば嬉しさもひとしおです。ちょっとアスリート気分も味わえるのでできれば完走メダルのもらえる大会を選ぶようにしましょう。
▼おすすめの大会やエントリーの詳しい方法について知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
フルマラソンを完走するためのトレーニング①(半年前〜3ヶ月前)
フルマラソンを完走することは決して難しいことではありませんが、ある程度のトレーニングが必要な事は言うまでもありません。まったく運動経験がないのにいきなりフルマラソンの本番を走るのは無謀でしょう。まずは、半年前から始める基礎体力作りのトレーニングを紹介します。
トレーニング開始は半年前でOK
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フルマラソンの準備期間としては、半年程度見ておくとよいでしょう。もちろん準備期間は長いのに越したことはないのですが、あまり前から始めても中だるみしてしまう恐れがあります。フルマラソンの大会にエントリーした後、半年前からトレーニングを始めれば十分間に合うはずです。
まずは週に2〜3回、身体を動かす習慣をつける
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さあ、練習開始!とばかりにいきなり走るのはおすすめできません。走る時には脚に体重の3倍の重さの衝撃が加わるといわれています。脚の筋肉が十分についていない状態で走ると故障の原因にもなります。まずは週に2〜3回、20〜30分のウォーキングから始めましょう。
また週に1回からでも良いので、しっかりとストレッチをする日を設けると故障のリスクが減らせます。
5ヶ月前からジョギングを開始
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ウォーキングとストレッチを1ヶ月ほど行い身体がこなれてきたところでいよいよジョギングを開始します。ただしいきなり全力疾走するのではなくウォーキングの延長と考えてゆっくり走ることが大事です。
まずウォーキングで10分、その後にゆっくり20分程度ジョギング、そして最後にウォーキングというパターンで行います。ジョギングのペースはウォーキングよりちょっと速い程度でも構いません。週3回の内、1回はウォーキングのみでリカバリーに当てます。
4ヶ月前から距離を意識して
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週3回のうち1回を「一定の距離を決めて走るトレーニング」に切り替えていきます。まずはペースを気にせず3km走ることを目標にしましょう。練習場所としては距離表示のある公園があればベストですが、GPS機能付きのランニングウォッチを購入するのもおすすめです。3kmあれば意外に遠くまで行けることがわかりますよ。3kmが大丈夫なら次は5kmと少しずつ距離を伸ばしていきましょう。
ITEM
ガーミン フォアアスリート235J
●本体サイズ:W 45 x H 45 x D 11.7mm
●ディスプレイ: 直径 31.1mm / 215 x 180 ピクセル
●重量:約42g
●稼働時間: トレーニングモード(GPS):約11時間- トレーニングモード(GPS+GLONASS):約9時間- 時計モード:約9週間- 時計モード+ライフログ+通知機能+光学式心拍計:約9日
●防水性能: 50m完全防水
ランニング用GPSウォッチとしてランナーから圧倒的な信頼を誇るガーミンのベーシックモデルが235Jです。ベーシックモデルといえど機能は充実しておりVO2Max(最大酸素摂取量)とリカバリーアドバイザーといった運動強度の目安の計測まで可能です。
また、トレーニングだけでなく日常の中でも身体を動かす時間を増やすのも効果的です。一駅前で降りて歩いたり、できるだけエレベーターやエスカレーターではなく階段を使ったりするなど、いろいろと工夫する方法はあります。
フルマラソンを完走するためのトレーニング② (半年前〜本番)
いよいよ本番まで3ヶ月、初のフルマラソン完走に向けてしっかりと仕上げていきましょう。
3ヶ月前から走る時間を増やしていく
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3ヶ月前から少しづつ距離を増やしていきますが、週三回走るのであれば、こんなパターンの組み合わせはいかがでしょうか。
①ウォーキング10分+ゆっくりジョギング20分程度ジョギング+ウォーキング
②5kmジョグ
③60分走
③の60分走はペースは気にせず、文字通り60分走るトレーニングです。初心者の方がフルマラソンを完走するために必要なのは速さではなく、より長く走れる身体です。速く走ろうとする必要はありません。長時間動ける身体に慣らしていくための準備と思ってください。
2ヶ月前からはランニング中心に
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2ヶ月前、そろそろ走るのに慣れてきたところでランニング中心のメニューに切り替えていきます。
これまで同様、週3回走るパターンで次のようなスケジュールを考えてみました。
月:(休息日)
火:(休息日)
水:ジョギング(30分)
木:(休息日)
金:10kmペース走
土:(休息日)
日:60〜90分走
もちろん曜日などはご自身の都合に合わせて変更しても構いません。ジョギング(30分)は走りはじめてきついな、疲労がたまっているな、と感じたらウォーキングに切り替えてみましょう。
■10キロのペース走のやり方
本番のレース意識したトレーニングです。まずは1km=7分〜8分のペースで始めてみましょう。
■60〜90分走のやり方
60〜90分走はペースは気にせず、ゆっくりでも構いません。とにかく決めた時間走り続けることを目標にしましょう。
1ヶ月前、ロング走をやってみよう
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1ヶ月前にはジョギングで90分〜120分走るロング走をやってみましょう。少なくとも1回やれば十分で、毎週やる必要はまったくありません。ゆっくりで構わないので一定のペースを刻むことを意識しましょう。
周回コースを使っても良いですが、途中で飽きてしまう可能性があるので、新しいコースを開拓するのもおすすめ。例えば自宅から電車で20km弱の地点まで移動してそこから自宅に向かって走る方法もあります。「規定の時間走ったら電車に乗ってもいい」というルールを設けておくと良いでしょう。途中でリタイヤしそうになっても、「あともうひと駅分がんばるか」と思うと意外にがんばれたりするので、メンタルを鍛えるためにも有効です。
いよいよ大会!どう過ごす?どう走る?
ついに本番!それまでの練習を100%活かすための過ごし方や走り方について解説していきます。
前日はしっかり食べてしっかり睡眠
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食事についてはなるべく消化に良いものがおすすめですが、気持ちをリラックスさせるためであれば好きなものを食べても大丈夫でしょう。ただし刺し身などなまものはお腹をこわす可能性があるので避けた方が無難です。
アルコールは飲まない方がベストですが、気持ちを落ち着かせたいのであればがまんする必要はありません(くれぐれも飲み過ぎには注意を)。杓子定規に考えずとにかくリラックスして気持ちよく眠れるようにすることを優先してください。
▼マラソン前日の過ごし方については、こちらの記事も参考に!
ペースはどのぐらいで走ればいい?
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一般市民ランナーの多くは、4時間30分〜6時間の間にフルマラソンを完走すると言われています。初のマラソンで完走を目標にするなら、単純計算で5時間30分でゴールするキロ8分のペースを目安にすると良いでしょう。
スタートの時は興奮していつもより速いペースで飛ばしてしまいがちなので序盤でしっかり最初に決めたペースを守ることが後半の失速防止につながります。
大会後もランニングを続けていくための3つの方法
初心者の方の中にはフルマラソンを完走した後で燃え尽きてしまう人もいらっしゃいます。ランニングはいつでも気軽に始められる分、やめてしまうのも簡単なので、なかなか継続できないという声も多く聞かれます。ここではランニングを続けるための3つの方法を紹介していきます。
ともかく次の大会にエントリーする
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最初にフルマラソンにエントリーしたのと同じように、ともかく大会にエントリーすれば目標ができます。大会はフルマラソンの必要はありません。10kmの大会であれば、当日エントリー当日出走可能という気軽な大会も少なくありません。1ヶ月後や2ヶ月後といった近い時期に開催されている大会にエントリーするのがおすすめです。
仲間をみつける
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フルマラソンを走りきった後で誰かとこの気持を分かち合いたい、と思った方はいらっしゃいませんか。一緒に走る仲間を見つけて気持ちをシェアできれば楽しみも広がります。SNSなどでランニングサークルやコミュニティを探したり、あるいはランニングステーションなどで開催されているイベントなどに参加したりするのもいいでしょう。
いつもと違う場所を走ってみる
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走るのに飽きてしまったという方、もしかして同じ場所ばかりを走っていませんか。そんな時は気分転換にマイコースを外れていつもと違った場所を走ってみましょう。
少し離れた場所の銭湯や温泉などを探し、その周辺を走ってから一風呂浴びて帰ってくる、という楽しみ方もあります。私の知り合いには出張の時には必ずランニングシューズとウェアを持参して翌朝などにその街を走るという方もいますよ。
趣味は?と聞かれたら胸を張って「マラソン!」と答えたい
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フルマラソンに挑戦するために走りはじめると、生活も以前とは随分変わります。食べるものや睡眠時間に気を使うようになり、体型もぐっとひきしまってくるでしょう。トレーニングや大会を通じて仲間もできるかもしれません。
「今度の週末はどこを走ろうか」「どの大会に出ようか」と思い始めると、だらだらと寝転がって過ごしていた休日がとてももったいなく思えてくるはずです。
マラソンは一生付き合っていける趣味、一度完走しただけで走るのをやめてしまうのはとてももったいないことではないでしょうか。
ランナーの間でバイブルと呼ばれるノンフィクション、「Born to Run/走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の走る民族」(クリストファー・マクドゥーガル著)にこんな一節があります。
「人は年をとるから走るのをやめるのではない。走るのをやめるから年をとるのだ」…私達もそんな境地になれるまで、いつまでも若く健康で走り続けていきたいですね。
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