ランナーに筋トレが欠かせない理由
「マラソン・ランニングには筋トレは不要」「筋トレすると筋肥大で体重が増え、タイムが落ちる」などと言われ、筋トレをしないランナーも多いのでは?実は、適度な筋トレはマラソンに効果的なのです。その理由を詳しくみていきましょう。
怪我の予防・故障リスクの減少
出典:PIXTA
ランニングでは一回の着地につき、体重の3倍から4倍の衝撃が加わります。体重70㎏の方であれば210~280㎏にもなり、走っている間ずっとこれだけの衝撃がかかるので、そのすべてを足だけで受け止めているとやがて怪我につながることは容易に想像できるでしょう。この衝撃を和らげるために、筋トレによって筋力を強化することが有効なのです。
特に体が硬いランナーさんには筋トレは有効です。体の可動域を広め、柔軟性を高めると怪我のリスクを減らすことができます。
体力が向上して、長い距離が走れるようになる
出典:PIXTA
筋トレで走るための筋肉をつけると、筋肉の揺れを防ぎ体力の無駄な消耗を最小限にすることができます。特に長い距離が苦手だという方は、ふくらはぎや太もも、お尻など下半身の筋肉を鍛えるのがおすすめです。適切な筋肉を使って、長い距離が楽に走れるようになります。
体幹を強化し、フォームの改善になる
出典:PIXTA
特にお腹周りなど体幹の筋トレは、ランニングやマラソンに必要な体幹の筋肉をつけることができます。正しいフォームで走ることは、タイムが向上するだけでなく、下半身への負荷を軽減することにつながります。膝やすね、足首の痛みなど、特に脚にトラブルを抱えているランナーさんは、体幹を強化してフォームを見直すのをおすすめします。体の歪みも改善されますよ!
ダイエット効果も!
出典:PIXTA
筋肉がつき基礎代謝が向上すれば、おのずと痩せ体質になっていきます。また、フォームの改善や体力向上の結果、効率的に長く早く走れるようになれば、加速度的にダイエットを進めることもできます。
▼どのように走ればダイエット効果を高められるかを知りたい人は、こちらの記事もおすすめ!
筋肉量が増加して、逆効果にならない?
出典:PIXTA
確かに、体重が重くれば、タイムにも影響が出ますし、体感的にも体の重さを感じて思うように走れなくなります。ですが、それは脂肪太りをした場合か、筋肉を必要以上につけすぎてしまった場合の話です。ランニングに適切な筋肉は、むしろ走りやすさを助長してくれます。また食事や負荷の程度などを意識的に調整しなければ、筋肉はなかなか増えません。負荷や頻度を間違えなければ、ムキムキになりすぎてしまうということはないので、安心して筋トレに取り組みましょう!
ランナーにおすすめの筋トレ、基本と応用を紹介!
筋トレのメニューには様々なものがありますが、ランナーには特に下半身や体幹の大きな筋肉を鍛えるのが効率が良いためおすすめです。基本の筋トレと、応用の筋トレを紹介していきます。ジョグ〜ランで楽に走れるようになりたいという方は基本レベル、マラソンでタイムを狙いたい人は応用レベルの筋トレも視野に入れてトレーニングしてみましょう。
【基本】スクワット(下半身)
お尻、太ももにまんべんなく刺激を入れられる基本種目。大きな筋肉を鍛えるので代謝UPも期待できます。胸を張ることを忘れないで!
出典:PIXTA
①足を肩幅にひらき、爪先を斜め45度外に向ける
②爪先と膝の向きが同じ向きを向いたまま、お尻を後ろに突き出すように、膝とお尻が同じ位置になるまで下ろす
③ゆっくりと立ち上がる
④①〜③を繰り返す
【応用】ブルガリアンスクワット(下半身)
ノーマルなスクワットよりも、お尻や、ランニングに大切と言われているハムストリングスに刺激が入るスクワット。フォームの習得が難しいため、鏡をみながらゆっくり行いましょう。ベンチと体の位置は1メートルくらいあけるのがおすすめです。
出典:PIXTA
①動かないベンチなど台を用意する
②足を腰幅に前後に開き、後ろの足をベンチに乗せる。
③前足を軽く曲げ、裏ももに刺激を感じたら、そのまま上半身を真っ直ぐお尻と膝が同じ位置になるまで下ろす
④ゆっくりと足を伸ばす
※伸ばし切らないのがポイント!!
⑤③④を繰り返す
【基本】フロントランジ(下半身)
下半身と体幹を同時に鍛える種目です。ふらつかないように、しっかり体感を意識して行いましょう。
出典:PIXTA
①足は腰幅に前後に開きます。
②前の膝と後ろの膝がそれぞれ90度になるように腰を落とします。
③前足のかかとで蹴ってスタートのポジションに戻ります
④②とは逆の足を前に出し、②③を行います
⑤②〜④を繰り返す
【応用】シザーズジャンプ(下半身&ちょこっと有酸素)
フロントランジがしっかりとできるようになってから取り組みましょう。負荷の高い種目です。基本の動作はフロントランジと同じです。足を入れ替える際に、高くジャンプし、着地の際は前膝と後ろ膝がそれぞれ90度になる深さまで上半身を真っ直ぐ下ろします。
出典:PIXTA
飛び上がる時に手を真上に上げ、手の反動を使って行ってもOKです。
カーフレイズ【ふくらはぎ】
ふくらはぎは「第二の心臓」といわれているのをご存知でしょうか。ふくらはぎにあるヒラメ筋と腓腹筋は下半身の血液を上半身に送り込むポンプのような役割を果たしているのです。もしこれらの筋肉が衰えてしまったら、老廃物を血液循環により心臓に送り込むことができないのでどんどん血行が悪化していきます。
出典:PIXTA
①足を肩幅にひらく
②つま先を真っ直ぐ前に向けて立つ
③ゆっくりとかかとの上げ下げを行う
④下げた時にはかかとは浮かせたまま地面につけない
これならオフィスでもちょっとした時間を見つけてエクササイズできるので試してみましょう。
【応用】ダンベル・カーフレイズ(下半身)
カーフレイズでは物足りない!という方はぜひこちらを。やり方は簡単で、カーフレイズをしながらダンベルを持つだけです。
出典:PIXTA
重さの目安は、男性は8キロずつ、女性は4キロずつ、両手に持ちましょう。辛いと思ったら軽く、余裕だったら好きな重さに調整してかまいません。
【基本】プランク(体幹)
体幹を効率的に鍛えるのにぴったりの種目。長い秒数やることよりも、短い時間でもいいので正しい姿勢でやることが大切です。
出典:PIXTA
①肘を肩の真下について、うつ伏せになります。
②そのまま肘と爪先で体を支えて、姿勢をキープ。耳、肩、膝が一直線になるように
※視線は30センチ先を見て、きつい時は膝つきにかえてもOK。辛くなってきたら、お腹を膨らませる意識をして!
【応用】オーバーヘッドプランク(体幹)
プランクよりも負荷が高い種目です。プランクを完璧にできるようになってから取り組みましょう。
出典:PIXTA
プランクの①②まで同じ
③バランスが取れたら、肘を体の前に伸ばして、掌で体を支えます。両掌、爪先で体を支えてください。
※目線は真下でOK。
【基本】クランチ(体幹)
お腹の中でも腹直筋を鍛える種目。この筋肉がうまく使えると、背筋を伸ばして走るのが楽になります。
出典:PIXTA
①マットの上に体育座りをする
②肩甲骨がつくかつかないくらいまで上半身を後方に倒す。手は太ももの前側にセット。
③そのまま手を膝の位置まで滑らせながら、上半身を持ち上げる。
④②③を繰りかえす
※②のときに、絶対にお腹の力を抜かないこと。目線はおへそをみて、常にお腹に力が入っているのを意識。肩甲骨をつけないでやったほうが負荷が高いです。
【応用】バイシクル(体幹・腹斜筋&ちょこっと有酸素)
お腹の斜めの筋肉・腹斜筋を鍛え、同時に有酸素のトレーニングもできます。
出典:PIXTA
①マットの上に体育座りをする
②肩甲骨がつくかつかないくらいまで上半身を後方に倒す。ては耳の横にセットし、脇をしめないように。
③おへその真上で右足と左肘をくっつける。その次は左足と右肘をくっつける。
④ ③を速い速度で繰り返す
※くっつけていない方の足はできれば床に触れないように。ゆっくりやると刺激がより入り、回数を多くすると有酸素運動にもなります
ランニングと筋トレはどっちを先にやるべき?
筋トレは走る前と後、どちらに行うのが効果的なのでしょうか。実はそれぞれで得られる効果が異なります。
いずれにせよ、ランニングと筋トレを両立させるのであればやりすぎは禁物です。
心肺機能の向上が目的ならランニング→筋トレの順番!
出典:PIXTA
有酸素運動の後で筋トレを行うと心肺機能の向上が期待できるといわれています。ただし、マラソン大会の後などのように息が上がるような長時間の有酸素運動の後での筋トレはおすすめしません。筋肉自体のエネルギーが不足している状態なので適切な負荷がかけられないからです。
ダイエットが目的なら筋トレ→ランニングの順番!
出典:PIXTA
ランニング前に筋トレを行うと成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンが分泌されることで脂肪が燃焼しやすい状態を作り出すことができるので、その後でランニングを行えばよりダイエット効果が高くなります。
効果を最大化させる!最適な頻度はどのくらい?
ランニングは毎日する、という人でも、走力向上のための筋トレは週に2〜3日がおすすめです。筋肉痛になってしまったら、痛みのある部位はトレーニングせず、回復するまでおやすみしましょう。続けて同じ部位をやらないよう、曜日ごとに部位を決めておくのが良いでしょう。
効率的に筋肉を付けるにはプロテインがおすすめ!
出典:PIXTA
筋肉を増やすために必要な栄養素は糖質とタンパク質です。プロテインはたんぱく質を粉状にしたものです。もちろん普段の食事でも肉や魚、乳製品や大豆食品からたんぱく質をとることは可能ですが、これらにはたんぱく質以外の栄養素も含んでいるので余分なカロリーまで摂取してしまうことになります。
その点、プロテインであれば食事で摂取するよりも低カロリーで効率的にたんぱく質を摂取することが可能です。プロテインを摂取するタイミングですが、運動後の30分以内がゴールデンタイムとされています。このタイミングがもっともタンパク質をよく吸収するので、この時間にプロテインを摂取すると効率的に筋肉をつけることができます。
ITEM
ザバス ホエイプロテイン100 ココア味
▼ランナーにおすすめのプロテインの種類や、効果的な摂取方法を知りたい方はこちら
ランニングのパフォーマンスを最大に引き上げるために筋トレも並行しておこなおう!
出典:PIXTA
マラソン大会の後半でペースダウンすることなく最後まで快適に走り続けたい、ランナーなら誰しもそう考えるはずです。かといって、やみくもに長距離を走る時間はないし…と悩んでいる方もいることでしょう。
今回紹介した筋トレを取り入れることで、より効率的なトレーニングが行うことが可能になります。ちょっとした時間を使ってランニングのパフォーマンスを最大限に引き上げることができる筋トレ、ぜひ毎日のトレーニングに取り入れてみてください。
1