アイキャッチ画像出典:PIXTA
マラソンで下痢になる原因は「ストレス」?
通常、下痢の原因として考えられるのは体の冷え、暴飲暴食、ノロウイルスのようにウイルスが体内に入ってきて引き起こされるものや、薬の副作用によるものが考えられます。しかしマラソン大会の時に限って下痢になってしまう場合は、大会への緊張やストレスが大きな原因かもしれません。
脳と腸はつながっている?
出典:PIXTA
「Hack your anxiety」などの著書もあり米国ワシントンD.Cで活躍する離床心理学者のアリシア・クラーク博士は脳と腸は神経線維の束などを通じてお互いに情報伝達を行っていると述べています。
腸内には消化を助けるさまざまな微生物がいますが、脳では常にそのバランスを整えるようコントロールしているそうです。ここでポイントになるのが、腸と脳は双方向で情報を伝達しあっているという点です。つまり、腸の不調が不安や気分に影響を与えるだけでなく、不安や気分といったメンタルが腸の状態にも影響を及ぼすことがあるのです。
下痢とは腸が水分を吸収しきれなくなる現象
出典:PIXTA
深刻なストレスがかかることにより腸の運動、つまり排便を促す能力が活発化します。通常、便が腸に送られると水分が吸収されて固形の便が形成されるのですが、通常よりも速く便が腸を通過してしまうので水分が十分吸収されなくなります。その結果、下痢を引き起こしてしまうのです。
マラソン前やマラソン中の食べ物、飲み物も要因の一つ
ストレス以外ではマラソン前や大会中の食べ物や飲み物の影響も考えられます。つい飲んでしまうスポーツドリンクや、カーボローディングなども下痢の原因になることがあります。
人工甘味料でお腹がゆるくなる?
出典:PIXTA
日常的にランニングされている方の中にはスポーツドリンクを好んで飲まれる方も少なくないでしょう。
多くのスポーツドリンクにはカロリーを抑えるため砂糖の代わりにアセスルファムKやスクラロース、ステビアといった人工甘味料を加えて甘みを出しています。これらの成分は水分を吸収しにくくし、腸に水分を溜めやすいという性質があるので大量に摂るとお腹がゆるくなる原因となります。とはいえ、熱中症対策には水よりも塩分を含んだスポーツドリンクの方が有効なので、ペットボトルのものよりもパウダータイプのものを薄めに自分で調整して飲むことをおすすめします。
ITEM
VAAM パウダー(10.5g×16袋入)
1袋(10.5g)当たり)エネルギー:42kcal、たんぱく質:2.9g、脂質:0g、炭水化物:7.6g、食塩相当量:0.003g
筆者のおすすめは、アスリートから絶大な信頼を誇るVAAMのパウダー版です。走り続けるのに必要な栄養分も補給できるのが強みです。甘い味が苦手という人にも試して欲しいです。
持ち歩きには、マイボトルがあると便利です。
ITEM
サロモン SOFT FLASK 500ML/17OZ SPE
重量:100g
容量:0.5L
素材:ファブリックTPU(熱可塑性ポリウレタン)
サロモンのソフトフラスクは柔らかい素材でできたボトルです。ペットボトルと同じ500mlサイズですが飲むと圧縮されるので、中で水が踊らず、吸う力も小さくてすみます。
2021年の湘南国際マラソンではマイボトルの持参が義務付けられました。今後、マラソン大会においてもトレイルランニングの大会のように、給水についてはマイボトル、マイカップ持参という大会が増えてくるかもしれません。今のうちにお気に入りのボトルを手に入れておくと良いでしょう。
そのカーボローディング、やり方は合っている?
なお、大会前にカーボローディングと称して食事量を増やすと胃や腸に普段よりも負担がかかるので要注意です。
ちなみに現在主流となっているカーボローディングではそれほど大量に食べる必要はない、と言われているので念の為…。
▼カーボローディングの詳しいやり方については、こちらの記事をチェック!
マラソンの時の下痢を防ぐ方法は?走る前の対処法と、大会中の対策
マラソンで下痢を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか。またもしお腹がゆるなってしまった時のために当日までにやっておくべきことを紹介します。
走る前に必ずトイレに行っておく
出典:PIXTA
基本的なことですが必ずトイレには行っておきましょう。会場のトイレはかなり並ぶので、できれば駅や途中にあるコンビニなどで補給食を購入するついでに済ませておけば安心です。もちろん、そのためには余裕をもって会場に到着できるよう、早目に家を出るようにしましょう。
あらかじめトイレのポイントを確認しておく
出典:PIXTA
スタート前に不安を抑えるために意外に効果的なのはマラソンコース上のどこにトイレ(公衆トイレ、仮設トイレ、コンビニなど協力店舗)をチェックしておくことです。もし、またお腹の調子が悪くなったらどうしよう…という不安がストレスを引き起こし下痢の原因となる可能性もあります。
トイレのポイントを押さえておけば、ここで腹痛がきてもここのトイレが使える、と思えるのは安心材料になります。「そんなことで?」と思うかもしれませんがストレスの原因はいろいろなことが重なって引き起こされるので、気になることがあればあらかじめつぶしておいた方が良いでしょう。
もちろん、トイレに寄ればその分タイムは遅れてしまいますが、むしろあせらずにお腹に来てもすぐにトイレに行けばいいや、ぐらいのリラックスした気持ちで大会に臨む方が良い結果につながるはずです。
ちなみに筆者の経験上、大会側が用意しているトイレよりも大会に協力している沿道のコンビニなどの方が空いていることが多いので狙い目です。
お守り代わりに下痢止めの薬を持とう
出典:PIXTA
常用していなくて下痢止めの薬は取り出しやすいようにウェストバッグに入れて常に持っておくようにしましょう。水無しで飲めるタイプのものがおすすめです。万が一トイレのないところや、混んでいて間に合いそうにない…と言う時は、心強い味方になるはずです。
ITEM
ストッパ 下痢止め 24錠
ITEM
サロモン SENSIBELT
重量:204g
付属ボトル容量:0.54L
サイズ:長さ40cmx幅18cmx奥行11cm
サロモン SENSIBELTは腰に添って面で確実にフィットするボトル付きウェストバッグです。ストレッチ素材を使用しているため、伸縮性があり揺れにくく安定性が高いので着けていても気になりません。もしもの時の下痢止め薬や、補給食、マイボトルなどを携帯するのに役に立ちます。
当日の朝食は、腸の働きを整えてくれるものを
出典:PIXTA
食材で選びたいのは、は腸の働きを整えてくれる乳酸菌入りのヨーグルトや納豆です。
大会当日の朝食なら、軽めに食べるのであればバナナ(よく熟れたものがおすすめ)と乳酸菌入りのヨーグルトの組み合わせを、しっかり食べたいのであれば白米に野菜のたっぷり入ったお味噌汁、納豆といった組み合わせがおすすめです。
逆に避けた方がよい食材には以下のようなものがあります。
・砂糖、乳糖や果糖、または人工甘味料が多く含まれている食品や飲み物
・コーヒー、お茶などカフェインを含むもの
・脂っこい揚げ物など消化に負担のかかるもの
・辛い食べ物など刺激が多いメニュー
・お刺身など生もの
冷えはお腹によくないので、冷たい水やスポーツドリンクを大量に飲むことも避けておきましょう。
▼マラソン大会当日の食事について詳しく知りたい人はこちら!
レース中は、お腹を冷やさないように!
出典:PIXTA
どれだけ万全に対策しても、大会中に冷たい風に当たり続けるとお腹が冷えてしまうことも。ちょっとした工夫ですが、大会ゼッケンをちょうどお腹のあたりにくるように付けると直接風が当たらないのでお腹を冷やしにくくなります。腹巻きはちょっと大げさだし、走っていると暑くなってくるので嫌、というのであればぜひ試してみてください。
ITEM
ミズノ ゼッケンホルダー ランナップ
素材:ABS樹脂
内容量:1袋10個入り
ゼッケンをとめる時は市販のゼッケンホルダーを使うと位置決めがしやすいのと、ウェアに穴をあけなくて良いので便利ですよ。
またホッカイロを貼って温めたり保護クリームを塗っておくのもお腹を冷やさないためには有効です。
ITEM
プロテクトJ1 80ml 携帯用 PJ1
内容量:80ml
成分:水、セタノール、ステアリン酸、グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテル、(トリフルオロプロピルジメチルシロキシ/トリメチルシロキシ)シルセスキオキサン、ミリストイルプルラン、ジメチコン、グリチルレチン酸ステアリル、(PCA/イソステアリン酸)グリセレスー25、酢酸トコフェロール、ミリスチン酸、ミリスチン酸ポリグリセリルー10、トロデセスー4カルボン酸Na、TEA、トリクロサン
原産国:日本
プロテクトJ1はさわやかな塗り心地でべたべたしないのが特徴です。スレ防止のついでにお腹にも塗っておくようにしましょう。
大会が終わっても調子が戻らなければ…お医者さんに相談を
出典:PIXTA
大会が終わって、特に慢性の下痢の症状が出なければレース前の緊張感から来るストレスが原因と考えられるのであえて病院に行く必要はないと考えられます。
ただし大会が終ったあともなかなか調子が戻らない場合や、少なくとも1週間に三回は下痢になるような状態が1〜2週間続くようなら緊張から来るストレス以外が原因になっているかもしれません。その場合は自己判断せず、病院で診てもらうようにしましょう。
大会は誰でも緊張するもの!まずはストレスや不安を減らすこと
出典:PIXTA
ストレスや不安、緊張が下痢の原因なら、いかにそれを減らすかが大事になってきます。
私たちが大会に出るのはオリンピックや実業団の選手、あるいは箱根ランナーのように「絶対に負けられない戦い」に行くわけではありません。なのに下痢になるようなストレスや緊張をかかえてレースに臨んでしまうのはなぜなのでしょうか。
まずは気負わずリラックスしてレースを楽しめるようになること、実はそれが何よりの処方箋になるかもしれませんよ。リラックスしてマラソンに挑戦しましょう。
マラソン大会への不安を無くそう!こちらの記事も参考に