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ファットアダプテーションって何?
最近では、サッカー日本代表の長友選手が実践しているということでも話題になったファットアダプテーション。コンディションづくりに人一倍気を使うことで有名な選手が活用する方法として、注目を集めています。実は糖質よりも体内にたくさん蓄えられる脂質は、効率の良いエネルギー源になり得るのです。
脂質(Fat)に適応(Adaptation)してパフォーマンスアップ
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ファットアダプテーションを一言でいえば、脂質をエネルギー源として利用しやすい身体に順応させていくことです。
通常、人はエネルギー源として糖質を優先的に使いますが、体に蓄えられる糖質には限りがあります。体内に蓄えられた脂質をもっと有効活用できるようになれば、長時間の運動で安定したパフォーマンスが可能になり、途中の補給量も少なくすることができます。
糖質と脂質の関係は着火剤と燃料
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糖質と脂質、いずれも私たちの体内でエネルギーに変わる点は共通していますが、それぞれの特性には違いがあります。
糖質は構造が単純ですばやくエネルギーになりますが、体内に備蓄できる量は限られています。一方、脂質は大量に備蓄可能ですが、構造が糖質よりも複雑でなかなか燃焼しないという性質があります。
キャンプ道具に例えると、糖質は着火剤、脂質は燃料である炭と言えます。着火剤(糖質)だけでは、すぐに火は消えてしまいます。そこで、長時間持続する炭(脂質)の力を活かせるようにするのが、ファットアダプテーションの目的です。
食生活を見直して体質を改善!
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脂質をエネルギーとしてうまく活用する為には、普段の食生活を変える必要があります。糖質を抑え、脂質の多い食事を増やしていくことによって、身体が脂質代謝優位に適応していきます。
これまで一般的には、毎日の食事で得られるエネルギーの内、脂質は25%以下に抑えることが推奨されてきました。しかし、ファットアダプテーションでは、糖質を減らし脂質の割合を70%以上へと大幅に増やします。
ただし、いきなり脂質70%以上の食事を続けるのはなかなか大変です。また、極端に食事を変えようとすると、本来必要な糖質やタンパク質量が不足し、身体にも負担があるかもしれません。まずは脂質の割合を40〜50%くらいから始め、自分の身体と相談しながら試してみるのが良いでしょう。
ランナーに効果的?脂質を活用すればこんなメリットが!
長時間の持久系スポーツで効果が期待できるとして、フルマラソンやウルトラマラソン、トレイルランニングのロングレースに出場する方が、続々とファットアダプテーションを取り入れ始めています。では、具体的にどんなメリットがあるのか、解説していきます。
糖質だけではマラソンは走れない!
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糖質は体内ではグリコーゲンという形で筋肉や肝臓に蓄えられますが、その量は200gから300gと言われています。糖質のエネルギーは1gあたり4キロカロリーと言われているので、体内に蓄えられた糖質をすべてエネルギーにしたとしても1200キロカロリーにしかなりません。
一般的には、体重60kgの男性ランナーがフルマラソンを4時間で走った場合、消費カロリーは2600キロカロリー程度(※)と言われています。糖質だけではガス欠になってしまことは明らかです。
不足する1400キロカロリーを食事で摂ろうとすると、カツ丼一杯分(約1000キロカロリー)よりも多いのです。レース中の補給程度では間に合わないことはすぐに理解いただけるでしょう。
※METs方による計算 1.05 × 10.5(METs) × 4h × 60kg = 2646キロカロリー
脂質のエネルギーはすごい!
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脂質は、体内で1〜2ヶ月分のエネルギーとして貯蔵されていると言われています。例えば、体重60kgで体脂肪率15%の男性の方なら、9kgの脂肪が体内に存在することになります。
脂肪1gのカロリーは9キロカロリーで、その2割は水分と言われているので、9,000g×0.8 × 9 キロカロリー = 64,800カロリーで、なんとフルマラソン25回分!のエネルギーになります。
よくダイエットでは「脂肪を落とすのは大変だ」と言われていますが、言い換えればそれだけたくさんのエネルギーを備蓄していることにもなるのです。
補給問題が解決!ウルトラマラソンが楽に走れるかも
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フルマラソンよりもさらに長距離・長時間を走るウルトラマラソンでは、補給の問題はより切実です。フルマラソンでサブ3(3時間以内で完走)を達成したような速いランナーでも、ウルトラマラソンではなかなか結果が出せないことがあるのは、補給の問題が大きく関わっています。
長時間走ると、脚だけでなく内蔵にも大きなダメージを受けます。振動で胃をやられてしまうと、レース終盤のもっともエネルギーが必要な時に何も食べられない、食べても気持ち悪くなって戻してしまう、なんて事態になることも。これでは、エネルギー不足で力が入らなくなり、脚が止まってしまいますよね。
脂質をうまく燃焼させてエネルギーに変換することができれば、ウルトラマラソンのレース後半でも、粘り強く走れるようになるかもしれません。
リカバリーが早くなる
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マラソンのレース中は、通常とは違った栄養補給を余儀なくされることで、内蔵にもストレスがかかっています。ファットアダプテーションによって、レース中の補給を減らすことができれば、内蔵への負担も軽減され、リカバリーが早くなると言えます。
さっそくチャレンジ!やり方や食事メニューはどうする?
ファットアダプテーションにチャレンジしてみたい!そんな気分になったあなたに、具体的なやり方やおすすめの食事メニューを紹介します。
脂質:糖質:タンパク質のバランスは4:3:3
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食事で重要なのはバランスです。普段多くの方は、主食となる炭水化物を中心としたメニューを何気なく摂っていると思います。ファットアダプテーションを行う場合は、炭水化物(糖質)を減らして、その分を脂質に回すようにしましょう。
割合についてはもちろん個人差がありますが、サッカーの長友選手は、脂質:糖質:タンパク質を4:3:3のバランスで摂取しているそうです。この割合を参考に、自分なりに調整してみると良いのではないでしょうか。
ファスティングと組み合わせて効果アップ!
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ファットアダプテーションは、「糖質のファスティング(断食)」を組み合わせるとより効果的だと言われています。具体的には、1日の中で10〜15時間、糖質を摂らない時間を作ることで、血中のインスリンを分泌させない時間を設けます。これが脂質代謝への切り替えを促進します。
例えば、12時間空けるとすると、夕食を20時に終えたら翌日の朝8時まで糖質を摂らないようにします。お酒にも糖質が含まれるので、設定した時間は控えましょう。
ファスティングと聞くとハードルが高く思われるかもしれませんが、これなら少しがんばれば続けられそうですね。
こんなメニューはいかが?ファットアダプテーションを取り入れたレシピ
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○胡麻だれ豚しゃぶ
胡麻だれをかけた豚しゃぶは手軽でタンパク質や野菜もたっぷり取れる優秀なレシピです。市販の胡麻だれは糖分が多いので、砂糖の代わりとして、低糖質の甘味料などを使って作ることをおすすめします。
【材料】
- 豚肉(薄切り) 200g位
- 豆腐 一丁
- お好きな野菜(レタスやきゅうり、トマトなど)
- ねり胡麻 大さじ1
- 醤油 小さじ1
- ごま油 小さじ1
- お酢 小さじ1
- 甘味料 小さじ1
【作り方】
- 豚肉の薄切りをぬるめのお湯につけ、色が変わったら引き上げる。冷やすと肉が固くなるのでそのまま置いておく。
- 豆腐は水切りし、食べやすい大きさにカットする。
- 野菜も食べやすくカットする。
- ねり胡麻、醤油、ごま油、お酢、甘味料をよく混ぜ合わせて胡麻だれを作る。
- お皿に豚肉、豆腐、野菜を並べて、4で作った胡麻だれをかけて完成。
ITEM
ステビアヘルス ブラウン 140g×6袋入
●原材料:食物繊維、エリスリトール/カラメル色素、甘味料(ステビア)
●栄養成分:たんぱく質0g、脂質0g、炭水化物93.8g(糖質11.9g(糖類0g)、食物繊維81.9g)
ステビアヘルスは、天然素材のステビアを使った甘味料です。砂糖の代わりに利用でき、糖質を抑えることができるので、ファットアダプテーションには最適。毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
○サバ缶とキャベツのアヒージョ風
タンパク質と脂質が豊富なサバ缶を活用したお手軽レシピ。
【材料】
- サバ缶(水煮、オイル系お好みで) 1缶
- キャベツ 4分の1
- にんにく 1〜2片
- 鷹の爪 適量
- オリーブオイル 大さじ4〜5
- ハーブソルト 適量
【作り方】
- フライパンにオリーブオイル、包丁の腹で潰したにんにく、鷹の爪を入れ温める。
- ざく切りにしたキャベツを入れ、中火で軽く混ぜ合わせる。
- サバ缶を汁ごと加える。
- キャベツに火が通ったらハーブソルトを加えて完成。
ITEM
岩手県産 サヴァ缶 3個セット
●原材料:オリーブ、さば、オリーブ油、食塩、酒、野菜エキス、調味料(アミノ酸)
●栄養成分 (100g当り):たんぱく質17.2g、脂質24.3g、炭水化物0.3g、ナトリウム205mg
国産のサバを良質なオリーブオイルに漬けた人気の缶詰です。保存が効く上、テイストも3種類あって応用が効くのでもう一品何か欲しい、という時の強い味方です。
手始めに手軽なバターコーヒーから始めてみては?
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なかなか料理は…という方であれば、朝食代わりにバターコーヒーを飲むことから始めてみてはいかがでしょうか。コーヒーに良質なMCTオイルを入れて飲むのがバターコーヒーの定番ですが、意外に腹持ちもよいので思ったよりも空腹感もなく間食代わりにもおすすめです。
ファスティングをする方は、朝食をバターコーヒーに置き換えることで、糖質制限の間隔を確保することができますね。
ITEM
仙台勝山館 MCTオイル (360g×2本)
●原材料名:中鎖脂肪酸油 (ココナッツ由来)
●栄養成分(100gあたり):タンパク質 0g 脂質 100g 炭水化物 0g ナトリウム(食塩相当量)0g 、 中鎖脂肪酸: 100g
ファットアダプテーション愛好者に人気の仙台勝山館のMCTオイルです。ココナッツ由来の天然成分で体内に留まりにくく消化吸収が良いのが特徴です。エネルギーに変わりやすいので、バターコーヒーには最適のオイルです。
ファットアダプテーションは体質改善!じっくり取り組みましょう
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ファットアダプテーションは、すぐに効果が現れるものではありません。新しい方法をいろいろ試してみたけれど、どれも効果が出なくて…と言う方がいらっしゃいますが、結果を急ぎすぎているのが原因かもしれません。ファットアダプテーションを試すのであれば、少なくとも1ヶ月は様子をみてみましょう。もちろん体質的に合わないと感じたらすぐにやめたほうが良いのは確かですが、ある程度の期間見てみないと本当の効果はわかりません。ファットアダプテーションは体質改善、焦らず腰を据えてじっくりと取り組みましょう!
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