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トレランのザックの選び方のポイント
まず最初にトレラン用ザックを選ぶポイントについてみていきましょう。ザックを選ぶポイントをおさえることで、安全で快適にトレイルランニングを楽しむことができます。
必要最低限のアイテムが入る容量は必須!
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トレランは自然の中で楽しむスポーツのため、安全管理は必須です。山中での想定される危険(怪我やエネルギー不足、天候の急変など)に備えて、装備を持っておく必要があります。
どんなに荷物を小さくしたくても、必要最低限の装備が必ず入るリュックを身につける必要があります。
最低限持っておきたいアイテムはこちらになります。
その他必要と感じるものをプラスして、携帯するようにしましょう。
- 行動食(気軽に食べられてエネルギーや栄養が補給できるもの。ゼリーや栄養補助食品など)
- 水(体重1kgにつき8〜10ml/1時間が目安)
- ファーストエイドキッド
- エマージェンシーシート(災害時や遭難時に体温低下を防ぐためのシート)
- 携帯トイレ
- 保険証
- レインウェア
- 現金
- スマートフォン
走る距離や時間に合わせてザックの容量を選ぶ
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必要最低限のものを基本に、どのくらいの距離や時間を走るのかによってプラスして必要なものが変わるため、適切なザックの容量も異なります。走行距離と時間を考えながら、適切なザックの容量について、詳しくみていきましょう。
距離も短く、行動時間もそれほど長くはないため、基本の必須装備が入る程度の5リットル程度の容量で問題ないと思います。水や簡易的な行動食(エネルギーゼリー)を追加で携帯するのであれば、5リットル〜10リットル程度のもので問題ないでしょう。コースや天候に関わらず、ファーストエイドやレインウェアは携帯しましょう。
水、補給食などが増えてくる距離や時間と思いますので、10リットル程度のものが一つ目安になるでしょう。また、5〜10キロほどしか走らなくても防寒着を持ってく冬場や、走った後に温泉に寄るので着替えを持っていきたいという人も10〜15リットル程度のものが安心です。
長距離・長時間になるため、様々なシチュエーションに備えしっかりと装備する必要があります。レースの場合は走行時間や日数によって、補食や着替えなどの量も変るため、リュックの容量も変わります。補給のできないレースなどの場合は、時間にもよりますが15リットル以上あると安心です。このサイズだと、ファストハイクや小旅行にも兼用できます。
レースによってはエイドが充実していて補食を携帯しなくていい場合もあるため、そういった場合は少しサイズを落としてもよいかもしれません。大きすぎるものは、逆に走りづらくなってしまいます。
ベストかリュックか、タイプを選ぶ
トレランザックはベストタイプのもの、リュックタイプのものとあります。それぞれの特徴を紹介していきます。
フィット感は抜群!ベストタイプ
ベストタイプは、走ることに得化して作られているので、揺れが少なく安定しているのが特徴です。背中の高い位置にフィットするように作られており、「着るリュック」というイメージです。容量はリュックタイプには劣ります。また、1枚多く服を着るようなイメージなので、暑い時期やよく汗をかくという人は大きめのメッシュ素材などでできたものが良いでしょう。
汎用性が高い!リュックタイプ
リュックタイプは、ランニング以外のスポーツでも使いやすく、目的に応じて使うことができます。ベストタイプに比べて容量も大きいため、トレイルランニング以外でも活躍するアイテムです。ただし、ベストタイプと比較して荷物が揺れやすいため、走りづらさを感じたり、体と擦れてしまうケースもあるようです。走った後に温泉によるので着替えを持ちたい、ラントリップを楽しみたい、など荷物が多めの場合に役に立ちます。
体にフィットしたものを選ぶ
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どちらのタイプであっても、自分の体にあった揺れないものを選ぶことは非常に重要です。できれば試着をし、フッティングをしっかりと行った上で、購入するのがベストです。
フィッティングの時は、下記をチェックしましょう。
- 肩ベルトが浮かないか
- 腰骨とザックが擦れないか
- 背面長が自分に合っているか
体にフィットしないザックは、走っている最中ストレスに感じます。時間が長くなれば擦れなどをおこすこともあります。同じ商品でも背面長の合う方を選んだり、ストラップの長さだけでなくパンジーコードで細かな調整ができるタイプを選ぶのが良いです。
ポケットの位置もチェック
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荷物がすぐに取り出しやすい位置にポケットがあるかも重要なポイントです。特にトレラン中は水分補給の回数が非常に多くなりますので、水を取り出しやすいようボトルポケットの位置は念入りにチェックしましょう。
どのタイプのものでも、フロント部分にボトルポケットが付いているものがおすすめ。
距離や、水を補給できるスポットがあるかによっても異なりますが、何個ボトルを持つかによって、ボトルを入れるポケットの数もチェックする必要があります。
またポケットにファスナーがついているものもありますが、ゴムのタイプで調節できるもののほうが、片手での出し入れや調節が簡単です。
給水アイテムにはハイドレーションという、ボトルにチューブがついているタイプのものもあります。ハイドレーションを使う場合はボトルはリュックにいれ、チューブだけ口元に運べば水を飲めるという仕組みです。ハイドレーション対応しているザックやベストには、リュックの中にハイドレーションを引っ掛けるフックがついています。このタイプを使うのであれば、特にボトルポケットに関しては気にしなくても問題ありません。
ショートランにおすすめ!10リットル以下のおすすめザック
短めの距離や時間で使える、10L以下の小さいサイズのアイテムについて紹介していきます。身軽に走りたい方や、スピードを出したいので荷物を極力減らしたい方にもおすすめです。
ナイキ / ランニングトレイルベスト
非常に軽量で通気性の良い、ベストタイプのランニングバック。必要最低限の荷物を持つことができ、フロントポケットにはボトルも2本収納できます。背面のポケットには、エマージェンシーシートや軽量のレインウエアなどが入りますが、容量は小さいのでギアを軽量化している人向けかもしれません。夏の短時間の低山トレイルなどであれば、快適に軽やかに走れそうです。
ITEM
ナイキ / ランニングトレイルベスト
●容量:ー
●サイズ:S / M / L / XL
●カラー:1色
パーゴワークス / ラッシュ5R
とにかくザックの生地がよく伸びます!ベストタイプでフィット感抜群のアイテム。ボトルポケットと胸のポケットの他にもベスト側面にポケットがあり、薄いものや使用頻度の低いものはこちらにも収納ができます。背面長の展開はワンサイズですが、ショルダーの長さを調整できるのと、脇のコードを引くだけでフィットさせられるので、細かな調整がしやすいです。
ITEM
パーゴワークス / ラッシュ5R
●容量:7L
●サイズ:38×26×10cm
●カラー:2色
ザ・ノース・フェイス / マーティンウィング6/L
ノースフェイスのトレラン定番ザックで、レース用に作られたマーティンウィングシリーズの最小型モデルです。
フロントには500mlのボトルが収まるポケットがふたつあり、落ちないようにドローコードがついています。手の届きやすいヒップポケットは、ジェルやコンパスを入れるのにちょうど良いサイズです。2サイズ展開なので、小柄な女性であればSサイズ、男性であればLサイズがちょうど良いでしょう。
ITEM
ザ・ノース・フェイス / マーティンウィング6/L
●容量:5L (S) / 6L (L)
●サイズ:S (42×19.5×6cm) / L (44×19.5×6cm)
●カラー:5色
モンベル / クロスランナーパック7
アウトドアの人気ブランド・モンベルからもトレラン向きザックが展開されています。メッシュのショルダーハーネスは身体との接触面積が広く、高いフィット感が魅力です。ボトルポケットには600mlサイズのボトルが入る大容量!荷室のサイドにもボトルを入れられるので、水をたくさん持ちたい人にはぴったりです。強度も高く、且つ軽量なので日常使いするのもおすすめのアイテムです。
ITEM
モンベル / クロスランナーパック7
●容量:7L
●サイズ:43×32×12cm
●カラー:4色
サロモン / ADV SKIN 8 SET W
体にしっかりとフィットする、ベスト型のザックです。専用の500mlソフトフラスクが2本付属しているので、顔を傾けるだけで水分補給ができます。注目すべきは、ボトルポケットの位置。女性のバストの位置と干渉しないよう、バスト下にフラスクが入るように考えられた設計になっています。コードを絞めた時にきついと感じることが少なく、ストレスフリーなのが嬉しいですね。ポールはショルダーハーネス横に収納する構造になっています。
ITEM
サロモン / ADV SKIN 8 SET W
●容量:8L
●サイズ:37×18×9cm
●カラー:2色
温泉着替えや防寒着、多めの水を持っても安心!10〜15Lザック
次は、少し大きめの容量を持っておきたい人や、温泉の着替えや防寒着を持ちたい人におすすめの10〜15Lほどのザックについてご紹介していきます。補給の少ないレースでも活躍する容量ではないでしょうか。大きすぎるのも微妙だけど、小さすぎるのも不安だ…という初心者の方にもおすすめの大きさです。
コロンビア モントレイル / マウンテンマゾヒストレースパック
フィット感の高いベスト型バック。背面長はMとLの2種類ですが、サイドの調整ベルトで体に合わせて細かい調整が可能です。ショルダーハーネスの上部にはジェルや小物を入れるジッパーポケットが、下部にはボトルを入れられるドローコード付きポケットが、他にも計8箇所ポケットが配置されています。上田瑠偉選手が監修した、シリアスに走るランナー目線も取り入れた、レースにも使える本格的なアイテムです。
ITEM
コロンビア モントレイル / マウンテンマゾヒストレースパック
●容量:10L
●サイズ:M / L
●カラー:1色
テラノヴァ / レーサー10
ライトウェイトザックとして親しまれてきたシリーズが、さらにアップグレードし機能性もアップしました。フロントジッパーがV字型のデザインになり、素早く開閉できるだけでなく、広く開くことで取り出ししやすい構造となっています。
ITEM
テラノヴァ / レーサー10
●容量:10L
●サイズ:ー
●カラー:2色
アルティメイトディレクション / マウンテンベスト5.0
500mlのソフトフラスクが入るボトルポケットに、小物が入るポケットには仕切りがついていて、荷物を整理整頓しやすいザック。背面前面がメッシュになっていて、通気性は抜群です。背面でドローコードを絞る「コンフォートシンチ」システムになっていて、脇の下で絞る従来のフィット調整よりもより安定性の高いフィット感になりました。
ITEM
アルティメイトディレクション / マウンテンベスト5.0
●容量:13.4L
●サイズ:S / M / L
●カラー:1色
サロモン / ADV SKIN 12 SET
スピーディに水分補給ができる一体型のソフトフラスクを採用しています。ストレッチ性と通気性に優れたファブリックと採用しており、フィット感や安定性も高く、かつ軽くて締め付け感のない作りです。
ITEM
サロモン / ADV SKIN 12 SET
●容量:12L
●サイズ:40×20×12cm
●カラー:5色
ファストハイクにも使える!15L以上の大きめザック
ここからは比較的長いレースを長時間走る人や、アドベンチャーレース、ファストハイクなどにも使える20L以上の大きいサイズのザックについてご紹介していきます。容量は大きめですが、「走る」シーンに適したアイテムを選びました。カスタム可能なアイテムなどもピックアップします。
オスプレー / テンペスト20
徹底して軽量化を測ったアイテムで、女性向けに作られたシリーズです。ウエストハーネスがひっかり作られているので、揺れにくく、レースからハイキングなどまで活躍するアイテムとなっています。
ITEM
オスプレー / テンペスト20
●容量:18L (XS/S)・20L (S/M)
●サイズ:XS/S・S/M
●カラー:5色
パーゴワークス / ラッシュ20
背面長の展開は一つしかないのですが、体型や荷物量に合わせてショルダーハーネスの長さが調節できるすぐれもの。背面のドローコードを弾くだけでフィット感を高められる構造になっています。ポケットはチェスト部分にソフトフラスクやペットボトルを2本収納可能と、取り回しの良さも申し分ないザックです。ラッシュの20リットル以上のモデルは、メイン荷室が雨蓋式になっているので、脱いだり着たりを繰り返すウインドシェルをサッと挟んでおくこともできますね。
ITEM
パーゴワークス / ラッシュ20
●容量:20L
●サイズ:42×26×18cm
●カラー:1色
OMM / クラシック25
OMMのクラシックシリーズは、ファストハイクとトレイルラン、どちらも楽しみたい人にぴったりのアイテム。背面にはパッドが入っているので、荷物の当たりが気になるということも少ないでしょう。荷室のサイドにボトルポケットがあるため、ショルダーハーネス部分にボトルポケットは無いですが、外付けで装着は可能。メイン荷室の外側には伸びる網ポケットがあり、ウエストベルトにも小物を収納可能と、とにかく収納力があります。アドベンチャーレースでは、この網ポケットにはバディの荷物を入れておき、必要になった時にすぐお互い取り出せるような工夫をしている人もいるんだとか。
ITEM
OMM / クラシック25
●容量:25L
●サイズ:ワンサイズ(背面長 45cm)
●カラー:3色
【山と道】MINI Custom Edition(M:25L〜30L/L:28L〜32L)
筆者のおすすめのブランド、山と道のアイテムです。登山で人気のブランドですが、長めのトレランやアドベンチャーレースではかなり人気で、愛用者をよく見かけます。背面長は、Mサイズであれば小柄な女性でも十分使うことができますよ。
オーダー受注なので年に数回しか変えるチャンスがないですが、その分カスタムオーダーができるのが最大の魅力。引き裂きに強いリップストップ、防水性に優れたX-PACなど、それぞれのパーツの生地を自分で組み合わせることが可能となっています。
【山と道】MINI Custom Edition
自分の走りにあったトレラン用ザックをみつけよう!
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トレラン用のザック選びは、安全面はもちろん、快適にアクティビティを楽しむためにも非常に重要です。選ぶポイントをしっかりとおさえ、ぜひご自身にあったアイテムを見つけてみてくださいね。
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