ところでトレランザックを選ぶポイントは?
トレイルランニングでは、大会によっては補給食や水などを装備して走ることが義務付けられている場合があります。それらを入れて走るためのリュックサックやバックパックをトレランザックと呼びますが、トレイルランニングだけに限らず、長距離走や通勤ランなど、荷物を背負って走る時に便利なギアの一つです。
主流は「ベストタイプ」と「バックパックタイプ」
現在、トレランザックの主流となっているのは、「ベストタイプ」と「バックパックタイプ」の2種類です。後者は一般的なリュックやバックパックと同じ形状ですが、ベストタイプとはその名の通りベストに収納が付いた、背負うというよりも「着る」感覚のトレランザックです。
バックパックタイプほど大容量のモデルはありませんが、身体にぴったりとフィットするので走っていてもストレスが少ないのが特徴です。最近のトレイルランニングのレースでは、こちらを装着しているランナーを見かけることが多くなりました。
取り出しやすいポケットがついているか
スマホやドリンクなどを取り出す時に、いちいちトレランザックをおろしてから取り出すのは面倒です。ザックを選ぶ際は容量に目が行きがちですが、使いやすいポケットがどれくらいあるのか、それぞれのポケットにはどんな物が入れられるサイズなのか等、収納面についても確認しておきましょう。
容量は使用するシーンをイメージして決めよう
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ザックの容量は実際に自分が使うシーンや目的に合わせて選ぶようにしましょう。
【トレイルの大会で使う場合】
ランナーの個人差や大会のエイド数などで違いはあると思いますが、走る時間が1時間程度(10km未満の距離)といったショートレースなら、2Lのベストタイプでも十分でしょう。
10km以上の大会だと、走る時間は2時間前後になるので、5L。 20kmの大会だと3時間以上は走ることになるので、目安は10L程度となります。10Lあれば防寒着や着替えなどを入れておくこともできるので、大会以外で山に走りに行くときにも便利なサイズです。
【日常で使う場合】
街中であればコンビニなどもあるので大容量のものは必要ないと思いますが、通勤ランで使用するのであれば容量は少し大きめのものを購入して、付属しているベルトなどで調整することをおすすめします。
ちなみに、私が帰宅ラン用に使用しているのは15Lのものです。中に入れるのは弁当箱、ランウェア(上下)、小さめのタオル、モバイルPC、スマホ、財布なのでかなり余裕があります。
サロモンのトレランザックの特徴は?
サロモン(SALOMON)はフランスのアウトドアブランドで、1947年にフランソワ・サロモンとジョルジュのサロモン親子がスキーエッジ研摩工場を立ち上げたことから始まりました。今ではウインタースポーツのみならずアウトドア全般に多彩な商品をリリースしており、トレラン用ザックについても、その使いやすさからアスリートからも高い評価を受けています。
考え抜かれた装備類
サロモンのトレランザックでは多くのモデルでフロントのストラップ部分にポケットがあり、水を入れるフラスクボトルを収められるようになっています。ハイドレーションバッグを使うモデルの場合、揺れ防止のために専用のフックやストラップが付けられています。
ロングトレイルでは、トレッキングポールを愛用している方もいらっしゃると思いますが、サロモンのトレランザックにはコード(紐)を使い、折りたたんだトレッキングポールを固定できるモデルもあります。
また、オプションで簡単に着脱できるトレッキングポール収納ケースも用意されているので、そちらを追加するのも良いでしょう。
コンパクトな設計
サロモンのトレランザックは非常にコンパクトな設計になっているので、カタログに記載されている容量が本当に確保されているの?と思う方もいるかもしれませんが、伸縮性の高い素材を使っているのでしっかりと収納できるのです。
モデルによってはコードを引っ張るだけで、ぎゅっと圧縮できるものもあります。外形を小さくまとめるだけでなく、中の物が揺れるのを防ぐので走っている時も快適と、一石二鳥のシステムですね。
シンプルでミニマルなデザイン
トレランザックというと、どうしても機能性を重視してごてごてしたデザインになりがちです。アウトドアやレースで使用する分には問題ないのですが、通勤ランの時には浮いてしまうことも多々あります。しかし、サロモンのトレランザックは、ポケットやジッパーが目立たないミニマルなデザインになってとてもすっきりしているのが特徴です。
落ち着いたカラーのものを選べば普段使いにも十分対応できるでしょう。
こんな用途にはどのトレランザック?タイプ別におすすめを紹介!
それではサロモン製品の中からおすすめのトレランザックをタイプ別に紹介していきましょう。
付けていることを忘れてしまいそう?超軽量「S/LAB SENSE ULTRA 5 SET」
「S/LAB(エスラボ)シリーズ」は、トレイルランニングのトップアスリート、キリアン・ジョルネ選手を始めとしたサロモンアスリートのアドバイスを反映させたレーシングモデルです。
特に、「S/LAB SENSE ULTRA 5 SET」の重量はわずか192g!伸縮性のあるメッシュ素材を使用することで、ミニマルな外見ながら5Lの容量と高い通気性を確保しているので、初夏から夏にかけてのランにピッタリのモデルです。
ITEM
サロモン S/LAB SENSE ULTRA 5 SET
●容量:5L
●重量:259g(アクセサリー含む:本体192g)
●長さ(背面):39cm
●サイズ:XS、S、M、L、XL
●カラー:3色
容量とフィット感のベストバランス!「ADV SKIN 12 SET」
「S/LABシリーズ」の軽さは魅力だけれど、普段の使い勝手を考えるともう少し容量も欲しい…そんな方におすすめなのが「ADV SKIN(アドバンスドスキン)」シリーズです。
特に「ADV SKIN 12 SET」は、伸縮性のある素材を使用しているので、このコンパクトなルックスながら12Lの容量を確保してます。もちろんフィット感も上々、着替えなども十分入れられるので、ワンウェイでの長距離ランでは良きパートナーとなってくれるでしょう。
コンパクトな設計ですが、とにかくフロント部分の収納が充実しています。フロントストラップ部分には500mLのフラスクを入れられるポケット2つに加えて、ジェルなどを入れられるポケットが2つ、さらにスマホの収納に便利なジッパー付きのポケットも左右に2つ付いています。
サロモンのトレランザックの中でも、特に人気モデルとなっているのもよくわかりますね。
ITEM
サロモン ADV SKIN 12 SET
●容量:12L
●重量:335g(アクセサリー含む:本体277g)
●長さ(背面):40cm
●サイズ:XS、S、M、L、XL
●カラー:5色
コスパ最強のトレランザック?「ACTIVE SKIN 8」
「ACTIVE SKIN 8(アクティブスキン 8)」は、ベストタイプのトレランザックです。ADVシリーズ同様、フロントストラップ部分には500mLのフラスクを入れられるポケット2つに加えて、ジェルなどを入れられるポケットが2つ付いています。ジッパー付きのポケットはADVシリーズの2つに対し、1つだけになっています。
「ADV SKIN」シリーズのように伸縮性のある素材は使用せず、コードで調整するタイプなのでフィット感という点ではADV SKINシリーズに一歩譲りますが、荷物の取り出しやすさという点ではメリットもあります。
容量は8Lで、コンパクトな設計は街ランにも最適。かさばる衣類が増える冬場の帰宅ランには厳しいかもしれませんが、上着のいらない春先から初秋の時期であれば十分対応できそうです。背中全面を覆うタイプではないため、夏場でも快適にランが楽しめますね。もちろん、レースでもショートからロングの大会まで幅広く活躍しそうです。
ACTIVE SKINシリーズはADV SKINをベースに一部機能の削減や素材変更を行うことにより、価格を抑えているのが特徴で、ACTIVE SKIN8は定価10,890円(税込)です。性能とコスパを考えれば最強のモデルと言えるかもしれません。
ITEM
サロモン ACTIVE SKIN 8 SET
●容量:8L
●重量:278g(アクセサリー含む:本体210g)
●長さ(背面):38cm
●サイズ:XS、S、M、L、XL
●カラー:3色
全天候型のオールマイティモデル「XA15」
トレイラルランや街ランだけでなく、ハイキングや自転車などいろいろなアウトドアアクティビティに対応できるちょっと欲張り?なモデルが「XA 15(エックスエー 15)」です。フロントに「4ポケット」+「スマートフォンを入れるのに便利なジップ付き収納」を配した上で、メインコンパートメントは余裕の15Lを確保しています。
一番の特徴は、素材にしっかりとしたナイロンを使用していること。さらにバッグの上から水の侵入を防ぐロールアップ構造を採用しているので、急な天気の変化に慌てることもありません。
コードを引っ張るだけで簡単に拡張、圧縮が可能なロールトップ圧縮システムを採用。サイドにはトレッキングポール固定用のストラップも装備、とさまざまなアイデアがつまったモデルです。
ITEM
サロモン XA 15
●容量:15L
●重量:413g(アクセサリー含む:本体347g)
●長さ(背面):41cm
●サイズ:S/M、M/L
●カラー:2色
軽く!快適に!サロモンのトレランザックは進化する
サロモンのトレランザック、それぞれの製品を見ていくと、いずれも「動きやすさ」に重点を置いているように感じられます。
軽量設計や、走りやすさに寄与する重心の高さだけでなく、走りながらでもストレスなく水分やジェルを補給できることなども該当します。これは、サロモンの起源が登山ではなく、よりアクティブに身体を使うスキー用品だったことが大きく影響しているのではないでしょうか。
現在、トレランザックで主流となっているベストタイプや水を入れるソフトフラスクを最初に製品に導入したのはサロモンと言われています。今回紹介した製品にも、従来の登山用のザックから進化し、他社メーカーのものとは違う新しいアイデアが取り入れられています。
より軽く、快適に、走りやすく。サロモンの進化はこれからもとどまることはないでしょう。
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