ランニングの走り方!ストライド走法とピッチ走法とは?
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走り方には大きく分けて「ストライド走法」と「ピッチ走法」の2種類あります。個人によって走り方に相性があるので、まずはそれぞれの走り方の特徴を見ていきましょう。
ストライド走法
ランニングにおける「ストライド」とは「歩幅」のことです。ストライド走法は一般的に、歩幅を大きくする走り方を指します。「大股を意識して走る」と表現すればイメージしやすいでしょう。比較的スピードを出しやすい走り方ですが、体への負担が大きいため初心者には向きません。無理にストライド走法で走ろうとすると、怪我をしたり、フォームが崩れたりするので注意しましょう。
ピッチ走法
ストライド走法に対してピッチ走法とは、ピッチ(歩数)を増やす走り方のことです。ピッチ走法はストライド走法よりもスピードは出しにくい走り方ですが、筋力が弱い初心者でも意識して走りやすいことがメリットです。体の負担が小さくなるので、ピッチを意識するのがおすすめです。
ストライドを伸ばすとタイムはどう変わる?
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ランニングのスピードは、ストライド×ピッチ(回転数)で決まります。タイムを縮めようと思ったときは「ストライドを伸ばす」「ピッチを上げる」「両方とも上げる」の3パターンのどれかを実施する必要があります。
ここでストライドを伸ばす効果について説明します。「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」の著者である、ジャック・ダニエルズ氏は、マラソンなど長距離種目では1分間に180回程度のピッチを推奨しています。一般的に走るスピードが上がればピッチは上昇していき、800mの選手になるとピッチは200回を超えます。
同じフォームで走る場合、もしストライドが1cm伸びれば1分間に進む距離は180cmから200cm伸びることになります。微差に感じるかもしれませんが、競技時間が2時間を超えるマラソンでは、大きな差になるでしょう。もちろん、ランニング初心者とトップ選手ではストライドの長さやピッチの回数は異なりますが、無理なくストライドを伸ばすことができれば、その分タイムは縮んでいくでしょう。
初心者は特に注意!ストライドを伸ばすときの注意点
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ストライドを伸ばすことで大きな効果を得やすいですが、フォームが崩れやすくピッチが減るデメリットがあります。今までピッチ走法との相性が良く上手く走れた人が、意識してストライドを伸ばそうとすると、返ってタイムが落ちてしまうことがあります。また、フォームが崩れることで怪我に繋がることもあるので注意しましょう。そのため、無理してストライドを伸ばすのはおすすめしません。
ストライドは股関節の柔軟性や筋力、腰の回転などの要素によって決まっています。これらの要素を向上することで、自然とストライドは伸びていくので、走るだけでなくストライドを伸ばすためのトレーニングを行うと良いでしょう。
ストライドを伸ばす!効果的なトレーニング方法
では、具体的にどのようにしてストライドを伸ばしていけば良いのか、トレーニング方法を見ていきましょう。
体の柔軟性を高める
ストライドは股関節周辺の柔軟性が大きく関係しています。今まで体が硬かった方が無理にストライドを伸ばそうとすると、主に腿の内側の筋肉に大きな負担がかかってしまい、走った後に股関節周辺が痛くなるため注意してください。
つまり、股関節周りの筋肉をストレッチしてほぐし、柔軟性を高めることで無理なくストライドを伸ばすことができるでしょう。同時に怪我予防にも繋がります。
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効果的なストレッチの方法はいくつかありますが、走る前などは動的ストレッチである「ランジウォーク」がおすすめです。
ランジウォークは姿勢を正した状態で大股で歩き、上体を低くすることで大腿四頭筋やハムストリングス、大殿筋などを伸ばすことができます。繰り返し行うことで筋力トレーニングにもなるので、ストレッチ目的で行うときは筋肉の張り具合を見ながら「伸ばす」ことを意識すると良いでしょう。
ストレッチは疲労を感じにくいトレーニングなので、ヒマがあれば積極的に取り組むのがおすすめです。しかし、筋肉を伸ばし過ぎると怪我になるので、無理をしないように注意してください。
全身の筋力をアップさせる
先程の説明の通り、ランジウォークによって下半身の筋肉を鍛えれば地面を蹴り出す力が大きくなるのでストライドが伸びやすくなります。また、下半身の筋肉だけでなく、全身の筋力をアップさせるのが有効です。例えば、腹筋や背筋などの体幹を鍛えれば、体の軸が安定します。体の軸が安定すれば腰の回転が大きくなり、回転によって足が前に出やすくなります。「一直線上を走れるようになる」と表現すればイメージしやすいでしょう。
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同じピッチで走っていても、ガニ股で走っている人と一直線上を走っている人だとストライドは大きく変わってきます。そこで、腰の回転を大きくすることで一直線上を走れるようになり、ストライドが伸びます。ほかにも、上半身の筋力が増せば腕振りによって推進力が増し、連動してストライドも伸びます。ランニングの効果を高めたいときは、全身の筋肉をまんべんなく鍛えるのがおすすめです。
スピードトレーニングをする
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腰の回転を大きくしてストライドを伸ばすためには、体幹を鍛えるだけでなくスピードトレーニングを行うのも有効です。スピードトレーニングとは、ダッシュのように速い動きをすることです。また、マラソンなどのレースペースよりも速く走るトレーニング全般も該当します。
スピードを上げようとすると自然とストライドは伸びていき、繰り返しトレーニングをすることで、一直線上を走れるようになります。また、スピードトレーニングは下半身の筋肉を効果的に鍛えられるため、普段から素早い動きをしていない方は取り入れるのがおすすめです。
ストライドが伸びやすくなる、話題のシューズがある!
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最近では、カーボンプレートが内蔵されており、反発によって推進力を得やすい「カーボンプレート入りシューズ」が人気です。実際に、箱根駅伝に出るような学生や、マラソンの日本代表選出レースの出場している選手の多くがカーボンプレート入りのシューズを履いています。
このカーボン入りシューズは、トラック専用のスパイクと同じ原理でストライドが伸びます。スパイクはスパイクピンがゴム素材の地面に刺さり、その反発で推進力を得ていると思われていますが、それだけではありません。
スパイクのソールにはプレートがあります。このプレートは力を加えることでしなり、その反発によって大きな推進力が生まれています。スパイクのプレートは短距離用の方が固く、しっかりと力を加えることで反発力が大きくなりストライドが伸びることで、速く走れます。
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カーボン入りシューズもスパイクと同様にプレートが入っており、スパイクほど硬くないですが、力を入れることで反発力を得られます。しかし、全ての人が反発力を得てストライドが伸びるわけではないので注意してください。カーボン入りシューズでも、プレートをしならせるだけの筋力や推進力得られるためのフォームが必要です。
ITEM
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無理なくストライドを伸ばしてタイムを縮めよう!
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ストライドを伸ばすことでタイムは縮みやすくなります。しかし、意識してストライドを伸ばす走り方をするのはおすすめしません。重要なことはストライドが伸びるトレーニングを行って、自然にストライドを伸ばすことです。これからマラソン大会に出場して結果を出したい方であれば、ジョギングだけでなくストレッチや筋トレ、スピードトレーニングを練習に盛り込んでいきましょう。