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マラソンのトレーニングってどうやって組んだらいいの?
人から聞くよりも、自分で方法を調べて行うことが多いマラソン向けのトレーニング。何をすれば良いのか、どうやって練習を組めばいいのかわからない、という方も多いのでは?
決まった型はない!目的やレベルに合わせて組み合わせよう
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マラソンのトレーニングでは、これをやるべき!というような決まりはなく、トレーニング方法はさまざま。今の自分のレベルや目標によって、トレーニングの内容、強度を変えていくことが大切です。基本は「ジョギング」をベースに、必要に応じた「ポイント練習(強度の高いトレーニング)」を組み合わせていきましょう。
次の項目からは、レベルや目標に合わせたトレーニングと練習の組み方を紹介していきます。
【初心者向けおすすめトレーニング】まず走りに慣れよう!
マラソン初挑戦のランナーや完走を目指すというランナーは、練習からスピードやタイムを意識しすぎず、走りに慣れることが大切です。
まずは30分ほどの「ジョギング」から始めよう
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走る身体作りの基本となるトレーニングが、ジョギングです。スピードを気にせず、呼吸が乱れない一定のペースでジョギングをしましょう。初めは距離よりも時間を意識して走るのがおすすめです。最初は10分でも十分ですよ。慣れてきたら、少しずつ走る時間を長くしてみましょう。
慣れてきたら一定のスピードで走る「ペース走」を
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ジョギングである程度走る身体感覚を掴めたら、5km前後を一定のペースで走ってみましょう。最初は1kmを7分ほどのペースで走ることができればOKです。
マラソンの制限時間は5・6時間に設定されていることが多く、キロ7分で走れば約5時間と制限時間内で走り切ることができます。
7分のペースに慣れたら、6分、5分とペースを上げてみてください。自分の目標タイム内に走り切りたい記録狙いのランナーにも、ペース走は欠かせないトレーニングとなっています。
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心肺機能を鍛える「ビルドアップ走」
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始めはゆっくりペースで、そこから少しずつスピードを上げていくのがビルドアップ走です。初心者ランナーは1kmを8分ほどのペースでスタートし、徐々にキロ7分、6分と上げていくのがおすすめです。
このトレーニングでは、自分の走力を把握できる他、心肺機能や筋力の向上が見込めます。しかし、後半になるにつれてペースを上げていくため、身体への負担を考慮しつつトレーニングを行いましょう。
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大会前には「LSD」で長時間走れる身体作りを
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LSD(ロングスローディスタンス)は、会話ができるくらいのゆっくりとしたペースで、長時間(60分以上)走るトレーニングです。慣れてきたら、90分、120分と時間を伸ばしても良いですね。
負荷が軽いため、ケガのリスクなども少なく、大会前にもってこいのトレーニングです。また、脂肪が燃焼しやすく、ウエイトを落とすのにも効果的なので、走れる身体作りにぴったりです。
【初心者向け】のトレーニングプランを紹介
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これからランニングを始める人や、ゆくゆくはフルマラソン完走を目指したいという人は、まずは一日おきにしっかり休息日を設けて、身体を休めながらトレーニングを行いましょう。
一例として、1週間の練習プランを紹介します。
【トレーニングプラン】
月:休み
火:ジョグ(30〜60分)
水:休み
木:ジョグ(30〜60分)or ペース走
金:休み
土:ジョグ(30〜60分)or LSD(60〜90分)
日:休み
走る感覚が掴めてきたら、ジョグとペース走、ビルドアップ走とLSDというように、トレーニングメニューを組み合わせるのもおすすめです。
【中・上級者向けおすすめトレーニング】ポイント練習でタイムアップを目指そう!
サブ4やサブ3などの目標タイムがあるランナーは、前述のペース走やビルドアップ走よりも強度の高いトレーニングで心肺機能や筋力をアップさせ、目標達成を目指しましょう!
「インターバル走」で走りにメリハリをつけよう
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インターバル走は、一定の距離や時間で、疾走と休憩を繰り返し行うトレーニングです。400mや800mなど、設定した区間を設定ペース(全力の7割など)で走った後、ゆっくりペースのジョグで休憩しながら呼吸を整えます。これを何回か繰り返します。
心肺能力を高めることができるだけでなく、ペースチェンジがスムーズになり、走りにメリハリを生む効果があります。
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「ウィンドスプリント走」で力強い走りを
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全力疾走の8割ほどのスピードで、100mから300mほどの短距離を走るのが、ウィンドスプリント走です。
スピードを出した状態での身体の使い方が身につくため、より速いスピードを出せるようになります。長い距離を走ることが多いマラソントレーニングですが、ウィンドスプリント走は、トレーニングのアクセントにもなります。
スピード&スタミナアップが可能な「レペティショントレーニング」
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1kmから3kmほどの中距離を(できる限り)全力で走るのが、レペティショントレーニングです。中距離の勝負区間をフルスピードで走り切る力が付きます。
高強度なトレーニングなので、3本ほどを15分から30分の休憩をはさみつつ行うのがおすすめです。スピード&スタミナ、そして筋力アップが可能なトレーニングです。
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持久力アップが期待できる「閾値走」
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運動によって乳酸が増え、トレーニング継続が困難になるギリギリのペースで走るのが閾値走(いきちそう・しきいちそう)です。全力の8割から9割ほどで、20分継続して走れるペースでトレーニングを行うと効果があります。このトレーニングを行うことで、速いペースを維持し続ける力が身につきます。
閾値は人によって差があるため、自分のペースをしっかり把握しつつ、適正ペースを維持してトレーニングを行いましょう。
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自身の長所や課題を発見できる「タイムトライアル」
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5kmや10kmなど特定の距離を全力に近いペースで走り、そのタイムを測定するのがタイムトライアルです。自分の今の実力を知り、長所や課題を発見するのに役立つトレーニングです。
距離が長いほど負荷が高くなるトレーニングなので、2週間に1回ほどの頻度で行いましょう。
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目安のタイムを方程式で導ける「ヤッソ800」
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ヤッソ800は、800m×10本のインターバル走で、リカバリーは400mのジョグでつなぎます。
走るペースはフルマラソンの目標タイムを元に、フルマラソン「x時間y分」= 800m「x分y秒」×10本(リカバリーの400mも800mと同じタイムでつなぐ)で算出します。
設定タイムで10本を走り切ることができれば、フルマラソンを目標タイムで完走するための指標になると言われています。
また、呼吸循環器、筋肉の代謝などの向上が見込めるため、マラソン後半のペース維持にも生きるトレーニングです。
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より実践を意識した「距離走」
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ペース走の応用編として、実際のマラソンのペースで長距離を走るトレーニングが、距離走(ロング走)です。レース後半でスピードを落とさず、スタミナの配分を正しく行えるようにするためのトレーニングです
20kmから30kmほどを、目標とするレースペースを意識しつつ走ることで、トレーニング効果が高まります。
【タイム向上を目指す人向け】のトレーニングプランを紹介
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より速く走りたい、タイムを出したいという人に向けて、トレーニング強度が高めの練習プランを作成してみました。2つの例を参考に、自分のスケジュールに合わせて練習を組んでみましょう。
【トレーニングプラン①】
月:休み
火:ジョグ(20分)+ インターバル走
水:ジョグ(20分)+ ウィンドスプリント走(100m×3本)
木:休み
金:ジョグ(20分)+ レペティショントレーニング(3km×3本)
土:ジョグ(30~60分)or LSD(60~90分)
日:ジョグ(20分)+ 距離走
【トレーニングプラン②】
月:休み
火:ジョグ(20分)+ウィンドスプリント走(300m×3本)
水:ジョグ(30~60分)or LSD(60~90分)
木:ジョグ(20分)+タイムトライアル(5km×1本)
金:休み
土:ジョグ(20分)+ 閾値走
日:休み
強度が高いトレーニングの組み合わせなので、しっかり休息日を設け、身体に不調などが出た場合は多めに休みを取るようにしてください。
また、トレーニングにはタイム計測も必要になってくるため、ランニングウォッチをひとつ持っておくと良いでしょう。
ITEM
SUUNTO AMBIT3 VERTICAL
●重量:74g
●素材:[ベゼル]スチール、[レンズ]ミネラルクリスタル、[ケース]ポリアミド、[ストラップ]シリコン
●カラー:4色
SUUNTO AMBIT3 VERTICALには、ルートナビゲーション機能や立体マップでのランニング再現機能が搭載されています。GPS使用モードで最大100時間稼働するバッテリーも魅力!
マンネリ化した時の気分転換に!アクセントになるトレーニングを紹介
ただ走るだけだとマンネリ化して続けにくいという人は、いつもと違う練習も取り入れてみましょう。気分転換になるおすすめのトレーニングを紹介していきます。
流行りの「HIIT」をマラソントレーニングに
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HIIT(ヒット)は、「High-Intensity Interval Training(ハイ・インテンシティ・インターバル・トレーニング)」の略で、高強度インターバルトレーニングを意味します。強度が高い分、短い時間で終えることができるので、メリハリのある練習ができます。心肺・運動機能を高めるのにおすすめのトレーニングです。
ランニングの練習として取り組むのであれば、「20秒ダッシュして10秒休む(休憩 or ジョグ)」を8セット行いましょう。トータル4分でできるお手軽時短トレーニングです。
ただし、体への負担が非常に大きいので、前後のストレッチを十分に行うようにしましょう。
心肺機能の底上げができる「低酸素トレーニング」
ITEM
training mask 3.0
●サイズ:S/M/L
●カラー:ブラック
ランニングエチケットとして、マスクをしながら走るランナーもいると思いますが、その際トレーニングマスクを着用してランニングするのもおすすめです。
Training mask 3.0(トレーニングマスク 3.0)は、鍛えるのが難しい呼吸筋を鍛えることができるマスクです。負荷も6段階あり、自身のレベルや体調に合わせて使い分けることができます。
全身の筋肉やバランス感覚も鍛えられる「トレイルランニング」
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アップダウンの激しい不整地を走るのがトレイルランニングです。トレイルは、起伏が激しいため、心拍機能や筋肉、バランス感覚などを同時に鍛えられます。ゆっくり走るだけでも平地を走るより高い運動効果を得られるのでおすすめです。
自然の中を走るので、リフレッシュ効果も得られますよ。
▼トレランを始めてみたい方は、こちらの記事もおすすめ!
忘れないで!「休息」もトレーニングと同じくらい大切
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記録を目指すランナーにとっては、トレーニングを毎日欠かさず行いたいという気持ちがあるかもしれません。しかし、トレーニングと同じくらい休息も大切です。練習でダメージを受けて疲労した筋肉を回復させる為には休息が必要です。
また、疲労した状態ではトレーニングの質も下がってしまいます。ハードなトレーニングをした次の日は走らずに、しっかり体を休めましょう。
▼休息の取り方についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
トレーニングは朝が良い?それとも夜?
トレーニングはどの時間帯にするのが良いのでしょうか。走りを継続しやすいのは朝なのか、それとも夜なのか、自分はどちらのタイプなのか考えてトレーニングを行いましょう。
夜ゆっくりしたい人は断然朝がおすすめ
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仕事終わりは家でゆっくりしたい、という人は朝ランがおすすめです。夜のうちにランニング装備を準備して朝のランニングに備えておきましょう。
また、朝ランニングに行く際は、ケガ防止のためにしっかりとストレッチをし、筋肉を温めてから走りましょう。朝から高強度なトレーニングを行うと身体に負担がかかり過ぎるため、ジョギングやペース走を行うのがおすすめです。
▼朝のランニングについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
一日のストレスから解放されたい人は夜がおすすめ
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仕事の疲れやストレスから解放され、すっきりしたい人には夜ランがおすすめです。
一日動いたあとなので、軽めのストレッチをしてすぐランニングができるのも夜ランのメリットのひとつです。また、身体が温まっているので、高強度トレーニングを行うのもおすすめです。
▼夜のランニングについてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
しっかりとトレーニングをしてマラソンに挑もう!
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マラソンは完走するだけでも大変なスポーツです。完走を目標にする人も、目指すタイムがある人も、毎日のトレーニングの積み重ねが大切です。いつも同じ練習ばかりだと飽きてしまうという人は、走るコースを変えたり、新しい練習メニューに取り組んだりするのもおすすめですよ。ただし、練習のしすぎも禁物!練習と休息をうまく組み合わせたトレーニングプランを作り、レースでの結果に繋げましょう。
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