どうやってタイムを縮めたら良い?
さっそく、どのようにしてタイムを縮めれば良いか見ていきましょう。
トレーニングするしかない!
当たり前のことですが、タイムを縮めるためにはトレーニングするしかありません。普段から激しくトレーニングしている人であれば、練習を休み疲労を抜くことでタイムが出やすくなりますが、自力をつけるためには「練習あるのみ!」です。
ランニングのトレーニングや練習と聞くとハードで苦しいイメージを持つ方が多いでしょう。確かに全力疾走をすれば体に負担がかかるので苦しいです。しかし、1回1回の練習の目的と目標を決め、しっかりとこなせれば達成感や充実感を味わえて楽しくなるでしょう。大切なことは、大きな目標を達成するための小さいステップを、どれだけ楽しめるかです。なるべく無理をせずに、小さい目標をコツコツ達成していくのがタイムを出す近道です。
肉体的能力(体力)を向上させる
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タイムを縮めるアプローチには大きく分けて2種類ありますが、いずれにしても「走る」トレーニングが大部分を占めます。そのアプローチは「肉体的能力(体力)の向上」と「技術的能力(フォーム)の向上」があります。
タイムを縮めるためには、基礎体力となる「有酸素能力」や、速く走るための「スピード」が必要になります。マラソンなどのように走行距離が長くなればスピードよりも体力が重視されます。もし800mから10000mまでのトラック種目に出るのであれば「専門的持久力」も必要になるので注意してください。
例えば、800mや1500mは短距離に近い動きであり、短時間で疲労物質である乳酸が多く発生します。乳酸に耐えきれなければ失速してしまうのでタイムは出にくくなるでしょう。そこで、乳酸が発生しても走れる「耐乳酸能力」が必要になるのです。目標とするレースの種類に必要とされる能力を向上させることが、タイムを縮めるために必要です。
技術的能力(フォーム)を改善する
ランニングのタイムを縮めるときには、技術的な要素も必要です。ランニングにおける技術的な面の大半は、走り方(フォーム)が占めており、効率良い走りをすることでタイムを縮めやすくなります。普段から正しいフォームを意識して走ることが、フォーム改善の近道ですがトップ選手の走り方を見たり、ジョギングしているときに店頭の窓に映った自分の姿を確認したりすることが有効です。
この走りの効率のことを「ランニングエコノミー」と呼びます。ランニングエコノミーを高めるためには、速いスピードで繰り返し走ることも有効です。ジョギングや距離走だけでなく、短い距離のダッシュをフォームを意識しながら行うことで、ランニングエコノミーは改善されます。また、ペース感覚を身につけることも技術的な要素といえるでしょう。特に長距離種目の場合は、一定のペースで走った方が効率が良くなります。レース本番でも自分のペースで走るために、「これくらいの感覚で走れば1km〇分ペース」という自分の感覚を身につけるようにしましょう。
タイムを縮める効果的なトレーニング方法
ここからは、具体的にどのようなトレーニングをすれば良いのか紹介していきます。
ゆっくり長く走る『LSD』
LSDとは「Long・Slow・Distance」の略であり、「ゆっくり長く走る」トレーニングです。トップ選手でも実践していることが多く、ベースとなる体力を向上させる効果があります。ハードなトレーニングをするためには、トレーニングを完了させるだけの体力が必要です。LSDによって基本的な体力を向上させれば、タイムを縮めやすいハードなトレーニングをこなせるようになるでしょう。
ランニングに慣れている人も、体調を見ながらハードな練習(ポイント練習)以外の日はゆっくりと長く走るようにするのがおすすめです。LSDを実施するときはスピードを出さない代わりに、綺麗なフォームで走ることを心掛けましょう。ゆっくりのジョギングでフォームが崩れていると、スピードが上がったときにはもっと崩れてしまい、効率が悪い走りになってしまいます。
心肺能力を高める『インターバルトレーニング』
心肺能力を高めるためには、LSDや距離走よりもインターバルトレーニングが有効です。インターバルトレーニングとは、例えば「1000mを3分ペースで5本、200mのジョギングを挟んで走る」といった、疾走区間と休息区間を設けて繰り返し走るといった練習です。先程の例は、高校や大学の陸上部で行われている、比較的強度が高いインターバルトレーニングであり、自分のレベルによってペースや疾走・休息区間の長さを調整します。
速いペースで走ると心肺能力に限界が来てしまい、長くは走れません。そこで、限界が来る前に休息区間を設けて心拍数を一定のラインまで落として回復してから、また速いスピードで走ります。このことにより心肺機能に高い負荷をかけられるので、効果が出やすいのです。運動強度は非常に高いので、体の調子が良いときに行いましょう。
スピードを上げる『レぺテーショントレーニング』
インターバルトレーニングと同じように疾走区間と休息区間を設けて走る練習に「レぺテーショントレーニング」があります。レぺテーションはインターバルと異なり、休息区間はジョギングではなく完全な休息を取ります。インターバルの休息は1分から3分ほどですが、レぺテーションは10分から15分ほどで、十分に休息を取ってから走るのが特徴です。
また、疾走区間のペースはレースペースと同じかそれ以上です。レぺテーションにより、ランニングエコノミーや筋力、専門的持久力が向上するので最大速度が上がり、ペースの感覚も養われます。
タイムを出すために必要なこと
ランニングでタイムを出すためには走ること以外も大切です。では、どのような注意点があるのか見ていきましょう。
無理をしない
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タイムを出すためには練習が必要ですが、練習のし過ぎは返って体力を低下させることがあります。オーバーワークの状態になると、体の回復が追いつかず体力が低下したり怪我したりします。「何だか調子が出ない」「頑張っているのにタイムが縮まらない」という場合は、思い切って練習を中断するか、練習の設定タイムを下げましょう。怪我をして練習を長期間中断すると体力は衰えるので、怪我をしないように練習することが大切です。
栄養をしっかり摂る
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体力を回復させるためには、しっかりと栄養を摂る必要があります。特に長距離を走る場合でも、筋肉を構成するタンパク質(プロテイン)は積極的に摂ることが大切です。また、走っている時間が長いと貧血になりやすいため鉄分なども十分摂るようにしましょう。
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休息をしっかり取る
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栄養と同時に必要なのが、睡眠です。体力は寝ている間に回復し、筋肉なども修復されるので、睡眠が不足していると万全な状態で走れません。練習をしっかりこなせないだけでなく、倒れてしまう原因になるので、普段から十分に睡眠を取り、長い距離を走った後やインターバル、レぺテーションのように負荷が大きい練習をした後は特にしっかり寝るようにしましょう。
タイムを出すためのコツ!
最後に、タイムを出すためのコツを紹介していきます。
目標ペースで走るイメージをする!
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練習をするときに大切なことは、目標を立ててそのペースをイメージすることです。例えば、マラソンで3時間を切るためには1kmを4分16秒ペースで走らなければなりません。普段の練習から、この「1kmを4分16秒ペース」をイメージして、自分にとって余裕があるスピードなのか、42km走れり切れるスピードなのか、感覚を養いましょう。ペース感覚が身につけば、本番のレースで思い通りに走りやすくなりタイムが出やすくなります。
徐々にペースを上げながら走る!
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確実にレースでタイムを出したいのであれば、最初は目標ペースよりも少し遅く走り徐々にペースを上げるのがおすすめです。最初から目標ペースで走ったとしても、体の調子によってはオーバーペースであることも多く、後半失速する原因になります。後半失速するとタイムは一気に落ちてしまうので、前半は慎重に走り、体の調子が良く余裕があればゆっくりとペースを上げていくと、大きな落ち込みがなく走れます。
しっかりとトレーニングしてタイムを出そう!
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ランニングでタイムを出すためには練習をしなければなりません。練習や苦しく辛いものですが、目標と計画を立て達成できると楽しいです。目標としているレースがある方は、いつまでにどのようなタイムを出したいのか決めて、1日の練習に落とし込んでいきましょう。自分にとって効果がある練習を実践してタイムを出してください。