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最近よく聞くランニングシューズの「ドロップ」って何?
ランニングシューズを選ぶ時、サイズやワイズは気にしていると思いますが、「ドロップ」も意識していますか?
ドロップとはシューズのつま先とかかとの高さの差
ランニングシューズのドロップとはシューズをサイドから見た時のつま先とかかとの高さの差です。「オフセット」と呼ばれることもありますが、意味は同じです。
ソールのデザインだけではわかりにくい場合も多いので、メーカーのスペック表をチェックしましょう。
目安はドロップが高い=12mm、低い=9mm
ではドロップが高い、低いの目安はどう考えたら良いのでしょうか。シューズメーカーにもよりますが、おおむね12mm以上だと「高い」、9mm以下だと「低い」とされているようです。
なお、ドロップはつま先とかかとの高さの差なので、ソールが厚いとは無関係です。
いわゆる厚底のランニングシューズでもドロップが低いシューズもあります。ただし、その逆の薄底でドロップが高いシューズは見かけません。
ドロップが「高い」シューズは「安定性」重視
ドロップの高さは走りにも大きく影響します。ドロップが高いシューズを履いた場合の動きについて見ていきましょう。
ドロップが高いシューズは初心者に優しい
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ドロップが高いシューズは着地の時の安定性の高さが特長です。特にかかと着地の方は、着地の衝撃が最初にかかとに伝わりますが、ドロップが高いシューズはかかと部分でしっかり衝撃を吸収してくれます。
個人差はありますがドロップが高いシューズは初心者の方に優しいシューズといえるでしょう。
かかと着地からの体重移動がスムーズ
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まだ走りなれていない方だと脚の筋肉ができあがっていないことから、着地後につま先で蹴り出す力があまり強くありません。ドロップが高いシューズであれば着地後、自然に前に体重移動してつま先を蹴り出すことができます。
あまり筋力に頼らなくても脚が前に出るので、疲労感は少なく長距離をゆっくり走る時には向いています。
スピード走はちょっと苦手
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かかと着地は衝撃を和らげるのには良いのですが、逆にブレーキをかけるような状態になるのでスピードを上げて走るには不向きです。
新しいシューズに買い替えてから、「スピードを上げようとしたら、なんだかシューズが重く感じる」と思ったら、それはシューズの重量ではなく、以前のシューズに比べてドロップが高くなっている可能性もあります。
ドロップが「低い」シューズは「スピードランナー」向け
ドロップが低いシューズは着地時にブレーキがかかりにくくなるのでスピードランナーに向いています。
ミッドフット、フォアフットのランナーにはドロップが低いシューズがフィット
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かかとではなく、足裏の真ん中(ミッドフット)や足先(フォアフット)着地だと、着地から蹴り出しまでの時間が短いことからスピードを上げやすくなりますが、この時ドロップが高いシューズだとかかとが着地してしまってブレーキをかけることになってしまいます。
このため、ドロップが低いシューズの方がフォームを活かしてスピードを上げられるのです。
筋力が不足していると脚への負荷が高い
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ドロップが高いシューズと違いドロップが低いシューズは、シューズの衝撃吸収力を頼れません。特にふくらはぎやアキレス腱への負荷が高くなります。
まだ脚の筋肉が十分に出来上がっていない方がレース用のシューズを履いたら、ふくらはぎがつった、という話を聞くことがあります。レース用のシューズはナイキのように厚底で衝撃吸収性が高そうに見えてもドロップが低いのでふくらはぎへの負担が増えるのです。
高ドロップから低ドロップへの切り替えの目安はサブ4
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ドロップが高いシューズから低いシューズへ切り替えるタイミングですが、サブ4を狙う時が一つの目安になるのではないでしょうか。
サブ4を達成するには、単純計算だと1kmを5分41秒で大丈夫ですが、これでは本当にぎりぎりなのでスタート時のタイムロスなどを考えると5分半ペースで押して行けるスピードが欲しいところです。
フルマラソンで1kmを5分半ペースで走るためにはトレーニングでキロ5分を切れるスピードが必要ですが、ドロップの高いシューズの不得手なゾーンに入るからです。
高ドロップのおすすめシューズは?
それではドロップ別におすすめのシューズを紹介していきましょう。まずは高ドロップ(12mm以上)から中間(10mm)のシューズからです。
なお、シューズ名の後の( )内はそれぞれのシューズのドロップの数値です。
ミズノ ウエーブライダー 24(12mm)
ランニングを始めたいけれど、ミズノのシューズでおすすめは?と聞かれた時に真っ先に名前が上がるのがウエーブライダーです。
名称の由来となったウエーブプレートが高い安定性を実現するとともにミズノ独自の新素材、MIZUNO ENERZYをかかと部分に採用することで反発性を高め、軽快な走りを実現しています。
ビギナーでも不安のない安定感の高さは特筆モノです。
ITEM
ミズノ ウエーブライダー 24【メンズ】
●サイズ:24.5~30.0cm
●素材:甲材/合成繊維、人工皮革 底材/合成底
●重量:約275g(27.0cm片足)
●カラー:グレー×ブラック×オレンジ、ブルー×シルバー×ピンク、ブルー×ゴールド×オレンジ
以前にウェーブライダー23も購入したので、進化版の24を購入。ミズノさんの踵に組み込まれた波型プレートが、反発力を感じながらも下から踵を支えてくれている様で私は気に入っています。あと、色の組み合わせが綺麗です。
出典:
楽天みんなのレビュー
ITEM
ミズノ ウエーブライダー 24【レディース】
●サイズ:22.5~26.0cm
●素材:甲材/合成繊維、人工皮革 底材/合成底
●重量:約235g(24.5cm片方)
●カラー:ブラック×グレー
▼「ウエーブライダー 24」について詳しく解説した記事はこちら!
アシックス ゲルカヤノ 27(10mm)
超ロングセラーの「GEL-KAYANO」の最新モデルが27です。特にオーバープロネーションに悩む方は初心者、ベテランを問いませんが、ゲルカヤノ27はシューズ内側に搭載した高硬度のDUOMAX搭載することで過度な倒れこみを防ぐ機能があり、長年にわたり高い評価を受けています。
ソールにはGELやFLYTEFOAM Propelといったアシックスの独自機構が満載で快適な走りを約束します。
ITEM
アシックス ゲルカヤノ 27【メンズ】
●サイズ:24.5~32.0cm
●素材:甲材(アッパー)/合成繊維 底材(ソール)/ゴム底
●重量:約309 g
●カラー:13色
ITEM
アシックス ゲル カヤノ 27【レディース】
●サイズ:22.5~26.5cm
●素材:甲材(アッパー)/合成繊維 底材(ソール)/ゴム底
●重量:約249 g
●カラー:12色
▼「ゲルカヤノ」について詳しく解説した記事はこちら!
ナイキ エア ズーム ペガサス 38 (10mm)
ドロップが高めのシューズにはロングセラーモデルが多いですが、ナイキのズームエアペガサスは最新型で38代目と超ロング&ベストセラーモデルです。毎年、細かな改良が加えられており、最新型でもナイキ独自のリアクトフォームが従来よりも増量され、より弾むような履き心地を実現しています。
ナイキ=ラストが細め、というイメージがあるかもしれませんが、このズームエアペガサス38では前足部を幅広にすることで一見スリムなシルエットながら窮屈感はありません。
ITEM
ナイキ エアズームペガサス38【メンズ】
●サイズ:24.5~30.0cm
●素材:アッパー/合成繊維、合成樹脂 アウトソール/ゴム底
●重量:-
●カラー:ブラック、ホワイト
足形変更によりペガサス37よりもつま先部分が広がって指を広げる余裕ができました。
自分の足が細めなので甲の部分がやや緩めですが、紐をきつめに締めるとちょうどよくなります。タンが厚くなったので、甲の部分のフィット感がよくなったと思います。
ミッドソールは柔らかく反発性もあるので、走りやすいです。
出典:
楽天みんなのレビュー
ITEM
ナイキ エアズームペガサス38【レディース】
●サイズ:22.5~26.5㎝
●素材:アッパー/合成繊維、合成樹脂 アウトソール/ゴム底
●重量:-
●カラー:ブラック、ホワイト、ローズ×ピンク
すぐに届きました。ランニング初心者で、クッションのしっかりしたものが欲しくて購入しましたが、大正解でした。普段23-23.5cmで、幅が広いです。(3E)そのため、24cmにしてみました。ジャストサイズです。結構暑くなっているけれど特にムレもなく、これまで使っていたものよりクッション性も向上していると思います。色も写真通りでかわいいピンクでした。毎朝のランニングで使うので、いいものを買ってよかったと思います。
出典:
楽天みんなのレビュー
▼「エア ズーム ペガサス 38」のレビュー記事はこちら!
アディダス ウルトラブースト 21(10mm)
前モデルの20からブーストフォームを6%増やすことで、反発力を強化したのがウルトラブーストの最新モデル21です。新技術のアディダスLEPをアウトソールに搭載することで前足部の屈曲剛性も15%向上と、全体的に推進力を強化したモデルとなっています。
また、海洋プラスチックを再利用したPARLEY OCEAN PLASTICを50%以上使用するなどパフォーマンスとエコを両立しているのも新しいですね。
ITEM
アディダス ウルトラブースト 21【メンズ】
●サイズ:24.5~31.0㎝
●素材:アッパー 合成繊維+合成皮革、ソール ゴム底
●重量:354 g(27.0cm)
●カラー:14色
ITEM
アディダス ウルトラブースト 21【レディース】
●サイズ:22.5~26.5㎝
●素材:アッパー 合成繊維+合成皮革、ソール ゴム底
●重量:340 g
●カラー:14色
▼「ウルトラブースト 21」のレビュー記事はこちら!
低ドロップのおすすめシューズは?
次に低ドロップ(8mm以下)のシューズを紹介していきます。必ずしも低ドロップ=薄いソールとはならない点に注意してください。
ホカ オネオネ マッハ 4(5mm)
え、ホカオネオネのマッハ4ってそんなにドロップが低いの?と驚かれるかもしれません。ソールが厚くてもドロップが低いシューズの代表例として元祖厚底のホカオネオネを取り上げてみました。
中でもマッハ4はバランスの取れた心地よいクッション性と反発性が特長で、普段のジョグからペースを上げたランまで対応できるオールマイティさが特長です。ボリューミーなルックスにも関わらず重量は約230g(27cm)と軽量に仕上がっています。
ゆりかごのように傾斜したロッカー構造のソールにより、自然と前足部で踏み込むような走りができるので、低ドロップ入門としてもおすすめです。
ITEM
ホカオネオネ マッハ 4 【メンズ】
●サイズ:25.0~28.0cm
●素材
甲材(アッパー):ナイロン、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、コットン
底材(ソール):合成底
●重量:232 g
●カラー:5色
ITEM
ホカオネオネ マッハ 4【レディース】
●サイズ:23.5~25.0cm
●素材
甲材(アッパー):ナイロン、ポリエステル、熱可塑性ポリウレタン、コットン
底材(ソール):合成底
●重量:192g(24.0cm)
●カラー:5色
▼「マッハ 4」のレビュー記事はこちら!
アシックス グライドライド 2(5mm)
アシックスのグライドライド2も見た目からは低ドロップシューズのイメージからは遠いシューズの一つです。長距離走でのエネルギー消費を抑えることをコンセプトに開発され、着地から蹴り出しまでの動作がスムーズに行えるので、レースだけでなくリカバリーランにも最適です。
アッパーはエンジニアードメッシュを採用し、フィッティングを高めるとともに通気性も確保することで長距離も快適に走ることができます。
ITEM
アシックス グライドライド 2【メンズ】
●サイズ:24.5~32.0cm
●素材
アッパー:合成繊維・合成樹脂
アウター:ゴム底・合成底
●重量:285g(27.0cm)
●カラー:5色
ITEM
アシックス グライドライド 2 【レディース】
●サイズ:23.0~26.5cm
●素材
アッパー:合成繊維・合成樹脂
アウター:ゴム底・合成底
●重量:230g(24.0cm)
●カラー:6色
▼「グライドライド 2」について詳しく解説した記事はこちら!
On クラウドラッシュ(5mm)
On(オン)のクラウドラッシュは、ハーフから長距離のレースに理想的なシューズとして開発されました。厚底でやや大げさなデザインが増えたランニングシューズの中で、クラウドラッシュのスリムなデザインはひときわ目立ちます。ON独自のクラウドパーツは18個、着地の衝撃をきれいに受けるとともに反発性にも優れています。
長距離でも走りやすいことに加え、脱ぎ履きがやりやすいため、ONがサポートするアイアンマンやトライアスリートにも愛用されています。
ITEM
On クラウドラッシュ【メンズ】
●サイズ:25.0~32.0cm
●素材:アッパー 合成繊維、ソール 合成底
●重量:220g
●カラー:ブラック×ホワイト
ITEM
On クラウドラッシュ【レディース】
●サイズ:22.0~26.0cm
●素材::アッパー 合成繊維、ソール 合成底
●重量:189g(24.0cm)
●カラー:Neon×White
ミズノ ウエーブソニック 2(4mm)
見るからに薄いソールのミズノウェーブソニック2、ドロップはわずか4mmです。クッション性よりも安定性とキックの強さを重視したモデルはまさに陸上部御用達なイメージ。レース用といってもフルマラソンではなく、ハーフや10kmで用いれば、蹴りの強さを活かしてスピードアップできるでしょう。
また、かかと着地からミッドフットもしくはフォアフットのフォームに直したい、という方のトレーニング用としても最適です。
ITEM
ミズノ ウエーブソニック 2【ユニセックス】
●サイズ:22.5~28.5cm
●素材:アッパー/合成繊維+合成樹脂、ソール/合成底
●重量:約215g(27.0cm片方)
●カラー:ブルー×ホワイト×オレンジ、ブラック×グレー、グリーン×ホワイト×レッド、フラッシュオレンジ×ホワイト×ネイビー
フォームにあったドロップを選ぶことが大事!
出典:PIXTA
ドロップが低いシューズ=スピードランナー向け、高いシューズ=初心者向けの場合が多い、というのは間違っていないのですが、なぜそうなのか、理由をしっかり把握することが大事です。
レースではもちろん低いドロップのシューズを履くけれど、普段のジョグの時には疲労を軽減するために高いドロップのシューズを選ぶプロのランナーの方もいらっしゃるので、2足を使い分けるのもよい考えではないでしょうか。
次にランニングシューズを購入する際はサイズやワイズだけでなく、ぜひドロップにも注目して選んでみてください。
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