「アディゼロ タクミ セン」はどんなシリーズ?
「アディゼロ タクミ セン」は長い間、アディダスのトップレーシングモデルとして多くのランナーの支持を受けてきた人気モデル。まずは、シリーズの特徴から解説します。
ロード10kmの世界記録を更新したアディダスの薄底モデル!
アディダスの「タクミ セン」は、ロード10kmの世界記録を更新した選手が履いていた薄底シューズです。
※2020年1月12日バレンシアにて、ケニアのロネックス・キプルト選手が26分24秒の世界記録を出しました。
アディオス プロが登場する以前のポピュラーなレーシングシューズであり、現在も進化を続けているのでレースやトレーニングで活躍します。
当時は厚底シューズに規制がかかるという話が出始めたころであり、薄底シューズを履いている選手もまだ多くいました。
「タクミ セン 6」で大幅にバージョンアップ
最新モデルは「タクミ セン 7」ですが、5から6に切り替わった際に、大幅にバージョンアップしました。
ミッドソールの基本的な組み合わせは今までと同じですが、新素材のLIGHTSTRIKEを使用しアウトソールのグリップ(ラグ)が大幅に改良されました。
この改良により反発力が増してスピードを出しやすくなっています。
最新作ではアッパーも改良
「タクミ セン 7」ではシュータンが一体構造になり、クリアなメッシュ状の生地を採用することで、フィット感が高まっています。この改良により、足の機能をフルに使うことができより自由度が高い履き心地になっています。
また、アッパーの改良で軽くなっているので、よりピッチを上げた走りができるでしょう。
「アディゼロ タクミ セン 7」の特徴を細かく紹介!
最新モデル「タクミ セン 7」は薄底シューズと相性が良い方であれば、高いパフォーマンスを発揮できるシューズです。ここからは「タクミ セン 7」の特徴を詳しく紹介します。
クリアで特徴的な『ワンピースメッシュアッパー』
タクミセン7のアッパーには『ワンピースメッシュアッパー』が使われています。このアッパーは従来の素材と違い、透明の素材とメッシュ生地を格子状に組み合わせています。
そのため、アッパーの一部が透明になっているので特徴的な外見が目を引くでしょう。
この新アッパーによりフィット感が高まっているだけでなく、前作の「タクミ セン 6」よりも約20g軽くなっています。
BOOSTフォームとLIGHTSTRIKEを使った薄型ミッドソール
BOOSTフォームとLIGHTSTRIKEの両方を使用しているシューズはアディダスの中でも多いです。「タクミ セン 7」では前足部にBOOSTフォーム、中足部~後足部にはLIGHTSTRIKEを使用しています。
画像の通り、薄底のミッドソールでLIGHTSTRIKEの割合を増やすことでシューズの軽量化に成功しています。軽量で反発性の高いLIGHTSTRIKEと、弾むようなクッション性のBOOSTフォームの相乗効果により、推進力が生まれやすく薄底でスピードを出しやすくなっています。
また、中足部にはトルションシステムも使用し、中足部のねじれを防ぎシューズの安定感を高めています。
しっかり地面を捉える「コンチネンタルアウトソール」
アウトソールには、レース用の自転車にも使われるコンチネンタルラバーを使用しています。このコンチネンタルラバーはグリップ力が高く、地面をしっかり捉えられるのが特徴です。
つまり、ミッドソールの構造により生まれた推進力を無駄にすることなく、しっかりと力を地面に伝えられるので効率が良くなっています。
「タクミ セン」をレビュー!実際の履き心地は?
筆者は「タクミ セン ブースト 3」と「タクミ セン 6」の2足を所持しているので、そのレビューを紹介します。
安定感が高く、早めのテンポ走との相性が良い
撮影:記助
「タクミ セン ブースト 3」を使用していたのは今以上にしっかり練習できていた時期で、10kmのテンポ走を3分30秒前後で行っていました。他のシューズと比較するとスピードよりも安定感があり、長い距離でも安心して走れる印象です。
薄底でクッション性はそこまで高くありませんが、効率良く走れるせいか走り終わった後の疲労感は少なく感じました。
「タクミ セン 6」では安定感はそこまで変わった印象はありませんでしたが、軽量になっているので走りやすいです。「タクミ セン 7」ではさらに20gほど軽くなっているので、さらに快適さが増しているでしょう。
「タクミ セン 6」はさらにスピードを出しやすく感じる
撮影:記助
「タクミ セン 6」でアウトソールが大幅に変わったことにより、しっかりと地面を掴めます。「タクミ セン ブースト 3」と比較するとさらにスピードを出しやすくなったと感じます。脚の回転が良くなりピッチを上げやすく、長距離用のスパイクに近い感覚で走れる印象です。
最新作である「タクミ セン 7」も6のアウトソールを継承しているので、同じ感覚で走ることができますが、ドロップ(ソールのつま先とかかとの高低差)が変更になっている点は注意が必要です。「タクミ セン 6」は5mmドロップですが、「タクミ セン 7」は9mmドロップです。高ドロップになった「タクミ セン 7」では、より体重移動を行いやすく効率良い走りを行えるでしょう。
▼ドロップについて知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
「アディゼロ タクミ セン」はどんな人に向いている?
「タクミ セン 7」はスピードを出しやすいモデルですが、薄底なので地面から衝撃を受けやすいことに注意が必要です。そこで、ここからはどのような人やシーンに向いているのか紹介します。
サブ3ランナーのレース用
出典:PIXTA
タクミセンは薄底&軽量なレーシングモデルです。マラソンサブ3ランナーであれば、衝撃に耐えるだけの脚ができているのでマラソンなどのレースで使用するのが適しているでしょう。
しかし、アディオスプロなどの厚底レーシングシューズよりも薄底なので脚にかかるダメージが大きいです。
脚の負担が気になる方は5km~10kmなど、短くスピードが求められるレース用として使うのがおすすめです。また、厚底シューズのソールの高低差が気になる方、薄底の方が自然に接地できる方などにピッタリです。
スピードを意識したい練習用としても優秀
出典:PIXTA
サブスリーなどの上級者であれば、レース用として履いてもしっかりとパフォーマンスを出せます。
サブ4ランナーで5km~10kmのレースに参加する方であれば、スピードを強化する練習用として使うと良いでしょう。
軽量でスピードを意識して走りやすいため、インターバルやレペティションはもちろん、ウインドスプリント(流し)や坂ダッシュ・ヒルトレーニングなどでスピードを意識した練習のときに活躍します。
薄底でスピードを意識しやすくなるだけでなく脚力もつきやすいので、本番で厚底のレーシングシューズを履く方の練習用としても活用できます。
アディダスのスピードモデルを活用してみよう!
「タクミ セン 7」は現在のアディダスのレーシングシューズの中では最も薄底シューズです。軽量でスピードを出しやすく、自力を鍛えやすいためレースだけでなく練習用としても使いやすいでしょう。
レース本番ではアディオスプロのような厚底レーシングシューズを使う人でも、スピードの出力を高める練習では「タクミ セン 7」がおすすめです。
もちろん薄底派の方でもしっかりフィットして走れます。シューズを上手く使い分けてたり、特徴を知って有効活用してみてください。
ITEM
アディダス アディゼロ タクミ セン 7 メンズ
●重量:170g
●サイズ:23.0cm~31.0cm
●カラー:イエロー、オレンジ
ITEM
アディダス アディゼロ タクミセン 7 レディース
●重量:170g
●サイズ:23.0cm~26.0cm
●カラー:イエロー、オレンジ
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