「陸王」で注目を集めた、ランニング足袋とは?
みなさんは「陸王」をご存知ですか?原作は池井戸潤氏の同名小説で、2017年にドラマ化されたことで注目を集めました。創業100年の老舗の足袋屋が社運を賭け、「裸足感覚のランニングシューズ」開発に奔走する、という物語です。そのなかに登場するのが、今回紹介する「ランニング足袋」です。
足袋は日本では昔から履かれていた履物で、今でも土木系の作業時などに利用している人もいます。
走る時のアイテムは足袋からランニングシューズに進化したわけですが、今ランニング足袋の良さが見直されています。
なぜ足袋がランニングに向いているのでしょうか。
人間本来のフォームを取り戻すことができる、ランニング足袋
そもそも人間は、砂利道を裸足で走るときは痛みを軽減するために、拇指球やつま先から着地するようになっています。
しかし、クッション性のある靴は痛みを気にせず走れるため、かかとから着地するようになってしまうのです。
ランニング足袋は靴底が薄いため、足裏の感覚を研ぎ澄まし、人間本来の走りを取り戻すことができると言われています。
高性能のランニングシューズでかかと着地になったフォームを、元の拇指球やつま先などのミッドフットやフォアフットで着地するように矯正するのが「ランニング足袋」です。
ランニング足袋はケガの防止につながるって本当?驚きの3つのメリット
ランニング足袋はケガの防止に効果的だと言われています。
その理由は身体に負担のかからないようなケガをしにくいフォームに改善されるからです。
その他にも血流がよくなることや普段使われていない筋肉を刺激できるといったメリットがあります。
それでは3つのメリットについて詳しく解説します。
ケガをしにくい人間本来のフォームに改善される
出典:PIXTA
ランニング足袋を履けば、「ミッドフット」という足裏全体で着地するような走りが身につきます。ミッドフットでは着地時のブレーキが少なく、衝撃を吸収して足への負担を軽減するのが特徴です。
しかし日本人の多くのランナーはかかとから着地する「ヒールストライク」という走り方をしています。ヒールストライクではふくらはぎやアキレス腱への負担は小さいのが特徴です。一方でブレーキをかけるように着地するため膝関節への負担は大きくなります。
足裏全体で着地する人間本来の走り方を取り戻すことで「ランナー膝」といった特有の症状にも悩まされることが減るでしょう。
足の血流が良くなり疲労が少なくなる
出典:PIXTA
ランニング足袋は親指とその他の4本の指が離れているのが大きな特徴です。そのため自由に指を動かしやすいため血流がよくなる効果があります。血流がよくなることで疲労物質がたまりにくく、また酸素も行き届くので疲れにくくなります。
足の筋力アップになりケガをしにくくなる
出典:PIXTA
ランニング足袋はアウトソールの厚みが5mmほどでとても薄いです。そのため地面を掴んで力を伝えるような走りになるため筋力アップに繋がります。また人間本来のバネの感覚が取り戻されスピードも出るようになってきます。筋力がつくことによってふくらはぎやお尻の筋肉や関節への負担が減り、ケガのリスクが減るでしょう。
ベアフットシューズやワラーチとの違いとは?
ランニング足袋に似たものに「ベアフットシューズ」や「ワラーチ」があります。ワラーチはサンダルのような形状でアッパーがないのが特徴です。
どちらのシューズも薄底でゴムでできたアウトソールで、自然とフラットな着地ができるようになっています。
ランニング足袋との違いは形状の違いが主で、裸足感覚で走れるベアフットシューズのなかにランニング足袋も含まれると考えればよいでしょう。
▼ベアフットシューズについては、こちらの記事も参考に
注意!ランニング足袋を履き始めた頃はケガのリスクが通常よりも高くなる
出典:PIXTA
ランニング足袋はいいことづくめですが、1つだけ注意が必要なことがあります。
それは慣れるまでの間はケガのリスクが大きいということです。まだフォームが改善されていない状態ではスムーズな足運びができず、膝やくるぶし付近に負担がかかる走りになってしまいます。またふくらはぎを使うような走りにもなるため、筋力がまだついていない人は痛くなりやすいです。
そのためまずは1ヶ月ほどウォーキングから始めましょう。そして少しずつジョギングから距離を伸ばして慣れるようにしましょう。
フォームの改善は一朝一夕にはいかないので、地道なトレーニングが重要です。
アスファルトや砂利など硬い地面よりも、できれば土の上などから慣らしていく方が痛くなりにくいです。
ランニング足袋を始めるなら「きねや」の足袋がおすすめ
ランニング足袋でフォームを改善してケガをしにくい走りを身につけたくなった人もいるでしょう。そこでおすすめのランニング足袋を紹介します。先程紹介した「陸王」のモデルとされている足袋である「MUTEKI」とランニング用にさらなるアップデートがされた「Toe-Bi」について解説します。
ランニング足袋MUTEKI
MUTEKIは天然ゴムのアウトソールとナイロン製のアッパーを手縫いで補強した特別仕様の足袋です。通常のランニングシューズと同じで靴紐があるため甲が高い人でも調節して履くことができます。またナイロンでできているため耐久性が高く、吸湿性も低いため快適に走れます。価格も5000円ほどとリーズナブルでアウトソールの削れ具合をみながら交換するのがおすすめです。
ITEM
きねや MUTEKI
●サイズ:22.0~30.0㎝
●カラー:ブラック、グレー、サックスブルー
Toe-Bi(トゥービー)
Toe-BiはMUTEKIとは大きく違い靴紐ではなく、マジックテープを採用しています。そしてこのマジックテープがアウトソールと融合しているため、フィット感が格段に高まります。
またアウトソールは3mmと極薄で小石の感覚もしっかり分かる薄さです。加えてアウトソールはでこぼこした突起がついているため、グリップ性能も向上しています。
価格はMUTEKIの倍の値段ですがそれ以上の価値がある高性能のランニング足袋です。
ITEM
きねや Toe-Bi
●重量:167g
●サイズ:23.0~30.0cm
●カラー:レッド、ブラック、ネイビー、カーキ
最近注目のランニング足袋「hitoe」
hitoe
hitoeは見た目では靴というよりは靴下に近いようなランニング足袋です。
特徴の1つとして特殊な繊維を立体的に編み込むことで伸縮性を生み出し、靴紐もマジックテープがなくてもしっかりとフィットするようになっています。メッシュ素材のため通気性もよく快適に走ることができます。
軽量化にとくに力をいれているので裸足感覚を味わいたい人にはおすすめのランニング足袋です。
ITEM
MARUGO hitoe
●サイズ:22.0~30.0cm
●カラー:ゼブラグレー、ゼブラパープル、ゼブラオレンジ、ゼブライエロー
ランニング足袋のサイズ選びのコツ
出典:PIXTA
ランニング足袋を試してみるか検討している人の中で気になるのが、靴下を履いて走ってもいいのかということでしょう。通常の靴下では足袋は指が分かれているため履けないため、5本指ソックスを履くのがおすすめです。もちろん裸足で走るほうが裸足感覚で走れるというメリットもありますが、どちらでも好きな方を選んでよいでしょう。
またシューズ選びのポイントとしてサイズは通常の靴と同じように選んで大丈夫です。自分の実際の足の長さよりも0.5cmほど大きいものを選びましょう。
しかし0.5cmというのは靴下を履いた場合で、靴下を履かない場合は0.8cmから1cmほどサイズが大きいものを選ぶと失敗しないです。
ランニング足袋でフォームを改善してケガとおさらばしよう!
出典:PIXTA
ランニング足袋は、薄底の天然ゴムを使用した足袋型のシューズで、フォームの改善に役立ちます。
フラットな人間本来の着地を促し、膝や関節などへの負担を軽減してケガのリスクを減らせます。
また血流をよくして筋力アップもできるためトレーニングにぴったりです。
ケガや足の痛みに悩まされているランナーのみなさんは、ランニング足袋をトレーニングに取り入れてみてはいかがでしょうか。
ケガをしにくい走りを身につけて、楽しくランニングを楽しみましょう!
陸王
ITEM
小説 陸王
ITEM
陸王 DVD-BOX
ITEM
陸王 Blu-ray BOX
この記事を読んだ人は、こちらの記事もおすすめ!
1