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どうしてうまくできないの?給水を練習する必要性とは
マラソンはトップ選手でも2時間以上かかるので、水分補給は必ず行わなければなりません。しかし、給水は慣れていないと失敗することが多く、下手すると脱水症状を起こしてしまうこともあるでしょう。確実に取ろうと立ち止まるとタイムロスに繋がるので、マラソンで良い結果を残すためには給水の練習は必須と言えます。
ではなぜ給水がうまくできないのか、実際の大会の様子も混えて解説していきます。
大会主催者が用意する「ゼネラル」はほとんどが紙コップ
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マラソン大会には給水所があり、「ゼネラルドリンク(大会主催者が用意する飲み物)」が用意されています。中身は水かスポーツドリンクで、ほとんどが紙コップで用意されています。
専用の給水ボトルと違い、紙コップは口が広いので、何も対策せずにコップを取ろうとすると高確率で中身がこぼれてしまいます。また、周りの紙コップをたくさん倒してしまい、他のランナーの迷惑になってしまうことも。
普段の練習では、ボトルを使って走りながら水を飲む練習をし、大会が近づいてきたら紙コップを取る練習も取り入れてみると良いでしょう。
ペースを落としてリズムが崩れると疲労感がドッとくる
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給水所で立ち止まって水分補給をするとランニングのリズムが崩れてしまいます。給水所ではなるべくペースを落とさずに給水するのが理想です。
一度止まってから再び走り出すと、今までのペースがしんどく感じてしまうので、できるだけ今までのペースを維持できるように、効率良く給水する方法を練習する必要があります。
スペシャルドリンクが置けるのは限られたランナーだけ
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トップランナーの場合、スペシャルドリンクを入れたマイボトルを給水所に用意します。しかし、一般的な市民ランナーの場合、給水所にスペシャルドリンクを用意できないことがほとんどです。
そのため、給水はゼネラルドリンクで行うことになり、対策が必要になります。
給水を効果的に行う5つのポイント
レース本番に向けて給水の練習をするときは、いくつかポイントを押さえておくと効果的です。ここからは給水するときのコツを紹介します。
1. 給水地点を必ず把握しておき、給水地点の前から準備しておく
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マラソン大会では事前に給水ポイントが案内されています。給水地点を把握しておけば、心の準備もしやすくなるでしょう。
例えば、集団の中を走っているとき、給水所が近づいてきたら給水テーブルが置いている側を走るようにすると、落ち着いて給水を取りやすくなります。
2. テーブルの手前と後方の「2つのドリンクを取る」
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給水するときは、取った紙コップがこぼれたときのために2つドリンクを取るようにしましょう。まずは、テーブルの前方のコップを取り、一度体勢を整えてから、給水ポイントの後方にあるコップを取ります。
このとき、給水を取った直後に水を飲むのではなく、まずは水をしっかり確保することに集中しましょう。
3. 紙コップの横からではなく「上から3本指でつまむ」ように取る
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コップを横から取ると、勢いで水がこぼれてしまったり、他のコップを倒してしまいます。そのため、コップの上から取るようにしましょう。
腕振りのリズムに合わせて、体の前にあるコップへ腕を伸ばして、人差し指・中指・親指の3つの指で上からつまみ、腕振りのリズムに合わせて後方に振るようにすると、遠心力が働くのでこぼれにくいです。
4. 焦らず呼吸に合わせて少しずつ口に含みながら飲む
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マラソンで走っているときにきつくなってくると、口呼吸になってきます。しかし、息を吐いているタイミングでは水は飲めません。このタイミングで口に水を入れるとむせてしまいます。
コップを手に取ったら、少しずつ口に水を含み、焦らずに呼吸に合わせて飲みましょう。一気に飲むとむせてしまうので、口に含んだ水を少しずつ飲み込んでいきます。
5. 予備のコップは上から持つとこぼれにくい
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2つめのコップは、上から持ち振り子のように腕を脱力して持つと、遠心力が働きやすくなりこぼれにくいです。水を入れたバケツを振り子のように振っても、こぼれにくいのと同じ原理です。
そのため、紙コップを持っている間は、腕を「だらん」と脱力した状態で腕を振ると良いでしょう。
きちんとポイントを把握して、給水の練習をすれば本番でも焦らずにしっかりと水分補給を行えます。
給水するタイミングはどうすればいいの?
マラソンの給水では、水を取る方法だけでなくタイミングも重要です。ここからは給水を取るタイミングについて紹介します。
喉の乾きを感じたら手遅れ!
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マラソンでは汗だけでなく呼気によっても水分が失われます。喉の乾きを感じたときには、手足の水分はすでに不足気味になっているので、その前に給水を取らなければなりません。
その日の天候や発汗量を考えて、なるべく余裕を持って水分補給するようにしましょう。
5km置きに給水所があるのが一般的
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一般的なマラソン大会では5kmごとに給水所があります。水分不足にならないように、毎回の給水所で少しずつ小まめに水分補給しましょう。
レースの前半で水分補給ができているかどうかによって、後半のキツさが変わってくるので、10km以降からは必ず給水を取るようにします。
次の給水所で取れる保証はない
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毎回の給水所で水分補給する最大の理由は、次の給水所で給水できる保証がないからです。次の給水所で給水に失敗したり、取ろうとしたコップが倒れていたりすることも考えられます。
毎回の給水所で水分を小まめに補給していれば、水分不足にならず最後までしっかり走れるでしょう。
『毎回給水をしているとタイムロスが大きくなってしまう』と不安になるかもしれません。しかし、練習をすれば給水時のタイムロスも減るので、小まめに給水してもタイムに大きな影響は出なくなります。
給水対策の裏ワザ!自分に合った方法を試してみよう
マラソンの給水は今まで多くのランナーを悩ませる大きな問題でした。そのため、給水方法にもさまざまな工夫があり、自分に合った方法を見つけてみるのも良いでしょう。
ここからは、少し変わった給水のコツを紹介するので、参考にしてみてください。
紙コップの上部を潰してフタをする
撮影:記助
紙コップの水がこぼれやすいのは、口が大きいからです。そこで、走りながら紙コップの上側を軽く潰し、口を小さくすると水がこぼれにくくなります。
最初は難しいですが、慣れると片手で紙コップを潰して飲みやすくすることもできます。
ストローを使って効率良く補給
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口が大きめのストローを携帯しておき、紙コップに入れると給水しやすくなります。というのも、紙コップの口は大きいため、飲むときにもこぼれてしまうからです。
また、飲むときに顔を上に傾けないとならないので、飲みにくさもあります。そこでストローを使えば、頭を傾けることなく快適に給水できます。
ただし、ランニングパンツにはポケットがないものもあるので、ストローを携帯するときは注意しましょう。
マイボトルを携帯するのもアリ!
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一般的なマラソン大会では、スペシャルドリンク入りのマイボトルを給水所に置くことはできないので、ボトルポーチを使ってスペシャルドリンクを携帯するのも良いでしょう。
レース終盤でボトルが空になったら、給水所で水を補充すれば自分の好きなときに給水できるようになるのでタイムロスも少なくて済みます。
ITEM
CAMELBAK DELANEY
●素材:合成繊維
●重量:230g
●サイズ:タテ20cmxヨコ54.5cmxマチ9cm
※ボトル付き
マラソンの給水対策を万全にしてベストパフォーマンスを狙おう!
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マラソンに向けた対策では、走る練習だけでなく給水の練習も大切です。上手に給水するコツを押さえれば給水時のタイムロスを抑えることができるでしょう。
つまり、マラソンで自己ベストを狙う上では給水の練習は必要不可欠です。マラソン対策として給水の練習も万全に行って、レースでベストパフォーマンスを狙いましょう。
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