ナイキの「エアマックス」で走っても大丈夫?ランニングシューズとしての機能性を検証します

革新的なデザインで登場したナイキのエアマックス、現在でもファッションアイテムとしても高い人気を誇り、カジュアルシューズとして愛用している方やコレクションをしている方も多いのではないでしょうか。デビュー当時はハイテクランニングシューズと言われたエアマックス、ランニングシューズとして履いても大丈夫なのでしょうか。今回はエアマックスのランニング性能を徹底検証します。

記事の目次

  • 当時、最新のハイテクランニングシューズとしてデビューしたエアマックス
  • エアマックスをランニングシューズとして見ると?
  • ランニングに向いたエアマックスはある?
  • ランニングを始めるならランニング専用シューズを

アイッキャッチ画像出典:Amazon

当時、最新のハイテクランニングシューズとしてデビューしたエアマックス

ナイキのエアマックスの初代モデル「エアマックス 1」は当時の最新技術を盛り込んだランニングシューズとして誕生しました。まずはその歴史を振り返ってみましょう。

ナイキ「エアマックス 1」は1987年に登場

ソール内部にエアバッグを内蔵することで衝撃を吸収するというナイキエアを搭載したシューズが登場したのは1970年代でした。画期的な技術でしたが、ランニングの際に重心がかかるとつぶれたエアバッグの逃げ場がなくなるという欠点がありました。

 

それを改良したのが1987年登場の「エアマックス 1」です。ミッドソールに「窓」を設けることで、荷重をかけた際にエアバッグを逃がすスペースを設けたのです。

 

純粋に機能から生まれたデザインですが、その斬新さから「ビジブルエア」と呼ばれ、「エアマックス 1」はランニングシューズというカテゴリーには収まらない大ヒットとなりました。

 

現在でもナイキは初代「エアマックス 1」のデザインを受け継いだモデルをラインナップしているほどです。

ITEM
ナイキ エアマックス 1 EOI
●素材:アッパー 合成皮革、合成繊維、ソール ゴム底
●重量:ー

エアマックスは毎年新作をリリースしているが…

大ヒットとなった「エアマックス 1」の成功を受けて、毎年のように新作がリリースされることになります。

特に1995年に発売された「エアマックス95」により日本でもブームが過熱し、「スニーカー狩り」といった犯罪が多発するなど、良くも悪くも社会現象にまでなったことはご存知でしょう。

 

デビュー時には高機能なランニングシューズだったはずのエアマックスが、いつの間にかストリートファッションに欠かせないアイテムへと変化していったのです。

ITEM
ナイキ エアマックス 95 ESSENTIAL【メンズ】
●素材:アッパー 天然皮革/合成繊維/合成皮革、 合成底
●重量:ー
ITEM
ナイキ エアマックス 95 ESSENTIAL【レディース】
●素材:アッパー 天然皮革/合成繊維/合成皮革、 合成底
●重量:ー

エアマックスをランニングシューズとして見ると?

現在も発売されているエアマックスシリーズ、ランニングシューズとしてみるとどうなのでしょうか。

ランニングシューズで重視される軽量性は?

ナイキ エアマックス1

出典:Amazon

ナイキではエア マックス 1を「エア マックス 1 EOI」として復刻しています。

デザインは基本的にデビュー当時のものを活かしていますが、注目は素材で、アッパーの要所には合成皮革が使われています。

 

最新のランニングシューズで使用されているエンジニアードメッシュという軽量な素材に比べて、合成皮革を使うと高級感はあるものの、重量面では不利です。

 

さらにエアマックスの特長でもあるエアバッグも通常のソールに比べてさまざまなパーツを使用することにより重くなってしまうのは避けられません。

 

現在、ビギナー向けのランニングシューズはメンズの26cmサイズで300g前後が主流となっているのに対し、エアマックスシリーズはモデルにもよりますが、おおむね400g以上となっています。

 

フルマラソンの場合、平均的なランナーの歩数はだいたい5万歩以上と言われているので、単純計算すれば両足に100g、合計200gのおもりをつけて5万回足を上下させることになります。

通常のランニングシューズに比べて負荷が高いことはおわかりいただけるのではないでしょうか。

通気性は?

エアマックス アッパー

出典:Amazon

ランニングシューズでは通気性も重要です。通気性が悪いと、特に長距離を走った時にシューズの中で足が蒸れることで、足マメができる原因にもなります。

 

最新のランニングシューズではアッパーを全面エンジニアードメッシュにして通気性を向上させていますが、エア マックス 1 EOではそういった合成皮革を使用していることからもわかるように、通気性に関する優先順位は高くありません。

エアマックスは「ライフスタイル」シューズ

ナイキ エアマックス95

出典:Amazon

ナイキは公式ウェブサイトでエアマックスを「ランニング」ではなく、「ライフスタイル」にカテゴライズしています。

 

また、「エアマックス 1 EOI」の解説でも、「ストリートに適したシューズ」とランニングシューズではないことを強調しています。

 

他のエアマックスシリーズの解説を見ても、「ランニングのDNA」(エアマックス95の解説より)とオリジナルがランニングシューズであることには触れていますが、ランニング用とは一言もうたわれていません。

ランニングに向いたエアマックスはある?

結論から言えば、現行のラインナップでランニング用のエアマックスは存在しません。一見、ランニングシューズに近いモデルに見えるヴェイパーマックスを例に見ていきましょう。

「ヴェイパーフライ」同様のアッパーを使用したヴェイパーマックス

ナイキ ヴェイパーマックス

出典:Amazon

革新的なランニングシューズとして有名な「ヴェイパーフライ」シリーズと同様にフライニットを使用した「ヴェイパーマックス」というモデルがシリーズ展開されています。アッパーの部分だけ見ると、エアマックス1 EOIとは異なり、ヴェイパーフライと差がないように思えます。

ITEM
ナイキ ヴェイパーマックス【メンズ】
●素材:アッパー フライニット、 合成底
●重量:ー
ITEM
ナイキ ヴェイパーマックス【レディース】
●素材:アッパー フライニット、 合成底
●重量:ー

ヴェイパーマックスのソールはグリップを重視していない

ヴェイパーマックス ソール

出典:Amazon

両者の最大の違いがソールの部分です。ヴェイパーフライはアウトソールにラバーを使用し、路面に力をしっかりと伝えるようになっています。

 

一方で、ヴェイパーマックスの方ですがラバーなどは使用されていません(画像参照)。

 

TPU(熱可塑性ポリウレタン」)を全面に使ったスケルトンのソールで非常にインパクトはありますが、ランニングシューズとして重要なグリップ性能を重視していないことがわかります。

 

ふわりとした履き心地は日常生活で使うには快適でも、ランニングで重要な路面に力を確実に伝える能力については、やや不足しています。

ランニングを始めるならランニング専用シューズを

ナイキ エアマックス1

 

出典:Amazon

エアマックスシリーズはファッション性の高いデザインと高機能を併せ持つシューズで世界的に人気があるのもわかります。

 

しかし、ディティールを見ていくと、ランニングシューズではなくカジュアルシューズと考えた方が良いでしょう。

 

お気に入りのデザインシューズで走りたい、と思う気持ちは理解できますが、ナイキにはランニング専用の優れたシューズが豊富に用意されています。

もし、長くランニングを続けたいのであればそちらをチョイスすることをおすすめします。

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紹介されたアイテム

ナイキ エアマックス 1 EOI
ナイキ エアマックス 95 ESSENT…
ナイキ エアマックス 95 ESSENT…
ナイキ ヴェイパーマックス【メンズ】
ナイキ ヴェイパーマックス【レディース】
   

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Morotsuka 51
Morotsuka 51

40歳を目前に陸上未経験で走り始めました。フルマラソンからウルトラマラソン、トレイルまでさまざまな大会にチャレンジしていますが、記録更新よりも楽しくいつまでも走り続けられるライフスタイルを目指しています。