2014年、突如誕生した新たなブランド「カロス」って?
カロスは2014年に誕生した非常に新しいブランドです。
後発ながら、ユーザー6万人を抱えるスポーツテックブランド
カロス(CAROS)は2014年に創立したまだまだ若いブランドです。ランニングウォッチといえばGPS機器から発展したガーミン、方位磁石から発展したスント、心拍計から発展したポラールなど、それぞれに特徴的な「出自」があります。
それに対しカロスですが、スタートアップ企業として2014年に最初に発表したプロダクトはなんと自転車用のヘルメットでした。その後に高性能なGPSウオッチをいきなりリリースして、一躍世界から注目を集めました。
欧米ではすでに愛好者が増えており、世界で6万人のユーザーがいるとされています。そのカロスの最新ランニングウォッチがカロスPACE2です。
マラソン世界記録保持者と日本記録保持者も使用
カロスは、まだ新しいブランドながら積極的にアスリートのサポートを行っています。特に注目はなんといってもマラソン世界記録保持者のエリウド・キプチョゲ選手でしょう。
さらに、日本選手としては初めて2時間5分の壁を突破した日本記録保持者の鈴木健吾選手(富士通)もカロスPACE2を使用しています。
日本ではクラウドファンディングで先行リリース
カロスPACE2は、日本ではクラウドファンディングを利用して先行リリースされました。当初の目標額500万円に対して最終的に集まったのは、なんと1909万1000円!カロスPACE2に対する期待の高さがうかがえますね。
カロス「PACE2」のここがすごい!
数多くリリースされているGPSランニングウォッチの中でカロスPACE2の強みはどこにあるのでしょうか。
圧倒的な軽さ
カロスPACE2は素材に繊維強化ポリマーを仕様することで重量はわずか29g(ナイロンバンド仕様:シリコンバンド仕様は35g)しかありません。一般的なGPS内蔵のランニングウォッチがだいたい40g前後なので10g以上軽いことになります。
GPSモードで30時間使用、そして高精度な位置情報システム
カロスPACE2はGPSモードで最大30時間使用できるタフさも話題となっています。しかもこれは光学式心拍センサーを使用した場合の結果です。これならウルトラマラソンやさらには24時間マラソンなどのハードな大会でもバッテリー切れの心配は無用です。
24時間走世界一のカミーユ・ヘロン選手が愛用しているのも納得ですね。
もちろん長時間使用できるだけでなく、3大衛星システム(GPS、GLONASS、日本のみちびき)を利用することで、正確な位置情報を取得することができます。
本格的なランニングパワー機能と独自のトラックランモードを搭載
「ランニングパワー」とは2016年に米国で提唱された概念で、簡単にいえばランニング中にどれぐらいの力を使っているかを計測するものですが、通常はフットポッドなどの外部センサーを別に用意する必要があります。
しかし、カロスPACE2ではこのセンサーを内蔵しているので、後付のフットポッドなどは不要です。本体わずか29gの中によくこれだけの機能を盛り込めたものだと驚かされます。
また、カロスPACE2には「トラックランモード」が搭載されています。これは400mトラックをストップウォッチと同レベルの正確さでラップタイムや走行距離を計測できる機能。これまでのGPSランニングウォッチではどうしても誤差が出てしまっていましたが、カロスは独自の技術で克服したのです。
ボタンは2つだけのシンプルな操作系、そしてリーズナブルなプライス
カロスPACE2は画面タッチ機能はなく、全ての操作を2つのボタンだけで行います。
右上のボタンはアップルウォッチのデジタルリューズと同じく、回転、プッシュでさまざまな機能に対応しています。基本的にはこの右上のボタンのプッシュと回転の組み合わせで機能の選択を行い、右下のボタンで前に戻る、というシンプルなロジックとなっています。
タッチ操作ができないのをデメリットと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、確実な操作という点では物理ボタンにメリットがあります。私自身、タッチパネル式のスマートウォッチでランニングをしていて、腕や袖などが当たってデータが取れていなかったという経験がありますが、カロスPACE2であればそんなミスはなくなりそうです。
そして何よりこれだけの機能を備えながら価格はアンダー3万円となる2万7390円(税込)なのも嬉しいですね。
ITEM
カロス Pace2
●サイズ:縦42mmx横42mmx厚み11.7mm
●稼働時間:約30時間(GPS)、約30日間(通常使用)
●重量:29g
カロスPACE2はランニング以外にも使える!
カロスPACE2はアプリと連携するなどによりランニング以外にも有効な機能を搭載しています。
筋トレにも有効
カロスPACE2はアプリと連携すればワークアウト中にセット数を識別して、心拍数と合わせて消費カロリーを自動解析する機能があります。このデータを参考にすればより効率的にトレーニングすることができるでしょう。
カロスPACE2で体調管理も万全
カロスPACE2装着していることを忘れそうな軽さなので、毎晩お休みの時につけていても気になりません。睡眠時の心拍数をモニタリングしてアプリと連動すれば体調管理に役立てることができます。
GPSを利用しないスマートウォッチモードでは最大20日間充電無しで使用可能なのでバッテリー切れの心配も不要です。
カロスPACE2のここが残念
ランニングウォッチとしてすぐれた性能を誇るカロスPACE2ですが、もちろんここはちょっと…という点もあります。
高級感は望めない
29gという驚異的な軽さを誇るPACE2ですが、軽量化のために使用した素材により正直高級感などは感じられません。
走っている時はいいけれど、普段、スーツを着ているときにはちょっと…と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
スマートウォッチとしての便利な機能はナシ
最近のランニングウォッチはスマートウォッチの影響もあって便利な機能の装備が進んでいますが、カロスPACE2は軽量性やランニングでの使用を優先させたためか、ランニングやトレーニング以外の機能についてはアラームや着信通知など最低限です。
交通系ICの使用やスマホのミュージックコントロール機能は搭載されておらずストイックな印象です。
カロスはトレラン用モデルもラインナップ!
オンロード用のPACE2以外にカロスではトレイルランニング用のスポーツウォッチをリリースしています。
冒険者のための「VERTIX GPS Adventure」
カロスが「アウトドア探検ウォッチ」と位置づけた「VERTIX GPS Adventure(バーティックス GPS アドベンチャー)」は、ダイアモンドガラスとチタン合金を使用した筐体からも普通の時計とは違った迫力を感じさせます。
日常稼働時間は約45日、GPS使用モードも約60時間を確保、さらに150m防水とあらゆるシチュエーションに対応するタフなモデルに仕上がっています。
ただし、重量が約75gと重めなのと、性能を考えればリーズナブルではあるもののやや高価なので、単純にランニングウォッチとして使うだけであればややオーバースペックな感は否めません。
ITEM
COROS VERTIX GPS Adventure
●サイズ:縦50.8mm x横47mmx 厚さ16.8mm
●重量:約75g
●稼働時間:約45日(日常使用)、約60時間(GPS)
ハイスペックなトレランモデル「COROS APEX Pro」
「APEX Pro(エイペックス プロ)」は、カロスのトレイルレース用モデルとされています。日常稼働時間は約30日、GPS使用モードで約40時間とVERTIXほどではないものの、ロングトレイルレースでも安心なロングバッテリー設計となっています。
重量も59gと比較的抑えられているので、トレイルからオンロードまで幅広く活躍しそうです。
ITEM
COROS APEX Pro
●サイズ:縦51.7mmx 横47mm x厚さ14.6mm
●重量:約59g
●稼働時間:約40時間(GPSモード)、約30日(日常使用)
カロスはアスリートモードの本格的なランニングウォッチ
ランニングウォッチの分野ではすでにガーミンやスント、ポラールなど強力なライバルが多数存在しますが、その中でもカロスPACE2はランニング機能に振り切った、アスリートファーストな製品といえます。
軽量性や稼働時間の長さで他メーカーから乗り換えを考えているけれど、これまでに蓄積したトレーニングや走行データを失いたくないという方もいらっしゃるでしょう。そんな方にはSTRAVA(ストラバ)などサードパーティのアプリを使えば簡単に移行できる、ということを最後に申し添えておきましょう。
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