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クロスカントリー走とは?
まずは、クロスカントリー走がどのようなものなのか見ていきましょう。
自然の中を走るトレーニングやレース
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『クロスカントリー走』とは、草原・森林・丘陵といった適度に起伏がある自然の中を走るトレーニングやレースのことです。舗装された道路と比較すると、地面が柔らかくアップダウンが激しいのが特徴です。
クロスカントリー用のコースであれば、ウッドチップなどが敷き詰められており、走りやすく整備されているこもあります。レースのクロスカントリーでは、丸太がコースに置かれており、障害物競争のような要素があります。
トレランとの違いはコースの内容
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クロスカントリー走はトレイルランニング(トレラン)とよく似ています。トレランの場合、ランニングのコースは基本的に山道であり、そこまで整備されていないことが多いです。
クロスカントリーの場合、走りやすいように整備されていることが多いでしょう。また、トレランはクロスカントリーよりもアップダウンが激しく、コースはさらにハードになっています。クロスカントリーはロードランナーにとっても導入がしやすいトレーニングと言えます。
クロスカントリー走を行う5つのメリット
クロスカントリー走は、長距離ランナーにとって有効なトレーニングの1つです。ここからは、クロスカントリー走を行うメリットを紹介します。
1. 心肺能力を強化できる
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クロスカントリーは平坦なロードよりも起伏が多くあるため、心肺系にかかる負担が大きいです。そのため、ロードと同じ時間・同じ距離を走った場合、クロスカントリー走の方が心配能力を強化できます。
しかし、初心者ランナーなどの心肺能力が低い人の場合は、慣れるまではきつく感じるでしょう。最初は無理なく走れるペースで慣らしていくのがおすすめです。
2. 接地時の衝撃が少ない
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クロスカントリーは舗装されたロードではなく、土・ウッドチップ・芝生といったコースを走ります。いずれのコースでもアスファルトよりも柔らかいため、接地時の衝撃を和らげられるます。
長い距離を走ったとしても、体にかかる衝撃や負担が少なくなるため怪我をしにくいです。普段から走る量が多く怪我を予防したい方や、体に違和感がある方に適しています。
3. 全身の筋力を鍛えられる
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クロスカントリー走はロードランニングと違い、起伏があるコースを走るので普段以上に全身の筋肉を使います。柔らかい地面であり不整地のコースを効率良く走るためには、全身を上手く使う必要があります。
また、クロスカントリーは地面を蹴ったときの跳ね返り(反発)を受けにくいため、自分の脚をしっかり動かして進まなければなりません。このように、クロスカントリーは走るだけで下半身を中心に、全身の筋力を鍛えられます。
4. ランニングフォームの改善に繋がる
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クロスカントリーは不整地を走るトレーニングです。専用のコースであれば整備されているものの、平らでない地面を走ります。不整地のランニングは平地よりもバランスを崩しやすいです。
そのため、クロスカントリー走をするときは無意識に体のバランスを取ろうとするとため、次第に体の軸が安定してきます。しばらくクロスカントリー走を行っていると、体のバランスが取れた良いランニングフォームに変わっていくでしょう。
5. 自然の中で気分転換できる
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クロスカントリーは自然の中で走るため、市街地で走るよりも解放感がありストレス解消になります。
普段から市街地で走っている方や公園などの周回コースで走ることが多い方は、たまにクロスカントリーで自然の中を走るとリラックスできたり気分転換になったりします。
クロスカントリー走の注意点
クロスカントリー走のメリットは多いですが、デメリットもあるので押さえておきましょう。ここからは、クロスカントリー走の注意点を紹介します。
練習場所が限られる
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自然公園のようなクロカンコースは身近には少ないでしょう。自然が豊かな地域でも安全に走れるコースや整備されているコースは限定されます。自宅の場所によっては、クロカンを走るために遠出しないとならない場合もあります。
整備されたクロスカントリーコースの近くに住んでいない限り、頻繁に練習するのは難しいでしょう。
舗装道路と違い反発力を受けにくい
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先程の通り、クロスカントリーは地面からの反発力を受けにくいのが特徴です。そのため、走りにくさを感じるだけでなく、ロードと同じようにクロスカントリーを走ってもタイムは悪くなってしまいます。
速く走るためのトレーニングではなく、体力・持久力をつけるためのトレーニングと考えることが大切です。
また、一生懸命走ってもタイムが悪くなりやすく、上手く走れないとフラストレーションも溜まります。そのため、最初は気楽にゆっくり走ることを心掛けましょう。
捻挫する危険性がある
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クロスカントリーのコースは自然が豊かです。芝生などの柔らかい道や、木の根っこなどが飛び出ているコースも中にはあります。そのため、バランスを崩したり、躓いたりして捻挫などの怪我に繋がりやすいの注意しましょう。
クロスカントリー走のバリエーションメニュー
クロスカントリー走はただ不整地を走るだけでなく、さまざまな走り方ができます。その走り方によって得られる効果が異なるので、目的に応じて練習を組み立てるようにしましょう。
ここからは、クロスカントリー走のバリエーションを紹介します。
LSD・距離走
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クロスカントリー走は心肺機能にかける負荷が大きく、地面からの反発も小さいため上手く走れません。そのため、速く走ろうとするとすぐにバテてしまいます。
最初は、クロカンコースをゆっくり長く走ることから始めましょう。ゆっくり長く走るLSDから始めて、慣れてきたら通常のジョグのペース、さらにスピードを上げて長い距離を走れるようにします。
走る時間・距離が伸びてくると、さらに心肺能力を強化できるでしょう。
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ペースランニング
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クロカンが周回コースであれば、一定のペースで走るペースランニングもおすすめです。距離走よりもペースを上げて、起伏をリズム良く走れば有酸素能力を効率良く高められるでしょう。
マラソンペースで走る場合は、8km~10kmほどの短い距離から始めます。
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インターバルトレーニング
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クロスカントリー走では、速いペースのランニングを一定の休息を挟みながら数本走るインターバルもおすすめです。ロードや平地と比較すると、体にかかる負担が大きく、トレーニング効果が高いです。
ただし、スピードは出にくいので、スピード強化には繋がりにくいのが注意点です。
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ヒルトレーニング
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クロカンコースの上りを活用して、坂ダッシュを行うヒルトレーニングも有効な練習です。スピードを高めるための筋力トレーニングの効果が高く、ダッシュ以外にも、上りをスキップやバウンディングで上るのもおすすめです。
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代表的なクロカンコースを紹介!
最後に、国内の代表的なクロカンコースをいくつか紹介します。
【東京】砧公園クロカンコース
砧公園クロカンコースは、東京の世田谷にある砧公園の自然の中を走れるコースです。そこまでアップダウンは激しくなく、誰でも走りやすいコースです。
・住所:東京都世田谷区砧公園1-1
・距離:約1.7km
・路面状況:地面のコースは幅が比較的狭い。アスファルトのコースがメインで誰でも走りやすい。
・高低差:9mほどでアップダウンは多い。
・近隣のランステ有無:なし
【千葉】生命の森リゾート ランニングコース
生命の森リゾート ランニングコースは、日本メディカルセンターに隣接しているクロカンコースです。スポーツジム・プール・温泉・室内トラック・屋外トラックなど施設が充実しています。
・住所:千葉県長生郡長柄町上野521-4
・距離:周回コース890m
・路面状況:ウッドチップ
・高低差:11m
・近隣のランステ有無:あり(メディカルトレーニングセンター)
【埼玉】埼玉県こども動物自然公園クロカンコース
埼玉県こども動物自然公園クロカンコースは、2019年にオープンした比較的新しい施設です。プロランナーの川内優輝選手が監修した本格的なコースであり、高低差もあるのでトレーニング効果が高いです。
・住所:埼玉県東松山市岩殿160-2
・距離:1830m
・路面状況:ウッドチップメイン
・高低差:37m
・近隣のランステ有無:あり(トイレ、シャワー、更衣室、コインロッカーあり)
【愛知】大高緑地公園
大高緑地公園はウッドチップの短いコースと、アスファルトの長いコースの2種類あります。長いコースは高低差が34mもあるので、しっかりとトレーニングできるでしょう。
・住所:愛知県名古屋市緑区大高町高山1-1
・距離:1.3km、3.7km
・路面状況:ウッドチップ、アスファルト
・高低差:34m
・近隣のランステ有無:あり(更衣室あり)
練習にクロスカントリーを取り入れてみよう!
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クロスカントリー走はトレーニング効果が高いため、近くにコースがある場合は積極的に取り組むのがおすすめです。ロードと比較すると最初は走りにくさを感じたり、地面が柔らかいので足を捻る可能性があるので注意しましょう。
クロカンで全身を鍛えてマラソンなどで自己ベストを狙ってみてください。
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