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クルーズインターバルとは?
クルーズインターバルは、マラソンランナーにピッタリのトレーニングです。まずはクルーズインターバルがどのような練習なのか紹介します。
閾値ペースで行うインターバルトレーニング
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クルーズインターバルとは、間に細かい休息を挟みながら、閾値ペースで5分~15分ほどの疾走を繰り返すトレーニングです。
閾値ペースとは「20分は継続して走れるペース」であり、それ以上ペースを上げると乳酸が急激に発生して、きつさが急激に増すペースです。
この閾値ペースを超えたスピードでのトレーニングは、乳酸が多く発生するため十分な休息を挟まないと長時間の運動は継続できません。
※閾値は有酸素運動と無酸素運動の境界点であり、閾値ペースを超えると無酸素運動の要素が多くなります。
▼閾値走について詳しく知りたい方は、こちらの記事をチェック!
通常のインターバル走よりもペースは遅く、休息は短い
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クルーズインターバルの特徴は、通常のインターバルトレーニングよりも少し遅いペースで行うことです。乳酸が急激に発生しないギリギリのペースであるため、その分インターバルトレーニングよりも疾走距離は長くなります。
ただし、ペースを抑えているので、十分に休息を入れてしまうとトレーニング効果が低くなってしまいます。ペースの速い通常のインターバルトレーニングよりも、休息時間が短いのも大きな特徴です。
クルーズインターバルの実施方法
5〜15分の疾走を何本か繰り返すクルーズインターバルですが、具体的にはどのようなメニューを組んだら良いでのしょうか。
「疾走時間:休息時間」=「5:1」
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クルーズインターバルでは、疾走時間と休息時間を5:1の割合に設定します。例えば、5分間の疾走に対して1分間の休息、10分間の疾走に対して2分間の休息を入れます。休息時は完全に立ち止まるのではなく、ジョグでつなぐようにしましょう。
「週間走行距離の10%以内」に収まる本数設定を
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1度のクルーズインターバルで走る総走行距離は、週間走行距離の10%が目安です。
例えば、毎日10km走る人であれば週間走行距離は70kmになるので、疾走距離の目安は7kmになります。
閾値ペース設定が4:30/kmで10分の疾走を行う場合、ジョグも含めて1回2.5kmほど走ることになるので、インターバル回数は2〜3回に設定するのが良いでしょう。
クルーズインターバルにはどんな効果がある?
クルーズインターバルはマラソンなどの長距離ランナーにとって、とても効果的なトレーニングです。ここからは、クルーズインターバルの効果を紹介します。
心肺能力が高まる
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クルーズインターバルは極めて無酸素運動に近い有酸素運動であり、心拍数が高い状態で長時間運動を継続するため、心肺能力を高める効果が高いです。例えば、ロングジョグやLSDなどと違い、心肺機能に短時間で大きな刺激を与えるので効率良くトレーニングできます。
ジョグや距離走だけではタイムが伸びないときは、クルーズインターバルなどの閾値ペースでのトレーニングがおすすめです。
脂質代謝が良くなる
閾値ペースでトレーニングをすると、体内にあるエネルギー源の中でも脂質を積極的にエネルギーとして使うようになります。
閾値を超えるペースだと脂質よりも糖質が優先して使われるようになるため、乳酸が発生して体が動かなくなったり、エネルギー切れを起こしやすくなったりします。
そのため、マラソンでは終盤でもしっかり走るために体内の糖質を節約して走る必要があります。クルーズインターバルで脂質代謝が高まると、マラソン後半でもバテにくくなります。
スピード持久力が高まる
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閾値ペースでのランニングを継続していると、閾値ペースがどんどん速くなっていきます。つまり、今までの閾値ペースよりも速いペースで走っても、楽に走れるようになります。
閾値ペースはマラソンペースよりも速くスピード持久力が高められるため、速いスピードにも対応しやすくなります。
クルーズインターバルは閾値走と何が違う?
クルーズインターバルは閾値走と同じペースで走るトレーニングです。ここからは、閾値走とクルーズインターバルにはどのような違いがあるのか紹介します。
連続した閾値走(テンポ走)よりも成功率が高い
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閾値走(テンポ走)は閾値ペースで20分~30分ほど連続で走るトレーニングです。しかし、閾値ペースのランニングは心肺的にきついものであり、連続したランニングではもともと心肺機能が高い人でないと最後まで走り切りにくいでしょう。
そこで、クルーズインターバルでは間に休息を挟むことで、最後まで走り切りやすくなります。テンポ走と同じ距離・時間の刺激を与えることができ、トレーニングを完遂しやすいのです。
休息を挟むことで総走行時間を伸ばせる
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クルーズインターバルでは休息を挟むことで、テンポ走よりも楽に走れます。結果としてクルーズインターバルの本数を増やしやすく、テンポ走よりも長い距離・時間を走ることができ、心肺機能をより効率良く高めることができます。
クルーズインターバルの注意点
クルーズインターバルのメリットは多いですが、デメリットもあります。ここからは、クルーズインターバルの注意点を紹介します。
体への負担が大きいので頻繁には行わない
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クルーズインターバルはいわゆる強度が高いポイント練習であり、体に大きな負担をかけてしまいます。そのため、毎日行うなどクルーズインターバルの頻度が多いと故障するリスクが高まります。
週に1回~2回程度実施し、他のトレーニングとバランス良く行うことが大切です。
スピード強化するには別のトレーニングも併用する
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閾値ペースはギリギリ有酸素運動の範囲のトレーニングであるため、マラソンペースよりは速いですが、最大スピードの強化には繋がりません。らない。
そのため、長い距離を楽に走ることはできても、速く走るための効果はそこまで高くないので注意が必要です。
スピードに課題がある方であれば、インターバルトレーニングや坂ダッシュなど、速く走るためのトレーニングを併用するようにしましょう。
ペースのアップダウンは起きないようにする
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クルーズインターバルで最も重要なのことは、設定ペースを守ることです。ランニングのペースが閾値ペースよりも遅ければ、閾値を高める効果が小さく、速ければ乳酸が発生してしまうので脂質代謝を高めるトレーニングになりません。
なるべく各本数の中でタイムが変動しないように、安定したペースで走ることが大切です。
徐々に本数や走る距離を多くする
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走力が高まってくると、閾値が高くなるため徐々に運動強度が小さくなってくるため、トレーニング効果が低くなってきます。
クルーズインターバルは5分間ほどのランニングを何回も走る練習です。最初は5分間のランニングを3本走るなど少ない本数から始めます。
レベルアップしてきて楽になってきたり週間走行距離が長くなってきたら、クルーズインターバルの疾走距離を長くしたり、本数を増やしたり刺激を与える時間を長くしましょう。
クルーズインターバルで本格的なマラソン練習をしよう!
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クルーズインターバルは閾値強度を高められるトレーニングであり、マラソンのタイムに大きく影響します。閾値強度が高くなれば、体内の糖質を節約しながらマラソンなどの長い距離を速いペースで走れるようになるでしょう。
連続した閾値走よりも休息を挟む分、実施しやすい本格的なマラソン練習です。クルーズインターバルで着実にステップアップしましょう。
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