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バウンディングとは?
バウンディングは体を鍛える効果が高いトレーニングの1つです。まずは、バウンディングがどのようなトレーニングなのか見ていきましょう。
ジャンプしながら進むトレーニング
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バウンディングとは、名前の通り「バウンド」するように連続したジャンプで前進するトレーニングです。イメージとしては、三段跳びのホップ・ステップ・ジャンプの「ホップ」と「ステップ」を繰り返し、前方へと進み続けます。
バウンディングを行うことで、主に下半身の筋力を鍛えることができ、瞬発力を養成する効果が高いです。
基本的には短距離・跳躍のトレーニング
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バウンディングは瞬発力を鍛えるトレーニングであるため、基本的には短距離・跳躍選手向けのトレーニングです。
しかし最近では、瞬発力を高める「プライオメトリクストレーニング」の1つとして注目されており、長距離ランナーや陸上競技以外のスポーツでも取り組まれることが増えています。
バウンディングにはどんな効果がある?
バウンディングは競技力を高める効果が期待できます。では、バウンディングには具体的にどのような効果があるのか紹介します。
スピードを強化できる
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バウンディングは下半身の筋力を強化し瞬発力を高められるため、ランニングにおける最大スピードが向上します。スプリンターであれば短い距離を走るタイムを縮められるでしょう。
ただし、バウンディングで下半身を鍛えるだけでなく、自身の筋力を最大限活用できるように、ランニングフォームも修正し続けることが必要です。
跳躍力(バネ)を強化できる
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バウンディングは代表的なジャンプ系トレーニングであり、跳躍力を鍛える効果も高いです。そのため、走り幅跳びや走り高跳びなど跳躍系の選手が取り組むことも多いです。
また、跳躍力(バネ)が強化されると、ストライドが伸びやすくなるため、ランニングの効率が改善され走力の向上にも繋がります。
効率の良いランニングフォームに近づく
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バウンディングは上半身と下半身の動きが上手く連動していないと効率良く行えません。そのため、上手くバウンディングができるようになると、ランニングフォームも全身が連動した動きになり、効率良い走りができるようになります。
上半身のバランスが良くなるだけでなく、腕振りなどの動作によって推進力が生まれやすくなるため、スピードを出しやすくなります。
長距離ランナーへのメリットとは?
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バウンディングは短距離や跳躍選手向けのトレーニングですが、現在ではスピードを強化するために、長距離選手でも取り組んでいる人は多いです。
長距離選手がバウンディングをすることで、ストライドが大きくなりスピードを出しやすいランニングフォームを獲得しやすくなります。
結果として、スピードの切り替えが上手くできるようになり、ラストスパートを発揮しやすくなるといった効果も期待できます。トラック競技に限らずロードレースでも、ラストの局面で失速するか、力を出し切れるかではタイムに大きな影響を及ぼします。ラストスパートに課題がある方は、バウンディングを行いスピードを切り替えるトレーニングを行うと良いでしょう。
バウンディングのやり方
バウンディングの基本的なやり方としては、以下の流れで実施します。
<基本的な流れ>
実施する距離・本数:・30~50mを3~5本
①助走
②踏切(ジャンプ)
③接地(着地と同時に反発)
④脚の切り替え
※③〜④の繰り返し
単純な繰り返し動作ですが、コツを掴むまでは上手くできないという方も多いかもしれません。
ここからは、バウンディングのやり方について、詳しく紹介していきます。
【助走〜踏切】加速して勢いよく踏み切る
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バウンディングでは、まず軽くダッシュして助走します。助走で加速した勢いを使って踏切を行い、跳躍力に変換することで長くジャンプを続けられます。跳躍選手などの上級者であれば助走なしでも高く長く跳べますが、効率良くバウンディングをするために助走するのが一般的です。
ただし、助走の距離が長すぎると疲れてしまい、バウンディングをする距離が短くなってしまうので注意しましょう。
【接地〜脚の切り替え】素早く左右の脚を切り替える
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助走の勢いでジャンプした後、振り上げた脚を勢いよく振り降ろして地面に力を伝え、反発させます。接地した足が地面から離れる瞬間に、素早く反対の脚を切り替えることで、次に踏み切る脚を高い位置に持ってくることができます。
この動きを30〜50mほど続けます。休憩を挟んで3~5本繰り返してみましょう。
初心者でもうまくいく!バウンディングのコツ
ここからは、今までバウンディングをやったことがない方のために、意識するべきポイント(コツ)を紹介します。
なるべく高く跳ぶように意識する
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バウンディングは、前進するパワーを身に付けるトレーニングであるため、本来無駄な上下動は起きないようにします。そのため、できるだけ頭の位置を変えないようにしますが、初心者にとっては非常に難易度が高いです。
バウンディングに慣れていない方は、まず高くジャンプをして連続して跳べるようにしましょう。高くジャンプするためには、以下のポイントを意識するのがポイントです。
・重心の真下で接地するようにする
・接地した瞬間に膝が曲がらないようにする
下半身だけでなく上半身も使う
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バウンディングをするときは下半身だけでなく、上半身も上手く使う必要があります。なるべく腕を大きく振って反動をつけることで、全身のバランスを取りながら大きなジャンプを行えます。
前脚の膝は90度に曲げる
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地面へ十分に力を伝えるためには、脚(膝)を高い位置に持ってくる必要があります。脚を高く上げる必要があるだけでなく、地面に力を伝えられるように、前脚の膝は90度に曲げます。
前脚の膝を90度に曲げておけば、あとは振り下ろすだけで力を無駄なく地面に伝えられます。
フラットに接地する感覚を養う
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バウンディングをするときは、高くジャンプする必要があります。そのためには、地面からの反発力を十分に得ることが大切です。反発力を得るためには、足の裏全体(フラット)に接地し、踏み切るときは母指球に力を込めると高く跳びやすくなります。
この感覚を養うために、まずは両脚跳びのジャンプを行うのがおすすめです。その場で膝をなるべく曲げないようにして、できるだけ高く跳ぶトレーニングです。
フラットに接地し地面からの反発を上手に受けられると「パンっ」という音が響くのが特徴です。また、腕を大きく振り反動をつけて高く跳ぶようにしましょう。
初めは少ない歩数でリズムを掴む
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バウンディングは慣れないと難易度が高い動作であるため、いきなり長く続けようとしても難しいです。初心者の方であれば、最初は2〜3歩ほどの少ない歩数で取り組み、バウンディングのリズムを掴むのがおすすめです。
助走をつけて2~3歩バウンディングをし、勢いがなくなったらまた助走をして、バウンディングをする、という流れを繰り返すと短期間でバウンディングに慣れていきます。
バウンディングをするときの注意点
バウンディングは体を鍛えるメリットが多いですが、デメリットもあります。ここからは、バウンディングをするときの注意点を紹介します。
腰の位置が落ちないようにする
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バウンディングで接地時に膝が曲がり過ぎてしまうと、腰の位置が下がってしまいます。そうなると、地面に力を伝えられずジャンプが低くなってしまうだけでなく、膝・腰への衝撃が大きくなってしまいます。
この衝撃が蓄積すると怪我に繋がってしまうため、正確で確実にできるように本数を減らすなど調整が必要です。
体への負担が大きいのでやり過ぎないようにする
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正しくバウンディングを行っても、体には大きな衝撃がかかるため下半身を鍛える効果が高いですが、その分ダメージも体に蓄積してしまいます。
そのため、怪我をしないためにも週に1~2回程度に留めるようにしましょう。
【長距離ランナー向け】バウンディングのアレンジメニュー
長距離ランナーの場合、ジョグなどの練習にバウンディングを挟むといったトレーニングが有効です。ここからは、長距離ランナー向けのトレーニング例を紹介します。
ジョグの中にバウンディングを挟む
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ゆっくりのペースで長い距離のジョグをしていると、腰が落ちたフォームになりやすいため注意が必要です。腰が落ちたフォームになるとスピードを出にくくなるだけでなく、腰や膝にかかる負担も大きくなってしまいます。
そこで、ジョグの途中で短い距離のバウンディングを挟むことで、腰の位置が高くなり腰高のフォームになりやすくなります。
ただし、ジョグのペースが速い場合、バウンディングをする余裕がなくなってしまうので、慣れるまではゆっくりペースのジョグのときに実施すると良いでしょう。
坂をバウンディングで上る
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脚力・筋力・下半身の強化を行いたい方は、ジョグのコースの中の上り坂でバウンディングします。バウンディングでリズミカルに坂を上ることで、下半身強化に繋がります。
最初は下半身の負担が大きく、筋肉痛になりやすいため無理のない範囲で実施しましょう。
筋トレとしてヒルバウンディングをする
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本格的に下半身を鍛えたい場合、筋トレの代わりに上り坂でバウンディングをするのがおすすめです。筋肉の疲労がない状態で行うのがポイントで、その分高く・長く正確に行いましょう。
ヒルバウンディングを継続して行っていると、下半身が強化されインターバルなどのスピードトレーニングのタイムが改善されやすくなります。
バウンディングをトレーニングに取り入れてみよう!
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バウンディングをすることで短距離・跳躍の選手だけでなく、長距離ランナーも競技力を高める効果があります。スピードが出ない、上り坂が苦手という下半身の筋力不足が課題の方に適したトレーニングです。
ランニングの効率を良くするために、課題を感じている方は是非やってみてください。
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