ランニングの要は「腹筋」!? その理由やトレーニング方法をご紹介

ランニングに腹筋は必要ないという人がいます。しかし、これは半分あっていて半分は間違っています。なぜならランニングにおいて「使える腹筋」は、とても重要になるからです。どうして腹筋がランニングにおいて必要になるのか、そしてランニングで使える腹筋をつくるためにはどのようなトレーニングをすれば良いのか、ランニングと腹筋トレーニングの順番なども紹介します。

記事の目次

  • どうしてランニングに腹筋が必要?
  • 腹筋を鍛えるトレーニング3選
  • ランニング中に意識したいポイント
  • ランニングも腹筋トレーニングも楽しく挑もう!

どうしてランニングに腹筋が必要?

どうしてランニングに腹筋が必要?

出典:PIXTA

腹筋は鍛えすぎると体幹まわりが硬くなって、体の運動性が悪くなってしまうことがあります。とくにランニングにおいて骨盤と肩甲骨がうまく連動しなくなると、腕振りの推進力を活かすことができません。さらにパワーロスが生まれエネルギーを無駄に消費することになってしまいます。実は、これが「ランニングに腹筋は必要ない」と言われる所以なのです。

 

しかし、腹筋のコア(深層部)にある横隔筋、骨盤底筋群、腹横筋、多裂筋からなるインナーマッスルは、ランニングの正しいフォームづくりには欠かすことのできない筋肉です。さらにインナーマッスルは背骨を安定させる働きがあるため、姿勢の改善、 腰痛や肩こりの予防改善、そしてランニング時のパフォーマンス向上といった効果が期待できます。

 

つまり、ランニングにはカチカチの腹筋は必要ありませんが、適度な柔軟性をもたせた腹筋が必要です。

体幹部を鍛えて足への負担を軽減

体幹部を鍛えて足への負担を軽減

出典:PIXTA

腹筋を中心とした体幹部の筋肉はとくに下りの坂道を走る時に重要な役割を果たすため、適度に強化していくことが必要です。下りを走る時は骨盤を後傾させ、臀筋とハムストリングスを使ってブレーキをかけていきますが、この時、腹筋が弱いと上半身がブレて臀筋とハムストリングスをうまく使うことができず、ヒザなどの下肢部に大きな負担をかけることになるのです。

腹筋を中心とした体幹部を鍛えることで足への負担を軽減できるため、ケガの予防にもつながります。

腹筋を鍛えるトレーニング3選

腹筋を鍛えるトレーニング3選

出典:PIXTA

ランニング中にパワーロスを生じさせない適度な柔軟性を持たせた腹筋を目指すなら、腹筋のコアにあるインナーマッスルを鍛えるトレーニングが最適です。ランニングで使える腹筋をつくるトレーニング方法を紹介していきます。腹筋を鍛える筋トレは、できればランニングの前に行うのが理想的です。

体幹トレーニング

体幹トレーニングは腹筋のコアにあるインナーマッスルを鍛えるトレーニング方法です。 インナーマッスルを鍛えるためには呼吸法が重要になってきますので、ドローインとプランクの2つの体幹トレーニングで腹筋周りを効果的に鍛えていきましょう。

 

■ドローイン

ドローイン

出典:PIXTA

ドローインは体幹の安定に重要な役割をもつ腹横筋を鍛える基本の呼吸法です。この呼吸法ができていないと体幹トレーニングの効果が出ないので、腹横筋にしっかりと効いている感覚が掴めるまで繰り返し練習をすることが大切です。

<トレーニング方法>

1.床に仰向けに寝て、膝を直角に立ててリラックスした状態を作ります。足は骨盤幅に開いて、膝とつま先はまっすぐに揃えておきましょう。

2.この状態から、お腹を凹ましながら息を細く長く最後まで吐き出します。

3.腹直筋でお腹を押し下げないように、腰の反りは自然にして息を吐ききることに集中しましょう。

4.ドローインを5~6回繰り返し、腹横筋に効いている感覚を掴みましょう。

 

■プランク

プランク

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プランクは代表的な体幹トレーニングのひとつで、ドローインの後に行うことで腹直筋に頼らない正しいトレーニングができます。

<トレーニング方法>

1.プランクの準備姿勢をとります。頭は体のラインに合わせて上げ過ぎず下げ過ぎず、肘は肩幅に、足は骨盤幅に開いた状態からスタートします。

2.体を一枚の板にするつもりで膝を上げ、体のラインを一直線に保ちます。お尻の位置が上がりすぎていたり落ちすぎていたりしないよう正しい姿勢を意識しましょう。

3.呼吸は止めずに、息をゆっくり吐きながら腹横筋に効いている感覚を意識します。

4.時間の目安は無理なく続けられる範囲で行い、最終的には1分間を目標にしましょう。

プランクに慣れてきたら腹斜筋に効くサイドプランクにも挑戦してみましょう。体幹部を支える腹斜筋を鍛えることで、ブレないランニングフォームをつくることができます。

ワイドスクワット

ワイドスクワット

出典:PIXTA

ワイドスクワットは太ももの内側にある内転筋群を鍛えることができるトレーニング方法です。「腹筋と関係ないじゃないのか」という声が聞こえてきそうですが、実は内転筋群は腹筋のインナーマッスルと深い関係がある筋肉なのです。
文京学院大学の研究グループが行った理学療法に関する研究によると、股関節の運動を実施すると骨盤底筋の収縮が活発になり、体幹の安定性が向上することが分かっているのです。(参照:股関節内外転運動と側腹筋の関連性

 

つまり、ワイドスクワットで内転筋群を鍛えることで、腹筋のインナーマッスルがより強化されるということです。また、ワイドスクワットは蹴り出しから着地までの足の軸ブレを予防するうえで重要な役割を担っているハムストリングスも鍛えることもできるので、ランニングの筋トレとしてもおすすめです。

<トレーニング方法>

1.足を外側に大きく開き、つま先を外側に向けます。腕は胸の前で組むか、前方に伸ばします。

2.相撲の四股を踏むようにゆっくりと腰を下ろします。この時、内股にならないように注意しましょう。

3.背筋が床と垂直になるように真っ直ぐに伸ばし、膝の裏側が床と水平になるまで腰を下ろしたら、ゆっくりと元の姿勢に戻します。

4.15回×3セットを目安に行います。

腹筋ローラー

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腹筋ローラーは腹筋を中心とした体幹部を総合的に鍛えられる筋トレ器具です。腹筋ローラーは腹直筋や外腹斜筋といったアウターマッスルを鍛える器具だと思っている人も多いと思いますが、やり方次第で腹筋のインナーマッスルに効かせることが可能です。ポイントは腹式呼吸を意識しながら低負荷で行うことです。

<トレーニング方法>

1.床に四つん這いになり両手でグリップを握ります。

2.膝を床につけたままローラーを前方に押していき、体が倒れきらない限界まで進んだらローラーを手前に戻します。

3.この時、腹式呼吸で押す時は息を吸い、引き戻す時は息を吐くように意識しましょう。

4.10回×3セットを目安に行います。

ITEM
腹筋ローラー アブホイール 超静音エクササイズローラー
・サイズ:グリップ幅30×ホイール直径15cm
・重さ:520g
・耐荷重:200KG

ランニング中に意識したいポイント

ランニング中に意識したいポイント

出典:PIXTA

腹筋が弱いとランナーにとって重要な呼吸とフォームに悪影響が出る可能性があります。ランニング中に意識したいポイントを見てみましょう。

腹式呼吸

高い心肺機能を必要とされるランナーにとって呼吸はとても重要なポイントです。正しい呼吸を意識するだけで走りの質がグンと高まるからです。 腹式呼吸は肺に酸素を多く取り込むことができ呼吸が楽になるため、ランニング時の呼吸法としておすすめです。

ところが、腹式呼吸は横隔膜を使うため腹筋のインナーマッスルが弱いと息が十分に吸えなくなってしまいます。走りの質を向上させるためにも、呼吸に大きく関わる腹筋周りの筋肉はしっかりと鍛えておく必要があるでしょう。

腰高のフォーム

ランニング中は体がブレないように腰高のフォームを意識するようにしましょう。そのためには骨盤の位置がポイントになってきます。

 

まず骨盤が前傾しすぎていると足が後ろに流れてしまうため、しっかりと地面を捉えることができません。逆に後傾しすぎていると脚が上がらないため走るのがキツくなってしまいます。
しっかりと脚が上がって地面を捉えられる骨盤の位置は、腰が反った状態とだらんと背中を丸めた状態のちょうど中間あたりです。腹筋に力が入って体幹が安定している状態なら自然と骨盤がいい位置にくるはずです。

ランニングも腹筋トレーニングも楽しく挑もう!

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ランニングにおいて腹筋が重要になる理由や、ランニングで使える腹筋をつくるためのトレーニング方法をご紹介してきました。もし、フォームが安定しない、すぐに呼吸が苦しくなると感じているのなら、それは腹筋が弱いことが原因かもしれません。もっと楽に走れるように、腹筋まわりのトレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか。

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