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ヤッソ800って何?
「ヤッソ800」という練習を知っていますか? 実は今、マラソンランナーの間で密かに人気になっているトレーニングの一つなのです。元々は、アメリカのランニング雑誌「ランナーズワールド」の編集者であるバート・ヤッソ氏が取り組んでいた練習であることから、この名前が付けられました。比較的新しいトレーニングですが、現在では多くの市民ランナーが取り入れています。
マラソンの目標タイムを設定して実力を測ろう
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ヤッソ800は、800m×10本のインターバル走で、リカバリーは400mのジョグでつなぎます。
走るペースは、フルマラソンの目標タイムを元に、次の方程式で設定します。
〈ヤッソ800の方程式〉
フルマラソン「○時間▲分」= 800m「○分▲秒」×10本
(リカバリーの400mも、800mと同じタイムでつなぎます)。
「方程式と言われると、なんだか難しい…」と思うかもしれませんが、中身はとっても簡単です。
例えば、マラソンの目標が3時間30分であれば、800mは3分30秒で走ります(リカバリーの400mも3分30秒でつなぐ)。これを10セット行うことができれば、目標タイムでマラソンを完走するための指標になると言われています。
ヤッソ800は目安のひとつ!他のトレーニングも組み合わせよう
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ヤッソ800はあくまでも指標です。達成できた場合でも、必ずしもマラソンを目標タイムで完成できるわけではないので注意してください。
筆者は以前に、ヤッソ800と似たようなインターバル練習を実施していました。このときのペースは800mで2分30秒でしたが、マラソンを2時間30分で走れる自信はありません。なぜなら、この頃の私は、1500mや5000mなどの中距離に特化した練習をしており、ロングジョグでも20km以上を走ることはほとんどなかったからです。
フルマラソンで結果を出す為には、長距離に対応した練習が必要です。ヤッソ800だけでなく、LSDや距離走(ロング走)など、持久系のトレーニングも組み合わせるようにしましょう。おすすめの練習メニューはこの記事の後半で紹介します。
どんな効果があるの?ヤッソ800の3つのメリット
ヤッソ800は、マラソン完走タイムの指標として注目されることが多いのですが、実はトレーニングとしてもたくさんの効果があります。自分のステップアップを確かめながら練習を行うことができるので、定期的に実施するのがおすすめです。では、具体的な効果を見ていきましょう。
呼吸循環器系能力の向上
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ヤッソ800は、800mを10本、つなぎの400mを9本走るので、合計すると11,600m。つまり、12kmほどの距離を走ることになります。
レース本番よりも速いペースで長時間走る練習は、呼吸循環器系の能力を養うのに適しています。時間にすると1時間以上かかるので、なかなかきついトレーニングです。
これにより、最大酸素摂取量が向上し、全身持久力を高めることができるのです。
筋肉の代謝能力の向上
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800m走は、乳酸が発生しやすい種目です。ペースを抑えていても、本数を重ねるごとに、体内に乳酸が蓄積されていきます。
ヤッソ800のようなインターバルトレーニングを継続して行うと、蓄積した乳酸を分解してエネルギーを取り出す能力(筋肉の代謝能力)が少しずつ向上していきます。
乳酸に強い肉体を手に入れれば、マラソン後半の失速対策になるでしょう。
ランニングエコノミーの向上(フォーム改善)
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ヤッソ800は、レース本番よりも速いペースで走ります。速いペースのランニングを行うと「動き」が改善され、フォームが良くなる効果があります。特に、ヤッソ800では、これを繰り返し続けることになるので、正しいフォームが体に自然と馴染んでいきます。
フォームが良くなれば「ランニングエコノミー」が向上します。ランニングエコノミーとは、無駄なエネルギーを使わず、効率的に走ることを意味します。つまり、今までと同じペースで走った場合でも、より効率的に走れるようになるのです。
▼ランニングエコノミーの向上について詳しく知りたい方には、こちらの記事もおすすめ!
押さえておきたい!ヤッソ800を実施するときの注意点
ここまでヤッソ800のたくさんのメリットを紹介してきましたが、注意しなければいけないポイントもあります。トレーニングに取り組む前に、しっかり押さえておきましょう。
ある一定以上のレベルでないと指標にならない
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ヤッソ800は、目標タイムによって、負荷が大きく変わります。人によっては正しい指標にならない場合もあります。
例えば、マラソンで2時間30分を目標とする場合、800mを2分30秒で10本走るのはかなり負荷が大きい練習になります。しかし、6時間目標の場合は、800mを6分、1kmあたり7分30秒のペースなので、物足りなく感じる人もいるかもしれません。ヤッソ800を指標として目安にできるのは、目標タイムが3時間30分以内と言われることも多いです。
また一方で、最近走り始めたばかりの初心者の方やインターバルトレーニングに慣れていない人は、マラソンの自己ベストと同等のペース設定でも、きつく感じてしまうこともあるかもしれません。トレーニングを始めたばかりの方は、最初はマラソンタイムの指標としては考えず、能力向上トレーニングの一つとして、ヤッソ800に取り組んでみましょう。
負荷が大きいため練習前後のケアが重要
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トレーニングとして行うヤッソ800は負荷が大きいため、頻繁に行うとケガの原因になります。
また、練習を開始する前はウォーミングアップを十分に行って、体を温めてから取り組むことも大切です。
負荷が大きいトレーニングの後はクーリングダウンのジョグを長く取ったり、入念にストレッチをしたりして、体をしっかりケアしましょう。回復を早めるために、プロテインなどでしっかりと栄養を補給することも大切です。
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DNS プロテインホエイ100
●内容量:1050g
●タンパク質含有量:1食(35g)あたり25.3g
ヤッソ800と一緒に取り組もう!おすすめの練習メニューを紹介
ヤッソ800はとても効果的なトレーニングですが、これだけでマラソンの目標タイムを達成できるわけではありません。そこで、ヤッソ800と組み合わせることで効果が期待できるマラソンのトレーニングを紹介します。
長距離のベース作り!「LSD(ロングスローディスタンス)」
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LSD(ロングスローディスタンス)は、長い距離をゆっくり走り続けるトレーニングです。距離よりも時間を意識し、まずは60分以上走ってみましょう。慣れてきたら90〜180分くらい走ることを目指します。
意識するのは、会話ができるくらい「ゆっくり」走ること。1kmあたり7〜8分くらいのペースが目安です。
負荷が小さいので、初心者でも取り組みやすい練習です。長い時間走ることで、マラソンを完走できるベースの体力をつけていきましょう。
スピードアップとフォーム改善!「ショートインターバル」
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ランニングフォームの改善やスピード強化を行うときは、200m×10本など、短い距離のインターバルトレーニングがおすすめです。レースよりも速いペースで走ることで、動きが良くなり、自然と効率が良いフォームが身につきます。
また、スピードを強化することによって、レース中のペース変化に対応しやすくなり、ラストスパートのキレも上がります。
▼インターバルトレーニングについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
自分の限界を底上げ!「クルーズインターバル」
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クルーズインターバルは、1600m~3200mほどの距離で行うインターバルトレーニングです。
ランニングのペースを上げていくと、あるペースを超えてから急にきつくなり、これ以上走り続けられない、というポイントがあります。このポイントは「閾値(いきち・しきいち)」と言われています。
クルーズインターバルは、この閾値手前のギリギリのペースで、1600mを5本ほど走るトレーニングです。本数は、合計時間が20〜30分におさまるように設定し、リカバリーは1〜3分を目安にとってください。
この練習を取り入れると、マラソンに必要な体力を効率的に養うことができます。効果は高いですが、きついペースで走るので覚悟して行ってください。
▼閾値やクルーズインターバルのやり方について詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめ!
ヤッソ800を有効活用してマラソンに備えよう!
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ヤッソ800はある程度実力がついたときの「力試し」として最適です。また、トレーニングとしての効果も期待できるので、ぜひ定期的に取り組んでみましょう。ただし、負荷は大きいトレーニングなので、練習前後のケアは入念に。ヤッソ800をうまく活用してレース本番に備えましょう!
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