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ビルドアップ走とは?
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ビルドアップ走はランニングの練習方法の一つで、段階的にペースを上げながら最後まで走り切るトレーニングです。最初はゆっくりとしたペースで走り始め、徐々にスピードを上げていきながら、終盤で最も速いペースに達します。
フルマラソンにおいて、終盤でもペースを落とさずに完走する為には、ビルドアップ走を練習に取り入れることが有効です。レース後半での失速対策となり、タイムアップにつながります。
走力アップにつながる2つの効果とは?デメリットも解説
ビルドアップ走によって「スタミナの向上」と「スピードアップ」の2つ効果が期待できます。ただし、練習中に意識しておかなければいけないデメリットにも注意が必要です。ここでは、ビルドアップ走の効果とデメリットについて詳しく紹介します。
スタミナの向上
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段階的にペースを上げていく走りによって、心肺機能を高めることができます。また、速いスピードで筋肉に負荷をかけることにより、筋持久力を高めることにもつながります。
ビルドアップ走によって、マラソンに必要なスタミナを効率的に向上させ、レース後半での粘り強さを養うことができます。
スピードアップ
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普段の練習や目標とするペースよりも速いスピードで走ることになるので、スピードアップのトレーニングになります。
後半に向けてスピードを上げていくことになるので、スピードを維持して走り続ける力も身につきます。
体への負担が大きいことに要注意
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終盤では全力に近いスピードで走る必要がある為、体への負担は大きくなります。最初はジョギングペースでスタートするので、ウォーミングアップも兼ねることができますが、終了後にはストレッチなどで体のケアを十分に行ってください。
また、ビルドアップ走の翌日は休息を入れたり、30分ジョグなどの低負荷トレーニングを組んだりして、練習強度や頻度をコントロールするといいでしょう。
ビルドアップ走とペース走はどう違う?
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段階的にスピードを上げていくビルドアップ走に対し、ペース走は一定のスピードを維持して走り続けるトレーニングです。2つともスタミナとスピード両方の強化につながるという点は共通しています。
しかし、ペース走は速いスピードを維持して長距離を走る為、体への負担はビルドアップ走以上に高くなります。ペース走は本番でのペース感覚を体に覚えさせることにもつながるので、レースに向けて体を完成させる為の練習として取り入れるといいでしょう。
まずは、ビルドアップ走でスタミナとスピードを底上げした上で、目標ペースを維持して走り切る力を身に付ける練習として、ペース走を取り入れるのがおすすめです。
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目標タイム別に練習を組んでみよう
10km走のペースの組み立て方
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ビルドアップ走を実施する場合の距離の目安としては、10〜15kmが基本となります。10km走を行う場合のペースの組み方を、下記の表にまとめました。
■10kmビルドアップ走のペース配分表
目標タイム |
区間 |
①4km |
②4km |
③2km |
サブ3 |
4分35秒/km |
4分15秒/km |
3分55秒/km |
サブ3.5 |
5分18秒/km |
4分58秒/km |
4分38秒/km |
サブ4 |
6分01秒/km |
5分41秒/km |
5分21秒/km |
作成:RUN HACK編集部
マラソンの目標タイム別(サブ4、サブ3.5、サブ3)にペースを設定しています。10kmを①4km、②4km、③2kmの3つの区間に分け、それぞれのペースを記載しました。②がマラソンの目標ペースで、①と③はそれぞれ②から20秒差で設定しています。
ただし、上記のペースはあくまで目安です。実際に練習を行ってみて「息が上がり過ぎていないか」「終了後に余力が残っていないか」など、自分の体の状態をよく確認して、ペース設定の調整をしてみましょう。
目的に合わせて距離をアレンジしてみよう
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ビルドアップ走では、走る距離によって、重点的に強化できる効果が変わってきます。例えば、5kmのような短い距離で行う場合にはスピードアップ、20kmで行う場合にはスタミナ向上の効果が高まります。自分の目的に合わせて、練習の距離を設定するといいでしょう。
ペース配分は、10km走で実践した目安表がそのまま応用できます。5kmで行う場合には、①2km、②2km、③1kmの区間に分け、同様のペース配分で実施してみてください。
ペース配分で注意したいこと
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ビルドアップ走を行うときは「体の調子に合わせて自然とペースが上がっていく」というイメージを意識してください。無理をしないとスピードが上がらないと感じるのであれば、ペース設定を見直す必要があるかもしれません。
その場合は、目標タイムから設定するのではなく、心拍数の推移で設定するのもおすすめです。例えば、最初は心拍数150くらいでスタートし、中盤で心拍数160〜170、ラストは180まで追い込んで終了するというイメージです。心拍数を目安にすることで、自分の走力に合わせた練習を組むことができます。
心拍数の把握にはランニングウォッチの活用がおすすめです。最近では、手首から計測できるものが増えているので、より簡単に心拍数を把握できるようになっています。
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ビルドアップ走を取り入れてタイムアップを!
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マラソン大会でタイムを縮める為には、ただ走行距離を伸ばすだけでなく、ペースをコントロールする練習を取り入れることが重要です。ビルドアップ走によって、速く長く走り続ける力を身につけることは、タイムアップに大きな効果があります。自分の目標に合わせてペースを設定し、無理のない範囲で練習メニューに取り入れてみましょう。