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もうひとつのTOKYOらしい風景を、走ろう
撮影:PONCHO
東京の風景。
そう言われて思い浮かべるのは、まず高層ビルが建ち並ぶ都心の繁華街でしょう。また東京スカイツリーあたりのアジアを感じる雑然とした街並が残る下町も、らしい風景と思えます。
しかし東京は意外な程に大きくて、多様です。
西部の武蔵野、多摩地域、そして深い山間の奥多摩、さらに行政上、伊豆七島や1000キロ以上も離れた小笠原諸島といった離島も、東京です。
撮影:PONCHO
今回『TOKYO旅ラン』と題して、ランニングコースを紹介するのは、多くの人が見過ごしてしまっている、またはひょっとすると気が付いていないかもと感じる東京の風景を走るコースです。
目指すのは、東京湾。
東に開けた川幅の広い荒川沿いを、やさしい日の出の光を浴びて南下。周囲に高い建物やビルはなく、あるのは広い空とキラキラとした水辺。運搬船が行き交い、遠くにはタンカーが浮かぶ同じ海には水鳥の姿。そして上空をジェット機が通り過ぎて行く、東京のイメージとは少し違う、”もうひとつのTOKYOらしい風景”です。
では、そのランニングコースへと、走り出しましょう!
スタート地点は新木場駅!でもどんなところ?
撮影:PONCHO
東京都の東部に位置する江東区。その南部の埋め立て地にあるのが新木場です。
そしてJR京葉線・東京メトロ有楽町線、東京臨海高速鉄道の3線が通る『新木場』駅が、今回のスタート地点。
駅の北側には首都高速・湾岸線が通り上下線ともに新木場ICがあり、駅周辺にはコインパーキングもあるので、電車、クルマともにアクセスのよい場所です。
撮影:PONCHO
新木場駅の南側、若洲エリアは、倉庫や工場が建ち並び物流拠点にもなっています。
だからなのでしょう。朝6時に到着した時点で、すでにたくさんの倉庫、工場関係者と思しき人々の姿がありました。
また首都高速・湾岸線から若洲エリアを通りゲートブリッジと続く新木場若洲線と呼ぶ道路には、早朝から多くのトラック、自動車が通っています。
撮影:PONCHO
駅下にはファミリーマート、ローソンの他、コメダ珈琲等の飲食店もあります。
また駅の南側の道路を荒川方面へと進むと、右手に24時間営業の立ち食いそば『ゆで太郎』、左手に『ローソン』もあります。
ランニングの際の補給飲食には、いつ来ても問題ないでしょう!
4つの公園の遊歩道、サイクリングコースを繋いだ約13キロのコース
今回のコースは、新木場駅から新木場緑道公園、わかす橋を渡って若洲海浜公園、若洲公園を繋ぎました。そして復路では、新木場緑道公園からJR京葉線、首都高・湾岸線の橋下をくぐり、夢の島緑道公園に入って、新木場駅へと戻りました。
取材時には、若洲海浜公園をグルッとまわって周回コースのようにしましたが、新木場若洲線はクルマの往来が激しいので、復路も往路と同じコース、若洲公園で折り返し、東京湾、荒川沿いの静かなコースを走った方が、はるかに気持ちがよいので、オススメです。
ちなみに、上のマップのコースだと、距離は12.83キロでした。
もう少し走りたい場合は、夢の島緑道公園から西側の辰巳の森緑道公園を繋いで新木場駅に戻れば、約15キロになります。
トレインブリッジに入る場所が、わかりにくいポイント
撮影:PONCHO
スタートは、新木場駅南口。駅に面した道路を駅を背にして左折、荒川方面へと向かいます。新木場若洲線との交差点の横断歩道を渡って右折、若洲海浜公園方面へ南下。
南下したら、次の信号の手前、左手に上の写真のジャングルジムのようなオブジェ”エントランスキューブ”を見つけたら、その裏手に入ります。すると右側に上がる歩道橋があります。この歩道橋を渡ると、荒川沿いの新木場緑道公園に行けます。
今回のコースで一番迷いそうなポイントがココです。
新木場緑道公園から、わかす橋を渡って若洲海浜公園へ
撮影:PONCHO
あれ!?と思うポイントが新木場緑道公園から若洲海浜公園への入り方です。
新木場緑道公園を一番南まで進むと、コースが右に折れます。その先に、新木場若洲線の道路のわかす橋があり、その歩道を通って渡ります。
撮影:PONCHO
わかす橋を渡りきると、左手に若洲海浜公園の大きな看板や、若洲ゴルフリンクスの看板があり、そこに門があります。この門は、開閉時間が決まっていて閉まっていることもあります。
でも、心配ありません。次の信号までそのまま直進すると、若洲海浜公園の遊歩道へと入る歩行者用の入口があるので、そこから公園内に入ってください。
このランニングコースは、ビューポイントの宝庫でした!
もうひとつのTOKYOらしい風景。
こんな景色が東京にもあったのね!と驚くようなビューポイントが、このコースには点在しています。
それらをひとつひとつ走りながら、見て行きましょう!
①進めばわかる、トレインブリッジという名前の理由
撮影:PONCHO
エントランスキューブの背後から荒川の土手の緑道まで続く陸橋が、トレインブリッジ。
建物の間を縫って、東へと向かうその道は、朝、陽光に照らされると、ちょっと幻想的な感じに変化します。
撮影:PONCHO
橋の路面には、電車内をモチーフにしたイラストが描かれ、その先頭には運転席のイラストもあります。
なるほどだから、トレインブリッジと呼ぶのかと納得していると・・・・・・
撮影:PONCHO
橋の欄干の隙間から見えた光景は、東京メトロの車両基地です。
残念ながら、取材時に地下鉄が出入りすることはなかったのですが、車両基地を真上から見ているだけでも、鉄道ファンでなくても、かなり気分が上がりました。
こういう風景、あまり見たことがありません。
撮影:PONCHO
ちなみに欄干が高いので見にくいのですが、北側には車両基地の向こうにスカイツリーも、チラ見えしています。展望台から上の方だけ、チラっとですが。
②東京ディズニーリゾートの向こう側から上がる、日の出
撮影:PONCHO
トレインブリッジを渡った先は、新木場緑道公園です。
幅の広い荒川河口沿いのコースで、対岸が観覧車がランドマークとなっている葛西臨海公園。そしてその向こうに東京ディズニーリゾート。さらにその先に、上がったばかりの太陽が迎えてくれました。
これから夏至に向かう季節には、シンデレラ城の向こう越しに上がる日の出の姿を見られるかも、なんて楽しい風景が浮かんできます。
撮影:PONCHO
新木場緑道公園に入ってすぐの場所が、パノラマテラスという展望地。
ココには家族みんなで楽しめる双眼鏡が設置されていて、東京ディズニーリゾートを眺めるようです。
なんだか心が和む光景です。
撮影:PONCHO
新木場緑道公園のコースは、とにかくまっすぐ。左手に荒川の広い空間があり、陽光を浴びて走ってみれば、気分がどんどん高まっていきます。
③改めてじっくり見ると、橋ってワクワクします
撮影:PONCHO
気分が高まるといえば、荒川に掛けられた橋も、街につくられたオブジェのように思えて、ワクワクします。中央のアーチはJR京葉線の橋梁です。
撮影:PONCHO
上の写真は、復路で新木場緑道公園から夢の島緑道公園に入る手前、JR京葉線、首都高・湾岸線、国道357号の橋の下の連なりです。橋に興味のない人からしたら、ただの鉄骨なんだろうと思います。
でも、大きな構造物が好きな私は、走ることをやめて、しばらく見ていたくなる光景なんです。いや、実際、ココでしばらく撮影しながら、見入ってしまいました・・・・・・。
④このイスはなんだ?
撮影:PONCHO
さて、海へ向かって真っ直ぐの道を進んでいると、右手にオブジェらしきものを発見。
コレはなんだと座ってみると・・・・・・
撮影:PONCHO
東京ヘリポート!
消防庁の航空センターもあって、この日は消防車もヘリポート内を走行していました。ここには警視庁の航空隊の飛行センターもあるので、パトカーも走ることがありそうです。
地下鉄に続いて、ヘリコプター、そして消防車と、乗り物好き、そして子供には、最高に楽しいランニングコース。家族でランニングしながら、乗り物を見学する休日なんていうのも、絶対ありです!!
撮影:PONCHO
東京ヘリポート見学広場の先に見えてきたのは、いかりデッキ。大きないかりのオブジェとともに、海を見渡せる突端部分には、操舵輪もあります。
撮影:PONCHO
だから、思わず撮ってしまいました。
太陽を勢いよく昇らせるイメージで、操舵輪をグイッと回してみました。
⑤地球ゴマのような展望台
撮影:PONCHO
わかす橋を渡り、若洲海浜公園に入って、再び荒川沿いへ向かいます。
そこで見えてくるのが、地球ゴマのような形をした展望台です。その展望台のすぐ近くに、穴の開けられたオブジェがあり、その穴を覗くとちょうどよく展望台が見えたので、パシャリ。
⑥東京湾まで、まっすぐの道
撮影:PONCHO
ゴルフ場に面した若洲海浜公園のコースは、さらに展望も開け、東京湾までまっすぐ続いています。
撮影:PONCHO
土手の上にはサイクリングコース。植樹の間の縫うように走る小径です。自転車が少なければ、こちらの方が少し高い位置にあるので、見晴らしがいいです。
ちなみにこの若洲海浜公園のサイクリングコースは、東京オリンピックのトライアスロン競技のバイクの公式練習会場に指定されていて、今年5月7日から9月30日まで使用できないようです。その期間は、ひとつ上の写真の土手下のコースを走れば、問題ないと思いますが、定かではありません。
撮影:PONCHO
見晴らしがいいので、海に向かって漕ぐブランコもありました。
はい、間違いなく気持ちがいいです。子供でなくても、思わず漕ぎたくなる気持ち、わかります。
クライマックスは、ゲートブリッジと広い空!
撮影:PONCHO
さぁ、いよいよ東京湾まで来ました。
ここまで約5キロ。寄り道ばかりしていたので、1時間以上も掛けてしまいました。
キレイなイメージのない東京湾ですが、朝の海は、それが東京湾であっても美しい時間が流れています。
遠くから街の喧騒が聞こえてきますが、心は静かになっています。そして広い海と空に包まれてみれば、日常のアレコレを忘れさせてくれます。
東京にも、こんなゆったりとした時間を感じさせてくれる場所があるんです。
そんなことを思っていたところで現われたのが、ドーン!!
撮影:PONCHO
東京ゲートブリッジです!
この橋は、よく恐竜に例えられますが、確かにどこかイキモノを感じる造形です。橋の上を走って行くクルマは、せっせとエサを運ぶアリの行列のようにも見えます。
そんな都会人の忙しなさをよそに、のんびり走ります。
撮影:PONCHO
ランニングコースはゲートブリッジの下もくぐります。
この角度から見ると、さらにイキモノ感が増します。遠くからは、直線に見えていた橋も、こうして下から見上げてみれば、かなりウネウネとしているのがわかります。
見方を変えれば、見え方、印象も変わることを学びます。
西の空が澄んだ日なら、この先に富士山も見えるようです。
またこの日は朝でしたが、夕方、サンセット・ランなら、さらに素敵な風景を見られそうです。
同じ場所でも、時間を変えれば、まるで違う風景があります。だから旅は、いつでもワクワクします。
ランニングをしているからこそ見える風景
撮影:PONCHO
東京の風景は、緑が少なく、ビルばかり。空も狭くて、雑然としている。
そんなイメージがある中で、今回、東京湾の広がりを目指して走った新木場、若洲エリア。そこにあったのは、広々とした空間に浮かぶ、いくつもの人工物の美しさでした。
空や川、海といった自然を背景にしたいくつもの橋、そしてオブジェ。それらは、これまでに確かに見たことのある風景でしたが、ランニングという身体を見つめる作業しながら見ることで、心がすっきりと開いたのでしょう。また違った風景に見えてくるのが、新鮮で、不思議でした。
もうひとつのTOKYOらしい風景。
それはランニングをして見るからこそ現われる、感じられる風景なのかも!なんて思える『TOKYO旅ラン』でした。
今回使用したアイテムはコレ!
撮影:PONCHO
パーゴワークス/ラッシュ12 ¥15,400(税込み)
最後は、TOKYO旅ランで使用したアイテムの紹介です。
今回はアウトドア、そしてトレイルランニングシーンで、多くのファンを持つ『パーゴワークス』。ランニングパックを多くラインナップしているのですが、使用「ラッシュ12」は、通勤ランからトレイルの等距離レースまで、オールラウンドに使えるモデルです。
撮影:PONCHO
ショルダーベルトはベストタイプになっていて、大小4つのポケットを装備。大ポケットは500mlのペットボトルやソフトフラスコを収納できるサイズで、水分補給をランニング途中にできるポイントがあるか心配な時に便利です。
またポケットはストレッチ素材でできているので、スマホも収納しても揺れることなく、不案内な場所を走る際には、アプリの音声案内を聞きながら進めます。
大容量、なのに背負い心地は軽いんです!
撮影:PONCHO
なにより「ラッシュ12」のよい点は、フィット感の極上さです。
ロッカー等がないコースで着替えや補給食を背負って走るときでも、荷物を背中にぴったりとフィットさせて走れるので、ストレスがありません。
今回も着替えのロングパンツ、ロングTシャツ、ダウンジャケット、ウィンドジャケット、タオル、500mlソフトフラスコ×2個、補給食等を収納して走りましたが、それだけの荷物を背負っている重さを感じさせず、足取りは軽いままでした。
撮影:PONCHO
そのフィット感、軽さの秘密は、ショルダーベルトとパック本体下部をつなぐストラップです。これをグイッと引くことで、身体を前後で挟むようにパックが固定され、スピードを出して走っても、ブレません。ちなみに今回使用したラッシュ12は旧モデルのため、ストラップの配置が新モデルでは変更されていますが、ブレにくさは変わりません。
撮影:PONCHO
ロードをメインで走るランナーは、パックを背負って走ることに慣れていない人が多いかもしれません。自宅近くのランニングコースや皇居ランと違い、旅ランでは、こうしたランニングパックを用意しておくと、水がない、エネルギー切れ、風が吹いてきて身体が冷えた・・・等々のアクシデントに対応できるので便利です。是非~~~!
パーゴワークス/ラッシュ12の詳細はこちら
ITEM
パーゴワークス ラッシュ12
容量:12ℓ
重量:310g
カラー:ミッドナイトグレー、スカイグレー、他1色
さて、次回はどこを走ろうかな? それでは!