アイキャッチ画像出典:PIXTA
クロストレーニングって何?
出典:PIXTA
クロストレーニングとは、専門種目以外のトレーニング(スポーツ)を取り入れることです。
例えば、ランナーの方や陸上競技の選手であれば、『走る』トレーニング以外に、自転車や水泳など他のスポーツをトレーニングとして行うことがクロストレーニングになります。
クロストレーニングでは取り組むスポーツの数には制限がなく、複数のトレーニングを行っているトップアスリートもいます。
このクロストレーニングは近年、さまざまなジャンルのスポーツで取り組まれていて、主にシーズンオフのときなどに専門種目以外の競技を練習として行うことが増えてきています。
クロストレーニングで得られる4つのメリット
クロストレーニングはメリットが多くあります。ここからはランナーが行うクロストレーニングのメリットを解説していきます。
心肺能力を強化できる
出典:PIXTA
ランナーが行う主なクロストレーニングの種目は、自転車や水泳などの有酸素運動であることが多いです。このような有酸素運動であれば、走らなくても心肺能力を強化できます。
脚の痛みなどでランニングができない場合に、このような有酸素運動を行えば脚の負担を抑えてトレーニングできるでしょう。
例えば、水泳などでは水の浮力があり、ランニング時のように地面から受ける衝撃が少ないので、高強度なインターバルトレーニングなどの心肺トレーニングも行えます。
他にも、ランニングよりも体の筋肉のダメージが少ない自転車であれば、ランニングと同じ心拍数(強度)で長くトレーニングできるでしょう。普段よりも長い時間、心肺機能に刺激を入れることで、高いトレーニング効果が期待できます。
筋力を強化できる
出典:PIXTA
クロストレーニングでは普段のランニングであまり使わない筋肉を使います。同じ動き・スポーツばかりをやっていると、体の筋肉の発達がアンバランスになり怪我をしやすくなったり、ベストパフォーマンスを発揮しにくくなったりします。
トレーニングの原則には『全面性の原則』というものがあり、全身の筋肉をバランスよく鍛えることで、筋力がより向上します。つまり、クロストレーニングで全身の筋肉をバランス良く鍛えることで、パフォーマンスを発揮しやすくなるのです。
怪我予防に繋がる
出典:PIXTA
走り過ぎによる故障は、特定の部位に負荷が集中することで発生することが多いです。例えば、ランニングをしていると膝・すね・腰・足の裏などを痛めやすいでしょう。
このような故障の原因は、地面から受ける衝撃や筋肉にかかる負荷が一点集中してしまい、やがて大きなダメージとして痛みます。クロストレーニングであれば、トレーニングをしながら負荷がかかる部位を分散できるので、怪我予防に繋がります。
また、先程の全面性の原則から、全身の筋肉が鍛えられることで強靭な肉体に変わり、怪我をしにくい体にもなります。
疲労回復・リフレッシュ効果がある
出典:PIXTA
1つのトレーニング(スポーツ)をずっと行っていると、動きや行動が単調になりやすく、疲労が特定の部位に溜まりやすくなります。
また、同じような練習が続くとメンタルにも悪影響を与え、モチベーションが上がりにくくなる(マンネリ化してしまう)ことが多いです。
そこで、違うスポーツ・トレーニングをすることで、凝っていた筋肉の血行が良くなって疲れが取れやすくなったり、心もリフレッシュできたりします。
ランニングと相性が良いトレーニング・スポーツは?
クロストレーニングのメリットを把握したら、実際にトレーニングを行ってみましょう。ここからは、クロストレーニングとしてランナーが実践するのにおすすめなスポーツやトレーニング方法を紹介します。
自転車
出典:PIXTA
自転車(サイクリング)はマラソンランナーの定番のクロストレーニングです。主にロードバイクやエアロバイクを使い、ランニングと同様に長時間自転車をこぎ続けます。
脚が地面に触れないので衝撃による負担を軽減しつつ、ランニングと同様に有酸素運動を行えるので、故障時の心肺トレーニングに最適でしょう。
自転車はランニングと近い有酸素運動のため、ランニングのポイント練習(高強度トレーニング)も行えます。
例えば、ランニングのLSDのように比較的楽なペースで長時間走ったり、インターバル走のようにペースを上げた走行と休憩を繰り返したりすることで、心肺機能に良い刺激を与えられます。
他にも、最大心拍数の85~90%程度の強度で、10分走り5分休憩するLT走もおすすめです。
水泳
出典:PIXTA
水泳も有酸素運動なので、自転車と同様に長時間泳ぐことで心肺能力を強化できます。
水による浮力によって、地面から受ける負担を軽減できるので、足や腰が痛む・違和感がある方にピッタリでしょう。慣れるまでは大変ですが、慣れると普段走っている時間と同じ時間を泳ぐこともできるようになります。
心肺機能を強化したい方であれば、できるだけ長く連続して泳ぐと良いでしょう。
もし泳げない方であれば、ランニングと同じ時間プールウォーキングをしてみるのも、全身と心肺機能に刺激が入るので効果があります。
自転車のときと同様に、ランニング時の心拍数を参考に、LSDのようにゆっくり長く継続して泳いでみたり、インターバルのように速いペースと休息を交互にやってみると良いでしょう。
登山
出典:PIXTA
季節が限定されてしまいますが、春~秋までであれば登山も効果的なトレーニングになります。全身の筋肉を鍛えることができ、高地であれば酸素が薄いため心肺能力の向上にも繋がります。
トレーニングというよりも、気分をリラックスさせる息抜きとして登山をするのがおすすめです。
ヨガ
出典:PIXTA
怪我をしているときだけでなく普段からも気軽に行えるのが「ヨガ」です。
ヨガを積極的にすることで、体の柔軟性が高くなりランニング動作に関する体の可動域が広がることで、怪我予防やパフォーマンスアップの効果が期待できます。
ランニングと違って疲労が溜まりにくいトレーニングであり、心身共にリラックスできるのでメリットが多いです。
サッカー
出典:PIXTA
心身ともにリフレッシュするならサッカーもおすすめです。ゲーム中は走り回るのでランニングと同様に心肺機能に刺激が入ります。ランニングと違い直線的な動きではなく、多面的な動きになるため、普段ランニングで使わない筋肉を鍛えられるでしょう。
ただし、サッカーは団体競技なので参加するハードルが高いのが難点ではありますが、クロストレーニングを行っている期間でクラブ活動やサークル、イベントなどでサッカーをする機会があれば、積極的に参加してみると良いでしょう。
クロストレーニングを行うときの注意点
出典:PIXTA
クロストレーニングの最大の注意点は、実施したスポーツ・トレーニングが原因で怪我をしてしまうリスクがあることです。
例えば、自転車や登山であれば転倒して怪我をしたり、サッカーであれば接触によって怪我をしたりする可能性もあります。
普段とは違う動きになるので、始めからハードな動きをすると筋肉を痛めることにもなりかねません。最初は気分をリフレッシュさせることを目的に、楽しむことを重視し、徐々に他の種目の動きに慣れるようにしましょう。
また、普段使わない筋肉を急に動かすと痛めたり硬くなったりすることもあるので、練習前後のストレッチなども入念に行うことが大切です。フォームローラーなどを使えば効率良く筋肉をほぐせるでしょう。
ITEM
トリガーポイントグリッド フォームローラー
●サイズ:直径14cm、長さ33cm
●重量:604g
●カラー:ブラック/オレンジ/カモフラージュ/ブルーカモフラージュ/ピンク/ライム
クロストレーニングを行ってレベルアップを図ろう!
出典:PIXTA
クロストレーニングはメリットが多く、ランナーに適しているトレーニングです。
普段のランニングのトレーニングのように「走る」能力を直接高めるわけではありません。しかし、全身の筋力・持久力が向上したり怪我予防に繋がったりするので、結果としてランニングのパフォーマンスを高めることに繋がるでしょう。
ただし、接触などそのスポーツ特有の怪我をするリスクがあるので、レース直前などのシーズンは注意が必要です。クロストレーニングの注意点をよく理解して、レベルアップを図ってみてください。