「ターサーエッジ」はアシックスの伝統を受け継ぐスピードモデル!RPとの違いも解説

ASICS(アシックス)の「TARTHE(ターサー)」といえば、1983年の登場から常にトップアスリートに愛されてきた伝統のランニングシューズです。日本人の足に合わせた設計で、市民ランナー憧れの最高峰のランニングシューズとして君臨してきました。しかし、ここ数年、ナイキに代表される厚底シューズの勢いに押され気味だったことも事実です。そんな中で誕生したターサーのニューモデル「TARTHEREDGE(ターサーエッジ)」は、その状況を跳ね返してしまう可能性を秘めたシューズに進化したと言われています。今回はターサーエッジについて詳しく解説していきます。

記事の目次

  • 伝統のターサーから進化した「ターサーエッジ」とは?
  • ターサーは市民ランナーの憧れ!どんな歴史があるの?
  • ターサーRPとの違いは?
  • 日本人の足と走りに合わせて進化するターサー

アイキャッチ画像出典:facebook/asics

伝統のターサーから進化した「ターサーエッジ」とは?

ASICS(アシックス)のTARTHER(ターサー)は履きこなすのには相応のスピードや脚力が必要とされ、市民ランナーの憧れの存在でしたが、ここ最近はナイキの厚底シューズの登場でやや存在感が薄れていたのも事実です。そんな中登場したTARTHEREDGE(ターサーエッジ)はどんな進化を遂げたのでしょうか。

エネルギーロスを防ぎながら高いグリップ性能を実現

ターサー ソール部分

出典:amazon

ランニングシューズには高いグリップ性能が求められます。しかし、グリップ力が高いとそれだけ路面との摩擦によるエネルギーロスも大きくなるのでやみくもに高くすれば良い、というものではありません。

 

ターサーエッジではソールに使用した「DUOSOLE(デュオソール)」のデザインを工夫することで対応しています。具体的にはセンター部分は後ろから前に力がかかるように、アウター部分は前から後ろに力が流れるようなデザインとすることで、エネルギーロスの防止と高いグリップ性能という、相反する問題に最適解を導き出しました。

クッション性を強化

ターサーエッジ サイド部分

出典:amazon

 

これまでのターサーと異なり、ターサーエッジは土踏まずの部分の外側がフラットに仕上げられています。これにより着地の際のクッション性を強化することで足への負担を減らす効果を得ています。

 

着地の衝撃が抑えられるので、今までターサーを履いていたがフルマラソンの後半で失速、あと一歩でサブ3を逃している、という方には朗報かもしれません。

伝統の足入れの良さを受け継ぐ

ターサーエッジ 足入れしやすい

出典:amazon

アシックスにはラスト(靴型)専門のチームがあります。そこでは、時代ごとに人間の足の形は変わっていくことから、たえずランナーの足形をとって分析しているそうです。ちなみに、アシックスによれば最近の日本人の足はだんだん細くなる傾向があるようです。

 

ターサーを愛用している方であれば、おろしたての新しいシューズであってもすっとなじむ足入れのよさを実感しているのではないでしょうか。

 

ところで、靴型を「ラスト(LAST)」と呼ぶ理由を御存知ですか。靴の良し悪しは、最終的には靴型で決まる、ということから「LAST」と呼ばれるようになったそうです。アシックスがラストを大事にしているのも納得ですね。

サブ3.5を達成し、サブ3を目指すランナーにおすすめ

アシックス 速いランナー達のイメージ

ターサーシリーズには、サブ3ランナーが大会で履くシューズというイメージがありました。ターサーエッジにおいてもそれは変わらないのですが、これまでのモデルよりもクッション性を高めたことから、これまでのモデルよりも間口が広くなった印象があります。

 

具体的にはサブ3.5を達成、これからサブ3にチャレンジしたい、と考えているランナーにもおすすめできるモデルといえるでしょう。

ターサーは市民ランナーの憧れ!どんな歴史があるの?

ターサーはランニングシューズの中でも、長い歴史と伝統があるブランドです。

ターサーの誕生は1983年、実は厚底シューズだった?

ターサー 伝統のシューズ

ターサーがデビューしたのは1983年、すでに40年近い歴史があるシューズです。「サブ3ランナー御用達」というイメージからすると意外かもしれませんが、当時の主流だった薄いソールの長距離用シューズよりも厚めのミッドソールを採用していたので、現在の厚底シューズが登場した時のようなインパクトがあったのではないでしょうか。

 

ちなみに、ターサーとは「タイガーレーサー」の略です。ターサーエッジにもしっかり「虎走」のロゴがシューレースのところに付けられていますね。

トップアスリートのトレーニングシューズとして愛用されてきたターサー

ターサー アシックス

ターサーは私たち市民ランナーにとってはレース用の勝負シューズ的な位置づけですが、日本記録を狙うようなトップアスリートからはトレーニング用のシューズとして愛されてきました。

 

ナイキの厚底シューズが登場して状況はかなり変わりましたが、以前はターサーを普段のトレーニング用に使い、本番はより薄いソーティなどを使用するパターンが定番だったのです。

 

2021年4月3日に行われた東京陸競ミドルディスタンス・チャレンジで男子800mに出場した川内優輝選手がシューズの厚底規定で失格になってしまうハプニングがありました。この時に川内選手が履いていたのはターサーだったようです。ニュースなどでは「厚底シューズで失格」との見出しが出ていたので、アシックス・メタスピードのような厚底シューズと誤解した方も多いのではないでしょうか。

 

おそらく本番用のソーティと間違えて、普段練習で使用しているターサーを持ってきてしまったと思われます。トップアスリートの練習用として愛されてきたターサーならではの、そして川内選手らしい(?)珍事かもしれませんね。

ターサーRPとの違いは?

「進化する定番」のターサーシリーズですが、ターサーエッジに加えてターサーRPというモデルもラインナップされています。

いずれもサブ3レベルの日本人ランナーをターゲットとしたこの2つのシューズ、違いはどこにあるのでしょうか。

反発力を重視したターサーRP

ターサーRP ソール

出典:amazon

加速力を重視したターサーエッジに対し、ターサーRPは反発力を重視したとされています。

 

特にそれが現れているのが前足部です。つま先部分には「ASICSGRIP」が搭載され、高いグリップ力を確保しています。このため、地面を離れる最後の瞬間まで、足の力を路面に伝え続けます。

クッション性ではターサーエッジ

ターサーエッジ クッション

出典:amazon

ターサーエッジとターサーRPの違いははサイドから見た時がもっともわかりやすいでしょう。

 

ターサーエッジは衝撃吸収性を高めるためにここがフラットになっていますが、ターサーRPでは反発力を重視し、高剛性のトラスティックを採用し、アーチ形状となっています。

ITEM
アシックス ターサーエッジ 2【メンズ】
●素材:〔アッパー〕合成繊維・人工皮革、〔ソール〕合成底・ゴム底
●重量:185g(26.5cm)
●サイズ:24.5〜30.0cm

高校生の息子の練習用に購入
とても良いそうです

ITEM
アシックス ターサーエッジ 2【レディース】
●素材:〔アッパー〕合成繊維・人工皮革、〔ソール〕合成底・ゴム底
●重量:約166g(24.0cm実測値)
●サイズ:22.5〜26.0cm

軽量さではターサーRP

ターサーエッジが片足で約185gなのに対し、ターサーRPは175gとより軽量に仕上がっています(ともにメンズ26.5cmの数値)。

 

全体的にターサーRPの方がよりレーシーな仕上がりで、これまでのターサーシリーズに近いイメージといえるでしょう。

ITEM
アシックス ターサー RP【メンズ】
●素材:アッパー 合成繊維・人工皮革、 ソール 合成底・ゴム底
●重量:180g(26.5cm)
●サイズ:24.5〜30.0cm
ITEM
アシックス ターサーRP【レディース】
●素材:〔アッパー〕合成繊維・人工皮革、〔ソール〕合成底・ゴム底
●重量:170g(26.5cm)
●サイズ:22.5〜26.0cm

日本人の足と走りに合わせて進化するターサー

ターサー 競技場を走る ランナー

特にこの10年ほどの間に、ランニングシューズのトレンドは目まぐるしく変化してきました。「BORN TO RUN」の影響で裸足感覚のシューズが流行ったかと思えば、現在はナイキの厚底シューズが市場を席巻しているのは皆さまご存知のとおりです。

 

そんな中にあってターサーは一見すると「変わらない」ようにみえます。もちろん、日本人の足に合わせて常に進化を続けているのですが、開発のコンセプトにブレがないことがその理由でしょう。

 

これからも、ターサーはターサーを履くランナーに誇りと自信を与えてくれるシューズであり続けるのに違いありません。

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アシックス ターサーエッジ 2【レディー…
サイトを見る
アシックス ターサー RP【メンズ】
アシックス ターサーRP【レディース】
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Morotsuka 51
Morotsuka 51

40歳を目前に陸上未経験で走り始めました。フルマラソンからウルトラマラソン、トレイルまでさまざまな大会にチャレンジしていますが、記録更新よりも楽しくいつまでも走り続けられるライフスタイルを目指しています。