ナイキのランニングシューズは厚底だけ?
ナイキのランニングシューズといえば厚底、というイメージの方も多いかもしれません。では、ナイキに薄底タイプのシューズはないのでしょうか?
現在のナイキの主流は厚底シューズ!
現在、ナイキのレーシングシューズは厚底シューズが主流になっており、薄底シューズのニューモデルはほとんど出ていません。
厚底&カーボン搭載シューズを履いた選手によって世界記録や日本記録が塗り替えられていることはもちろんですが、多くの方がマラソンの自己ベストを更新し、良いパフォーマンスを発揮していることが大きな要因といえるでしょう。
「ヴェイパーフライ」以前は薄底が主流だった
厚底シューズが増え始めたのは、2017年5月にナイキが実施したマラソン2時間切りチャレンジの「Breaking2」以降です。
それ以前は、ナイキに限らず他メーカーも薄底シューズが主流であり、多くのランナーが使用していました。その理由は、厚底シューズは重さがあり、反発力も薄底より弱くなるためです。
しかし、厚底でも軽量で反発力のあるシューズの開発が進み、チャレンジで使用された『ヴェイパーフライエリート』と『ヴェイパーフライ4%』でその有用性が証明されたことで、厚底ブームが始まったのです。
主流は厚底になりましたが、現在でも薄底モデルは一部継続されています。また、ルールの改正によりトラックレースでは厚底シューズが使えなくなったため、長距離用スパイクについては、現在でも薄底の新たなモデルが開発されています。
薄底シューズを履くメリットとは?
現在では多くの方が厚底シューズを履いていますが、薄底シューズには薄底のメリットがあります。自分に合ったシューズを選択するためにも、厚底だけでなく薄底のメリットも把握しておきましょう。
まずは、薄底シューズを履くメリットを紹介します。
軽量で快適に走れる
作成:記助
現在の厚底シューズは以前よりも軽量化が進んでいますが、それでも薄底の軽さにはかないません。
厚底のレーシングシューズは150g~200g前後であることが多いですが、薄底の場合は100g~150gのものが中心です。
軽量なシューズだと足を上げる動作の効率が良く足の回転が軽快です。
シューズの重さが気にならないので、思いっ切りスピードを上げて走りたいときに適しています。
自然な接地感で地面に力を伝えやすい
撮影:記助
薄底は地面と実際の足の高低差がないため、自然な接地感で走れます。そのため、厚底シューズの高低差が気になり違和感がある場合は、薄底シューズの方が走りやすく感じるでしょう。
また、地面に自分の力を伝え、地面から受ける反発のレスポンスが早く、反発力を最大限推進力に変えられるのでスピードを出しやすいのも特徴です。
脚を鍛えられる
出典:PIXTA
薄底シューズは厚底シューズのようにカーボンプレートや高性能なミッドソールによる恩恵があるわけではなく、自分の力でしっかり走る必要があります。
そのため、厚底レーシングシューズから薄底シューズに切り替えると走りにくさを感じるかもしれません。しかし、それは自分の脚でしっかり走っているからです。薄底シューズで走ることで脚が鍛えられるため、トレーニングの効果は高くなります。
レース本番ではヴェイパーフライのように厚底を履く方でも、練習時に薄底シューズを活用すると良いでしょう。
脚にかかる負担に注意!薄底のデメリットも把握しておこう
出典:PIXTA
薄底シューズは地面からの反発のレスポンスが早いため軽快に走れますが、その分クッション性は低くなっています。そのため、地面から受ける衝撃が大きいことに注意が必要です。
この衝撃により脚を鍛える効果も期待できますが、腰や膝の負担が大きくなり怪我をするリスクが高まります。練習・レースで薄底シューズを履く場合は、体の状態をしっかりチェックして無理をしないことが大切です。
また、トレーニング頻度を落とし負荷が蓄積しないようにしましょう。
厚底と薄底、結局どちらを選べばいいの?
では、厚底と薄底ではどちらを履く方が良いのでしょうか。具体的な使用シーンも含めて解説します。
自分に合ったシューズを選び、使い分けることが大切!
出典:PIXTA
薄底・厚底、それぞれにメリットとデメリットがあり、目的やシーンに合わせて使い分けることが重要です。
よりスピードを出しやすいのは薄底ですが、その分足への負担も大きくなります。厚底の方が長い距離を走る時でも、一定のスピードを長時間維持しやすいのが特徴です。そのため、短い距離(10kmまでのロードレース)は薄底、ハーフマラソン・マラソンなどの長距離では厚底を履くと良いでしょう。
ただし、人によって合う・合わないは分かれます。他のランナーの意見を鵜呑みにせず、自分の走りにフィットするか実際に試してみることも大切です。
厚底シューズのデメリットもチェック
厚底のレーシングシューズは、高い反発力によってストライドが伸びて効率が良い走りができますが、その分、使いこなすためには筋力が必要です。
また、ソールの高低差が大きいので沈み込みによって横ブレが生まれ、非効率な走りになったり、捻挫するリスクがあります。トレーニングでは自分の足を鍛えるために薄底シューズを活用し、本番では厚底のレーシングシューズを履くというのも良いでしょう。
ナイキのおすすめの薄底シューズを紹介!
ここからは、おすすめのナイキの薄底シューズを紹介します。
エア ズーム ストリーク LT4
「エア ズーム ストリーク LT4」はナイキのレーシングシューズの中でも軽量で反発力が高いのが特徴です。
フォアフット走法を前提に作られたように前足部が丸みを帯びています。接地時間を短くすることができ、ピッチが向上するでしょう。
ITEM
ナイキ エア ズーム ストリーク LT4 メンズ
●重量:140g
●サイズ:25.0cm~31.0cm
●カラー:オレンジ、ホワイト
ITEM
ナイキ エア ズーム ストリーク LT4 レディース
●重量:140g
●サイズ:22.0cm~26.0cm
●カラー:オレンジ、ホワイト
エア ズーム ストリーク 7
「エア ズーム ストリーク7」は薄底でフラットなソールが特徴のシューズです。薄底ですがクッション性・反発性のバランスが良く長い距離でもしっかり走れます。
アウトソールの溝のパターンは接地や蹴り出しのエネルギー効率を高め、滑らかで自然な動きをサポートします。
ITEM
ナイキ エアズーム ストリーク7 メンズ
●重量:182g
●サイズ:24.0cm~28.0cm
●カラー:レッド、グレー、グリーン
ITEM
ナイキ エアズーム ストリーク7 レディース
●重量:182g
●サイズ:23.0cm~26.0cm
●カラー:レッド、グリーン
スピードレーサー 6
「スピードレーサー 6」は反発性に優れたソールにより、名前の通りスピードを出しやすくなっています。アッパーには「Flywireケーブル」が使用されているため、足を包み込みしっかりと固定するのでフィット感が高いです。
ITEM
ナイキ スピードレーサー6 メンズ
●重量:182g
●サイズ:25.0cm~28.0cm
●カラー:レッド、ホワイト
他ブランドの薄底シューズもチェックしてみよう
現在では、ナイキの薄底シューズはバリエーションが少ないので、他ブランドの薄底モデルも比較してみましょう。ここからはアディダス、アシックス、ミズノの薄底おすすめシューズを紹介します。
アディダス アディゼロ タクミ セン 7
「アディゼロ タクミ セン 7」は、アディダスの薄底レーシングシューズです。クッション性が高いBOOSTフォームと軽量で反発力が高いLIGHTSTRIKEを使用。
アウトソールにはグリップ力が高いコンチネンタルラバーが使われているので、地面をしっかり捉えて力を推進力に変えられます。
ITEM
アディダス アディゼロ タクミ セン 7 メンズ
●重量:170g
●サイズ:23.0cm~31.0cm
●カラー:イエロー、オレンジ
ITEM
アディダス アディゼロ タクミセン 7 レディース
●重量:170g
●サイズ:23.0cm~26.0cm
●カラー:イエロー、オレンジ
アシックス ソーティマジック RP 5
「ソーティ マジック RP 5」は、駅伝・ロードレースでベストパフォーマンスを発揮するために作られた薄底シューズです。
ソール全体には中足部のねじれを防ぐ高剛性のトラスティック材を使用しており、安定感が高く反発性を高めています。アウトソールには「デュオソール」が使われているので、スピードに乗った走りを実現します。
ITEM
アシックス ソーティマジックRP5 ユニセックス
●重量:155g
●サイズ:22.5cm~28.5cm
●カラー:ブルー、グリーン、ホワイト、アクアブルー
▼「ソーティマジック」について詳しく解説した記事はこちら!
ミズノ ウエーブ クルーズ ジャパン
「ウエーブ クルーズ ジャパン」は裸足のようなフィッティングを実現したシューズです。ウェーブ形状で2層に重ねたミッドソールは、薄底ですがクッション性と安定性を高めているので長い距離にもしっかり対応します。
ITEM
ミズノ ウエーブクルーズジャパン ユニセックス
●重量:160g
●サイズ:22.0cm~29.0cm
●カラー:ブルー
薄底シューズのメリットを知り、自分に合ったシューズを使い分けよう!
ナイキでは厚底シューズが主流になっており、薄底シューズの数は少なくなっていますが、薄底シューズには厚底シューズにはないメリットがあります。薄底シューズはスピードを出しやすく、短い距離のレースや練習で有効活用できます。また、人によっては厚底よりも相性が良いこともあるでしょう。
薄底と厚底、自分に合ったシューズを履き用途に合わせて使い分けてパフォーマンスを高めてみてください。
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