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アキレス腱とは?どのような役割がある?
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アキレス腱はカカトの踵骨(しょうこつ)から、ふくらはぎの筋肉であるヒラメ筋、腓腹筋(ひふくきん)とを繋ぐ強靭なゴムのような腱組織のことです。伸縮性に優れており、高いところからの着地でのクッションとしての役割を果たすほか、高くジャンプするときやダッシュするときはバネのようにしなり、力を増幅させる働きがあります。
アキレス腱の痛みの症状と原因
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ひとくちに「アキレス腱が痛い」といっても、部位によって症状や原因が異なります。ここからは、アキレス腱の痛みの出方を踏まえて、3つの症状をご紹介します。
アキレス腱炎
【症状】
アキレス腱の損傷、一部の亀裂が起きている状態です。イメージとしては、分厚いロープの一部が千切れている状態を指します。常時ジリジリと痛みがありますが、アキレス腱の伸縮時に電気が走るような痛みと、患部周辺に熱感を発生させる場合もあります。軽度の場合と、初期は運動後に痛みを感じやすいです。
【原因】
- 足首周りの柔軟性の低さ(特につま先を上に向ける=背屈の可動域)
- ウォーミングアップ不足による急な走り出し
- インターバル走のような速いスピードでの走り過ぎり
- 予期せぬ転倒や、人とぶつかったときにバランスを取ろうと急に力をかけた
- 足場の悪い場所での長時間の運動
アキレス腱が急激に引き伸ばされることで起きやすい症状です。
アキレス腱の滑液包炎
【症状】
アキレス腱とカカトの骨の間に存在する滑液包が炎症を起こしている状態です。滑液包はアキレス腱を保護するクッション材としての役割を果たしていますが、過度な摩擦により炎症が起きて痛みを発生させます。カカトの周辺に痛みが集中しやすく、重度の場合は腫れ上がり、シューズが履けなくなるほどです。
【原因】
- 足首周りの柔軟性の低さ(特につま先を上に向ける=背屈の可動域)
- 猫背によるカカト重心の走行
- 上り坂の多い道を頻繁に走っている
- カカトのすり減ったシューズでの走行、シューズの老朽化
- 連日、長い距離の走り過ぎ
- サイズが合わないシューズを履いてのランニング
1足のシューズだけで練習を行っている方や、疲労が回復しきっていない状態での長距離ランニングで発生しやすいです。練習用シューズは練習内容に応じてクッション性の高いモデル、安定性の高いモデルなど複数持っていると、足にもシューズにも良いでしょう。
アキレス腱の断裂
【症状】
アキレス腱が完全に断裂するときは「プツン」と音がした後に激痛が走ります。歩行すら困難な状態となり、断裂直後はカカトの上あたりに凹みが発生します。
【原因】
- 高頻度なジャンプや踏み込みによる過労
- 高いところから飛び降りて、着地する際にカカトを強く打ち付ける
- 段差での踏み外し
- ウォーミングアップ不足
バドミントン、バスケットボールのような切り返し動作が多い種目に起きやすい症状ですが、ランニングにおいても注意が必要です。横断歩道の点滅に焦って走り出したときや、練習時に走るスピードを上げた瞬間、上り下りが多いコースを走るときでも起こる可能性があります。発症した場合は直ちに病院へ行きましょう。
アキレス腱が既に痛い場合の対処法
既にアキレス腱に痛みを感じている場合は、アキレス腱に損傷・炎症が起きている可能性が高いです。回復するまでランニング、ジョギングはお休みしましょう。歩行も通勤通学や仕事の移動など、やむを得ない場合以外は控えたほうが無難です。無理に動かすと、痛みが無くならない以上、永遠に悪化し続けます。ここからは1日も回復を早めるための方法をご紹介します。
アイシング
撮影:haruki303s
【アイシングとは】
ビニール袋に氷を詰めて「アイスパック」を作り、患部に当てて冷却し、回復を促進させる方法です。
アキレス腱を始め、筋肉や腱が炎症を起こしているときは「カラダに異常事態が起きている」と脳が判断して異常が起きてる筋肉を緊張状態(=グッと力みっぱなし)にさせます。
この状態を放置していると柔軟性を大きく低下させるだけでなく、回復後のパフォーマンスの低下にも繋がります。
【アイシングのやり方】
①ビニール袋に氷を詰めて平らにする
スーパーにあるお肉やお魚を入れる透明なビニール袋が最適です。
②空気を抜き密閉にする
氷を入れたらビニール袋に口をつけて、息を吸い密閉状態にします。
密閉状態になったら、ビニール袋の穴をグルグル巻きにして塞ぎ、空気が入らないようにしましょう。
③アキレス腱周辺に当てる
痛みを感じる部位にアイスパックを当てます。
④感覚が無くなるまで我慢する
炎症を抑制させるためには、感覚が無くなるまで冷やすことが重要です。
数秒だけのアイシングでは回復効果が見込めません。
⑤感覚が戻り始めたら再度、アイスパックを当てる
感覚が無くなる→感覚が戻り始めたら冷やす。これを3回繰り返します。
一日中、アイシングをする必要はありませんが、最低でも朝と夜の2回は行いたいです。
【注意点】
- 凍傷しないためにアイスパックを直接患部に当てるのではなく、薄いタオルを間に挟みましょう
- 手持ちでは指が辛いし、指の温度で氷が溶けやすくなってしまいます。サランラップや包帯を使って固定すると良いでしょう
- アイスパックに水は入れないようにしましょう。氷が溶けやすくなり冷却効果が激減してしまいます
安静
回復を促進するには、患部を動かさないことです。回復しきる前に動いてしまっては、返って傷口を広げてしまいケガを悪化させてしまします。
走ることが好きなランナーにとっては辛いかもしれませんが、回復するまでは運動厳禁です。
歩行もやむを得ない移動以外は控えましょう。アキレス腱の痛みの回復を早めるには、アキレス腱を伸び縮みさせないことが鉄則となります。とにかく安静第一にして過ごすことが大切です。
シーン別!足首を固定するおすすめサポーター
アキレス腱が痛くても、通勤通学など、どうしても歩かなければいけない方も多いのではないでしょうか。アキレス腱が痛い中での移動は本当に辛いですよね。そのような方は、ケガを悪化させないためにもアキレス腱を含め足首を固定してくれるサポーターを使用しましょう。ここからは、着脱が行いやすいサポーターをご紹介します。
しっかり固定できるサポーター「ザムスト 足首サポーターA1」
足首の動きを最小限に抑えて、しっかり固定してくれるサポーターです。ちょっとした不注意で患部を机や壁にぶつけても守ってくれるのでケガをしている最中でも安心して過ごすことができます。左右別になっているので、痛い足に合わせた方を買いましょう。
【メリット】
- しっかり固定できるので痛みを感じにくい
- 毎回同じセット方法なので、一度覚えてしまえば簡単に使用できる
【デメリット】
- 動きの制限がかかるので歩きにくくなる
- 蒸れやすい
- サポーターのサイズが大きいので、普段履いている靴が履けない
→サンダルのご利用をおすすめします
ITEM
ザムスト 足首サポーターA1
●カラー:ブラック
●サイズ:S 19~22cm / M 22~25cm / L 25~28cm / LL 28~31cm
●素材:ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、天然ゴム、ポリエチレン、ポリアセタール
通気性の良いサポーター「ファイテン サポーターバンテージ」
バンテージタイプは自分が固定したい形に巻き方ひとつで調整が可能です。足首以外にも使用可能で、もし別の部位をケガしたときにも代用ができるため使用用途の幅も広いです。
【メリット】
- 薄手なので普段から履いている靴が履ける
- 通気性が良く蒸れにくい
- バンテージタイプなので取り外しはピンを外すだけ
- 装着時のキツさ、テンションの調整がしやすい
【デメリット】
- 使う度に締め付けが弱くなる
- 固定する角度やキツさの調整が毎回変わってしまう
→ちょっとした油断でアキレス腱を伸ばしていしまう可能性があるので、注意が必要です。
ITEM
ファイテン サポーターバンテージ
●カラー:ブラック
●サイズ:縦8cm×横50cm
●素材:本体:ナイロン92%、ポリウレタン8%
面ファスナー:ポリエステル100%
足首のケガ予備軍?足首周りの柔軟性チェックテスト
撮影:haruki303s
「ふくらはぎが疲れやすい」「足裏にハリ感を感じる時がある」
そんな方はアキレス腱を痛めてしまう予備軍と言えます。今は大丈夫でも、甘く見ているといつかケガをする可能性も…。たった5秒で終わるテストです。「自覚は無いけど、実は足首が硬いのかも」と思う方は是非行ってみましょう!
<手順>
- 両足をくっつけて真っ直ぐ立つ
- 両手を前に伸ばして、手を重ねる
※肘は両方とも伸ばしたまま行いましょう
- ゆっくりしゃがむ
<注意点>
- アキレス腱に痛みがある方は、痛みが消えてから行いましょう。
- 後ろに倒れる可能性もあるので、周りに物が散乱していない広いスペースで行いましょう。
- ベッドやクッションの上では行わないようにしましょう。
<テスト結果>
【OKパターン】
- カカトが床に着いたまましゃがめている
- お尻が足首と同じ高さにある
- 足裏やふくらはぎに痛みやツッパリ感がない
上記のいずれか1つでも当てはまらないパターンがあればNGとなります。
【NGパターン】
- しゃがもうとするとカカトが浮いてしまう
- お尻が足首より高い位置にある
- ふくらはぎにツッパリ感がある
- 足首やスネに力み、違和感を感じる
NGパターンだった方は、このあと紹介するアイテムを活用したり、セルフストレッチを行って、足首周りの柔軟性を向上させましょう!
足首周りの柔軟性を改善させるおすすめケアアイテム
足首周りが硬い方は足の裏に負担がかかりすく、凝りやすいです。特に、月100km以上も走るランナーは足の裏で度重なる衝撃を受け止めています。
足裏の凝りは間接的にふくらはぎ、太もも裏の柔軟性の低下にも繋がり、
- 歩幅が狭くなる
- 上り坂で足が上がりにくくなりペースが落ちる
などのデメリットを発生しかねません。
日頃からのケアがケガ予防だけでなく、パフォーマンスアップにも繋がります。
ここからは乗るだけで簡単にケアできるおすすめアイテムをご紹介します。
マッサージボール
マッサージボールを踏んで、足裏でコロコロ転がすだけでも足裏のケアができます。大会時やランニングステーションを利用しての練習など、外出の際に持ち運びができる使い勝手の良さが魅力です。旅行や外出の多い1日でも、マッサージボールをカバンに忍ばせておけば、いつでもケアができちゃいます。
<使い方>
- イスに浅く座り、足の裏にマッサージボールをセットする。
- 少しずつマッサージボールに体重をかける。
- 痛気持ちいい圧になったらコロコロ転がす。
ITEM
KOOLSEN マッサージボール
●カラー:ピンク / 水色
●サイズ:直径約6cm
●素材:ナチュラルラバー
<注意点>
- マッサージボールには少しずつ体重を乗せましょう。
一気に体重をかけると耐え難いほどの激痛に襲われます。
- 使用後、マッサージボールは床に放置しないようにしましょう。
置いてあった場所を忘れて、気づかず踏んでしまうと転倒によるケガが起こりかねません。保管場所を決めて管理しましょう。(お子さんがいる方は、子供の手の届かない場所に保管しましょう)
- テーブルやイスの下に転がって紛失しないよう、家具のない広いスペースで行いましょう
フットマッサージャー
足を置いてスイッチを押すだけで足裏〜足の両サイドをマッサージしてくれるアイテムです。マッサージの強度や回転スピードも変えてられるので好みの強度に調整ができます。両手は空いているので、マッサージを受けながらスマホ操作や読書もできるのでスキマ時間を活用したい方におすすめです。
<使い方>
- イスに座り、足の位置にフットマッサージャーをセット。
- 電源を入れて、スイッチを押してマッサージ開始。
<注意点>
- 寝落ちしないよう気をつけましょう。
長時間のマッサージは揉み返しを起こします。5〜10分/回の利用がおすすめです。
- 飲酒しての利用は避けましょう。
マッサージは血流を促進するのでお酒が回りやすいです。酔いが回って転倒する可能性もあります。
ITEM
テスコム フットマッサージャー
●カラー:ゴールドベージュ
●サイズ:横56.8 x 縦35.2 x 奥行26.2 cm
●素材:材質:本体/ABS、クッションカバー/ポリエステル100%
装着して足首の柔軟性を改善させるアイテム
忙しくてストレッチやケアをする時間が作れないという方におすすめしたいのが、装着して機能改善を図るアイテムです。装着して過ごすだけでも改善に繋がりますが、装着してストレッチやケアを行うことで、より効率的に足首周りの柔軟性を改善することができます。
GONTEX(ゴンテックス) 足首貼足3 アシクビハッタリ
皮膚と筋肉の間にあるリンパやカラダの水分の流れを良くして、柔軟性の改善を図ります。貼り方の説明書もついており、テーピングもすぐに貼れる形状になっているため、自分で切る必要もありません。初めてテーピングを貼る方にも扱いやすいアイテムです。
<使い方>
- 説明書の通りに順を追って貼っていく。
- 貼り付けたら、指でテーピングを優しくさする。
摩擦の熱で粘着力をあげて固定したら装着完了。
<注意点>
- 一度剥がすと粘着性はほとんど無くなります。
粘着性が強いテープではないので、貼る位置を間違わないよう、貼る前に確認しましょう。
- かゆくなったらすぐに剥がしましょう。
貼った直後でもかゆくなったらすぐ剥がしましょう。我慢しているとかぶれてしまう可能性があります。分厚い、粘着力が強いキネシオテープほどかゆくなりやすいです。
- 水に濡れても剥がれなければ貼ったままでも大丈夫です。
3日ほどであれば粘着力も持続しています。お風呂上がりはタオルで優しく拭けば剥がれません。
長持ちさせるコツはキネシオテープの角を丸くすること。
靴下の着脱やズボンとの摩擦により、キネシオテープの角が触れることで剥がれ始めます。角を丸くすることで、余計な摩擦を抑えられるので剥がれにくくなります。
ITEM
GONTEX(ゴンテックス) 足首貼足3 アシクビハッタリ
●カラー:水色、ベージュ
●サイズ:横39.5cm×縦27.3cm
●素材:布:綿ポリウレタン、粘着剤:アクリル系
リアラインソックス プロ
(社)日本健康予防医学会 副理事長を務める医学博士 蒲田 和芳さんが考案した足首周りの機能改善をするための靴下です。キネシオテープの効果を発揮する縫合が施されており、足先〜ふくらはぎまでしっかりフィットする作りのため多少の履きにくさはありますが、履いて過ごすだけで足首周りの正しい動かし方の動作学習ができるので運動するときや自宅で過ごすときにも装着してみましょう。
<使い方>
- 靴下を履く。
- 最後に口ゴム部分を外側に捻じれば装着完了
<注意点>
- 一度の着用は3時間以内にしましょう。
口ゴム部分の滑り止めが摩擦により水ぶくれを発生させる可能性があります。
- 口ゴム部分の位置がズレないようこまめに確認、修正しましょう。
動いていると口ゴム部分がズレているときがあります。こまめに確認するこで水ぶくれの予防にもなります。
ITEM
ReaLineリアラインソックス プロ
●カラー:ブラック/ホワイト/ブラック×ホワイト/ ブラック×ピンク
●サイズ:S22~23.5cm、M24~25,5cm、L26~27.5cm、LL28~29.5cm
●素材:足口部:シリコーンゴム、足底部:ポリ塩化ビニル系樹脂
再発予防!足首のストレッチ効果を高めるアイテム
足首が硬い方は、ふくらはぎの筋肉である「ヒラメ筋」「腓腹筋(ひふくきん)」が硬い傾向にあります。この2つの筋肉の柔軟性を改善させて、足首の可動域を広げることでアキレス腱を痛めない足を作ります。
ストレッチボード
ふくらはぎの筋肉をダイレクトに伸ばすことができるストレッチボードは
- コンパクトで、収納時は壁に立てかければスペースも取らない
- 高さ調整が可能で扱いやすい
- 床に手をつかないでストレッチができる
「床に手足をつけて行うストレッチだと、ふくらはぎが伸びている気がしない」そんな感想をお持ちの方には特におすすめです。
このあと紹介する片足前屈ストレッチの際にご活用ください。
ITEM
LINDSPORTS 柔軟ボードXO
●カラー:水色×グレー×ホワイト
●サイズ:横38.5cm×奥行/36.5cm×高さ(最小0度 6cm~最高39度 24.5cm)
●素材:本体:本体/PP、踵クッション/TPR
足首周りの柔軟性を高めるセルフストレッチ3選
アキレス腱の痛みを予防するためには、日頃からストレッチで足首周りを柔らかくしておくことも有効です。ここからは、足首周りの柔軟性を高める簡単なストレッチを紹介していきます。
ヒラメ筋ストレッチ
出典:イラストAC
<ストレッチ効果>
ふくらはぎの下半分〜アキレス腱にかけて付着している「ヒラメ筋」を伸ばします。
坂道でも疲れない走りを獲得したいランナーにおすすめのストレッチです。
<ストレッチの流れ>
- 最初に正座で床に座ったあと、左膝だけ立てる
- 左足首をカラダの近い位置にセットする
- 左膝に胸をつけたまま前方に体重の乗せ、前後にゆっくり動く
※1セット終了後、逆の足に入れ替えて1〜3を行う
<回数>
10回✕3セット
各セットとも最後の10回目だけ20〜30秒キープする
<注意ポイント>
- 伸びてる感覚がない方は、このあとご紹介する「ふくらはぎストレッチ」を行いましょう。
- 膝とつま先は正面に向けよう。内側に向きやすいので気をつけましょう。
ふくらはぎストレッチ
撮影:haruki303s
<ストレッチ効果>
膝裏〜アキレス腱にかけて付着している「腓腹筋(ひふくきん)」を伸ばします。
太もも裏〜アキレス腱付近に伸びている感覚があれば正解です。
長い距離を走っても疲れない攻めた走りを獲得したいランナーにおすすめのストレッチです。
<ストレッチの流れ>
- 四つん這いで両手両膝を床に着ける
(手は肩幅、膝は腰幅にセットする)
- 両膝を拳2つ分後ろに下げる
- 右足のアキレス腱に、左足首を乗せる
- 右足のつま先を立てて、お尻を天井に突き出すようにして両膝を浮かせる
- 右足のつま先に体重を乗せながら前後にゆっくり動く
※1セット終了後、逆の足に入れ替えて1〜3を行う
<回数>
10回✕3セット
各セットとも最後の10回目だけ20〜30秒キープする
<注意ポイント>
- 腓腹筋(ひふくきん)を伸ばしている方の膝は伸ばしきりましょう。
- ふくらはぎに伸びている感覚がない場合は足を拳1つ分後ろの下げましょう。
片足前屈ストレッチ
撮影:haruki303s
<ストレッチ効果>
太もも裏〜膝裏にかけて付着している「ハムストリングス」を伸ばします。
ランニング中の歩幅を広くしたて、好成績を狙うランナーにおすすめのストレッチです。
先程、ご紹介した「ストレッチボード」を使うとストレッチ効果が高まります。
<ストレッチの流れ>
- 両足で真っ直ぐ立つ
- 右膝だけを曲げて、前屈するように床に向かってカラダを倒す
- 右膝は曲げたまま、上下にゆっくりカラダを動かす
- 10回目が終わったら鼻から息を吸いながらゆっくり起きる
※1セット終了後、逆の足に入れ替えて1〜3を行う
<ストレッチボードを利用する場合の流れ>
両足をストレッチボード上に乗せて、立つ
以降は<ストレッチの流れ>と同じ手順で行う。
<回数>
10回✕3セット
<注意ポイント>
- 途中で頭に血が登って辛く感じたら、息を吸いながらゆっくり起き上がりましょう。
- 急に勢いよく起き上がるとめまいを伴う可能性が高い。
- 床に指が付けなくても大丈夫です。ご自身が痛気持ちいいと思える範囲まで行いましょう。
- 勢いよく起き上がると後方に倒れる可能性もあるので広いスペースで行いましょう。
セルフストレッチを行う際の注意点
セルフストレッチも単に筋肉を伸ばせばいい訳ではなく、正確なフォームと一回一回のストレッチを丁寧に行うことが効果を左右します。
ここからはセルフストレッチを効果的に行ってもらうためにも理解してほしい注意ポイントをご紹介します。
ゆっくり丁寧に行おう
出典:PIXTA
セルフストレッチは量より質です。雑な100回よりも丁寧な10回のほうが効果は勝ります。勢いをつけたり、無理やり筋肉を伸ばしてはケガの元となり大変危険です。
痛みが出たら即中止しよう
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- ストレッチ中に伸びている感覚の痛みとは別に、耐え難いほどの痛みを感じた
- ストレッチ後もズキズキと痛い
- なにもしてなくても痛い
上記のいずれかに当てはまったら、すぐストレッチや運動を中止しましょう。
アキレス腱が痛いときは安静に!ストレッチで再発予防も
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アキレス腱が痛いときは運動や歩行は控えて安静に過ごしましょう。1日も早く回復するためには安静に過ごすことこそが一番の近道です。
「最近走っていてアキレス腱の周りに違和感を感じる」
「ランニング後や朝だけアキレス腱が痛くなる」
「階段を登るときや上り坂を歩くと痛い」
など少しでも思い当たる節がある方はもちろん、症状が3日経っても治まらない方は一度、整形外科の受診をおすすめします。
お医者さまの指示のもと、運動の許可が出たら足首周りのストレッチを導入し、再発予防に努めながらランニングも少しづつ再開しましょう。
ケガが悪化してアキレス腱が断裂してからでは、回復まで最低でも半年は要します。楽しいランニングライフを送るため、日頃から入念なウォーミングアップとケア、予防のための柔軟性強化を行いましょう。