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マラソン大会の強力なサポーター『ペースメーカー』について知っておこう!
マラソン大会には『ペースメーカー』と呼ばれる方が参加しています。このペースメーカーについて把握しておくと、マラソンを戦略的に走るヒントになります。ここからはペースメーカーの役割について紹介します。
マラソン大会のペースを作る重要人物!
『ペースメーカー』は文字通り、マラソンレースのペースを作る人のことで、「PACE」と書かれた胸ゼッケンをつけている人がペースメーカーです。
す。大会にペースメーカーが走る内容はさまざまですが、主に先頭集団を先導する役割を担っており、『1km〇分ペース』と決まった設定タイムで走ります。
この先頭を走るペースメーカーによって、レースのタイムが決まるといっても過言ではありません。
ペースメーカーはかなりの実力者!
ペースメーカーは決まったペースで20kmや30kmなどの長い距離を走らなければなりません。アップダウンがあるコースや向かい風がある日、天候によっては暑い日や寒い日もありますが、このような場合でもペースメーカーは一定のペースで走る必要があります。
ペースメーカーによって優勝タイムが決まることもあるので、設定タイムで確実に走れるだけの実力が求められます。
また、ランナーによって「単独走が得意」「ついていくのが得意」などランニングの得意不得意があります。その中でも、『一定のリズムを崩さず先頭で走り続ける』というのはかなり難易度が高いため誰でもできることではありません。
国際大会など規模が大きな大会のペースメーカーは、世界選手権などで入賞するような実力者が担うことが多いです。
ペースメーカーについていけばいい記録が出る?
近年、マラソンで好タイムが連発しているのも、ハイレベルなペースメーカーがレースのペースを作っているのも大きな要因と言えるでしょう。
基本的には単独で走るよりもペースメーカーについていく方が、自身でペースを調整する必要がないのでより体力を温存でき、スタミナが続くので良い記録が出やすくなるのです。
追い越しても良い?ペースメーカーに関係するルール
マラソンのペースメーカーにはいくつかルールがあります。その中でも多くの方が疑問に感じるような代表的なルールを見ていきましょう。
付いていくか、追い越すかは選手の自由!
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「ペースメーカーがいるときは、ペースメーカーよりも前を走っても良いの?」と思う方は多いでしょう。結論としては、追い抜いても問題ありません。
例えば、大会当日の調子が予想以上に良く、ペースメーカーが遅すぎると感じたときは、前に出て走っても大丈夫です。あくまでも大会をサポートする立場なので、選手は自由に走って良いのです。
ただし、ペースメーカーは基本的には決められた(契約した)ペースを守らなければなりません。大会によって設定タイムは決まっているので、その契約内容に従う必要があります。
※余談ですが、世界記録を狙うようなレースの場合、選手の指示によって設定ペースよりも速く走るペースメーカーもいます。
大会によってペースメーカーが走る距離が決まっている
大きなマラソン大会のペースメーカーは30kmほどで離脱することが多いです。マラソンは『30kmの壁』と言われるように、30km以上をハイペースを維持し、そのまま完走するのは非常に難しくなります。
そこで、一定のペースで走る確実性を上げるために、ハイペースなレースの場合は30kmなどに設定されていることが多いです。また、一部のペースメーカーは20kmまでなど、走る人によって変わるケースもあります。
※大会によってはペースメーカーが完走しても良い場合もあります。
ペースメーカーが途中から参加することは禁止!
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陸上競技のルールでは、ペースメーカーの途中参加やペースメーカーのリレーは禁止されています。例えば、30km地点で最初のペースメーカーが抜け、新しいペースメーカーが参加した場合、レースが「非公式扱い」になってしまい、もし良いタイムが出たとしても公認記録にはなりません。
例えば、2017年にナイキが実施したマラソン2時間切りプロジェクトの『Breaking2』や、2019年の『イネオス1:59チャレンジ』では、ペースメーカーが入れ替わる方法だったので、公式記録に認められていないのです。
大会に出るならペースメーカーを活用しよう!
今後、マラソン大会に出る機会があれば、是非ペースメーカーを活用してみましょう。ここからは、ペースメーカーを活用するメリットを紹介します。
自分の走りに集中しやすくなる
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ペースメーカーは一定のペースで走ってくれるため、付いていくことで自分の走りに集中しやすくなります。1人で走るときは自分でペースを作る必要があり、同じペースで走っている感覚でも、気づかないうちに速くなったり遅くなったりします。
ペースが上下してしまうと体力を無駄に消費してしまうので、ペーサーについていく方が省エネになり走りやすくなります。
風よけになるので無駄な体力の消費を抑えられる
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マラソンは風の影響を受けやすく、向かい風があるとかなり走りにくく体力の消耗が激しくなります。そこで目の前にペースメーカーがいれば良い風よけになり、体力の消耗を抑えられます。
体力を効果的に温存できるので、ペースを保ちやすく後半の方がタイムが速い「ネガティブスプリット」も狙いやすくなります。
大会によって複数のペーサーがいることも!
ペースメーカーといえば、先頭集団を引っ張る役割なので「自分には関係ない」と感じる方も多いでしょう。しかし、大会によっては「サブスリーペース」や「完走ペース」など、さまざまなペースメーカーがいることもあります。
自分の目標に近いペースメーカーがいるレースに出場すれば目標を達成しやすくなるでしょう。特にサブスリーや完走ペースなどのペースメーカーは最後まで走ってくれることが多いので、最後までペースを保ちやすいです。
これは大会運営サイドとしても、『良い記録が出る大会』として打ち出した方が大会自体をPRしやすくなるため、ペースメーカーを複数人用意するなど力を入れているケースが増えています。
もし大会でタイムを狙いたいのであれば、目標のタイムに近いペースで走るペースメーカーがいるか確認してみると良いでしょう。
ペースメーカーがいないときのために、正確なペースを測定できるスマートウォッチがあると便利ですよ。ガーミンの『ForeAthlete945』であれば、日々のトレーニングも効果的に行えます。
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・時速/距離/ペース記録
・ランニングプラン作成
・最大酸素摂取量計測
ペースメーカーをやるメリット・報酬は?
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マラソン大会でペースメーカーを行うと、大会の規模に応じて報酬がもらえます。特に国際大会など大規模なレースなどの場合は数十万円~ほどの報酬が出るといわれています。
ただし、市民マラソンなどの規模が小さい場合、ほとんどがボランティアです。このような場合は、「練習の一環として」「本番のレースに向けて経験を積むため」などの目的でペースメーカーを引き受けることが多いです。
また、ペースメーカーを引き受けたときは参加費なくレースに出れるなどのメリットもあります。
マラソンで目標を達成するなら、ペースメーカーについて走ってみるとペースを保ちやすい!
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マラソン大会にとって、ペースメーカーは重要な役割を担っています。ペースメーカーについていくことで、自分の体力を温存したり、目標ペースを保ちやすくなるなどのメリットが多いです。
もし今後マラソン大会に出る機会があるときは、ペースメーカーがいるレースを選んで良い記録を出しましょう。
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