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ランナーにとってストレッチが必要な理由とは?
走る前後やその日の終わりにストレッチをしていますか?実は、ランナーにとって、「走ること」と同じくらい「ストレッチ」はとても重要なのです。
ストレッチは走ることと同じくらい大切
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大会で力を発揮するために日々走りこんだり、ダイエット目的で長時間走ったり、目的によって強度が違いますが、「走る」という動作は筋肉へかなりのダメージを与えます。
特に、下半身(太もも前側、外側、裏側、ふくらはぎ、脛)は常に動かし続けていますよね。筋肉を休めることなく使い続けてしまうと、慢性的な疲労状態である「オーバートレーニング」になることも。駆使している筋肉をストレッチしてあげることは、疲労回復に繋がり、結果としてパフォーマンスが上がります。
筋肉が硬いまま走るのはリスクが高い
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筋肉が硬い状態が続くと、関節可動域を狭めてしまいます。関節可動域とは、関節の動く範囲のことを表します。筋肉は関節と関節をまたいで骨に付着しているので、筋肉の硬さが関節可動域に大きく影響を与えてしまいます。関節可動域が狭いままランニングを続けると、ストライドの減少やランニングフォームの乱れに繋がり、持っている力を発揮仕切れない結果になることも。
ストレッチで、関節可動域を広げることが大切です。
いつも同じストレッチではダメ?目的に合わせた効果的な方法とは
ランニングの前と後、どのタイミングでストレッチをするか迷いますよね。実は、どちらも正解です。大切なのはいつやるのかではなく、どんなストレッチをするべきか。ランニング前後の身体の状態によって、効果的なストレッチが異なるのです。
【ランニング前】ランニングの準備になる「動的ストレッチ」
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ランニング前の筋肉は、まだ寝ている状態です。筋肉を起こしてあげてランニングに最適なコンディションにする為には、「動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)」がおすすめです。
動的ストレッチとは、動きのあるストレッチのことで関節可動域を広げることはもちろん、体温の上昇、神経伝達の活性化などの効果があります。
【ランニング後】疲労を持ち越さないための「静的ストレッチ」
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ランニング後の筋肉は、疲労が溜まり熱を持った状態。筋肉をお休みモードにしていく為には「静的ストレッチ(スタティックストレッチ)」がおすすめです。
文字の通り、静かに行うストレッチで、同じ姿勢を一定時間保つことで筋肉をゆっくりと引き伸ばします。呼吸を止めずに行うことで、血液循環を促し、リラックス効果や疲労回復に繋がります。
【実践編】ランニング前におすすめの「動的ストレッチ」
ここからは、ランニング前におすすめの動的ストレッチをご紹介します!ランニングのウォーミングアップを兼ねて、少し息が弾むくらいで行いましょう。
紹介する4つの動的ストレッチは、全て行うことで全身のコンディションが整います(順不同)。難しい場合は、数種目をご自分でチョイスして行ってみてくださいね。
1. ニーハグ
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片足でのバランスを取りながら、お尻の筋肉を活性化させる動的ストレッチです。
手順
- 足は肩幅でまっすぐ立つ
- 軽く膝を曲げ、両手を胸の前で構える
- 右足をゆっくりと持ち上げ、両手で膝を抱える
- そのまま軸足の左足を伸ばし身体を起こす
- 足を戻し、反対側も同様に繰り返す
10~20回を目安に行います。
〈ポイント〉
慣れるまでは、片足でバランスを取ることが難しいので、無理に身体を起こさず、出来る範囲でOK!
抱えている足のお尻が伸びていること、軸足の腿の筋肉に力が入っていることを意識しましょう。
2. サイドランジ
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内ももの筋肉の可動域向上、お尻の筋肉を活性化させる動的ストレッチです。
手順
- 足を肩幅の1.5倍ほど開く
- 両手を胸の前で構えるか、写真のようにまっすぐ伸ばす
- 右足に体重を乗せながらお尻を後ろへ引く
- 正面に戻り、反対側も同様に繰り返す
10~20回を目安に行います。
〈ポイント〉
3のお尻を引く際、膝が前に出てしまうと、腿の前側が頑張りすぎてしまうのでお尻を後ろへ引くことがポイントです。
3. スモウスクワット
撮影:m_fitness
股関節の可動域向上、腿の裏側~ふくらはぎの柔軟性向上を目的とした動的ストレッチです。
手順
- 足を肩幅より広めに開く(あまり広すぎるとやりにくいので調整してみてください)
- しゃがみながら、指先でつま先を触る
- つま先を触ったまま、お尻を天井に向かって持ち上げる
- 2の姿勢に戻り、繰り返す
10回を目安に行います。
〈ポイント〉
柔軟性には個人差がありますので、2の姿勢が取りにくい場合もあります。その場合は、つま先ではなく脛を触るようにし、しゃがむ姿勢も無理のない範囲でOK!
お尻を天井に持ち上げる際に、背中が丸まりやすいので、背筋はまっすぐ伸ばすことを意識しましょう。
4. 肩甲骨モビリティ
撮影:m_fitness
肩甲骨周りの可動域向上、安定性向上を目的とした動的ストレッチです。
手順
- 立位、座位どちらでもOK
- 手の平を外側に向けるように、顔の前で手の甲と肘を合わせる(写真①)
- 手の平が外側に向けながら、肘90°になるまで両手を開く(写真②)
- そのまま両手を上に伸ばし、手の甲を合わせる(写真③)
- 写真④~⑥の流れで動かす
10回を目安に行います。
〈ポイント〉
手の平の向きがポイントで、手の平の向きが変わることで肩甲骨に刺激が入ります。
慣れてきたらテンポ良く行うと、身体がポカポカと温まりますよ。
【実践編】ランニング後におすすめの「静的ストレッチ」
続いては、ランニング後におすすめの静的ストレッチをご紹介します!柔軟性には個人差がありますので、無理なく筋肉の伸び縮みを感じられる範囲で行いましょう。
90/90ストレッチ
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股関節周辺の柔軟性向上を目的とした静的ストレッチです。
手順
- 前の脚を膝90°で曲げる(難しい場合は、写真のように踵を身体へ引き寄せる)
- 後ろの脚はまっすぐ伸ばす(難しい場合は、曲げてもOK)
- 骨盤を正面に向ける
- 息を吸い、吐きながら身体を前に倒す
- 呼吸を止めず、気持ちのよい所で10秒ほどキープする
〈ポイント〉
前脚側のお尻、後ろ脚側のもも前が伸びるのを感じましょう。
ヨガマットのような柔らかいものの上で行うと、やりやすいです。
ITEM
DABADA ヨガマット 10mm 収納ケース付き
●本体サイズ:長さ180×幅60cm 厚さ10mm
●収納時サイズ:直径17×幅60cm
●重量:800g
●素材:NBR(ニトリルゴム)
●カラー展開:ピンク/パープル/ブラック/ブルー/グリーン/オレンジ/シャンパンピンク/ミントグリーン
片足ニーリングストレッチ
撮影:m_fitness
腿の前側の柔軟性向上を目的とした静的ストレッチです。
手順
- 椅子または台の上に片足を乗せて片膝立ちの姿勢をつくる
- 前の膝が90°になるようにし、胸を張る
- 骨盤後傾(お尻をしまい込むイメージ)する
- 足を入替えて反対側も同様に行う
10~20秒を目安に行います。
〈ポイント〉
骨盤を後傾させることで更に腿の前側の伸びを感じられます。
柔軟性によっては椅子や台に足を乗せると腰が反ってしまうので、その場合は足を乗せずにマットの上で行いましょう。
もも裏のストレッチ
撮影:m_fitness
腿の裏側の柔軟性向上を目的とした静的ストレッチです。
手順
- 長座の姿勢を作る(クッションをお尻の下に挟むと姿勢保持しやすい)
- 息を吸って、吐きながら身体を前に倒す
- ゆっくりと身体を起こす
10~20秒を目安に行います。
〈ポイント〉
腿の裏側が硬い場合、長座をした時点で骨盤が後ろに倒れ、背中が丸まります。その場合は、クッションを半分に折り曲げたものをお尻に挟んだり、フレックスクッションという三角形の形をしたクッションを使用するとより効果的に伸びを感じることが出来ます。
ITEM
サンテプラス フレックスクッション
●本体サイズ:縦40×横40cm 高さ(前)5cm(後)20cm
●収納時サイズ:ー
●重量:約1.15kg
●素材:カバー部分/合成皮革・ポリエステル生地、内部/ウレタン発泡材等
●カラー展開:ブラック/パール/ホワイトベージュ
90/90チェストオープン
撮影:m_fitness
胸周り、肩周りの柔軟性向上を目的とした静的ストレッチです。
手順
- 横向きで膝・股関節が90°になるように寝る
- 両手を合わせる
- 息を吸い、吐きながら上の手を開く(写真では顔の位置はそのままですが、目線は指先を追う)
- 元の位置に戻り、繰り返す
10~20回を目安に左右行います。
〈ポイント〉
背中が丸くなると胸の伸びが感じづらくなるので、背筋はまっすぐ伸ばしましょう。
また、手を開く際に骨盤がつられて動いてしまうのもNG。固定するためにクッションを膝の間に挟んで行ったり、ストレッチポールを上の膝を押さえながら(その際、下の足はまっすぐ伸ばす)行うと下半身が安定し、より上半身に意識が向きますよ。
ITEM
LPN ストレッチポールEX
●本体サイズ:長さ98 x 直径15cm
●収納時サイズ:ー
●重量:約700g
●素材:芯材/EPE、カバー/合成皮革
●カラー展開:ネイビー/ピンク/ライトグリーン/アイボリー/イエロー
※身長155cm以下の小柄な女性やご高齢の方にはハーフカット、又はストレッチポールMXがおすすめ
ストレッチを取り入れ、疲れ知らずの身体でランニングを
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ランニングが走り込みやトレーニングを重ねて成果が出るように、ストレッチも1~2回では効果は得られません。身体が硬いな・・・、疲れがなかなか抜けない・・・と悩んでいる方こそ、日々酷使している身体を、よりよい状態に導くために毎日の習慣にストレッチを取り入れてみてくださいね!
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